打ち合わせ中も、クリテスの心は震えていた。デロスの神殿にいた頃とは、己を包む空間が全く異質であることにっ震えていたのである。神官の配慮がぴしっと感じられた。それと同時に場の中心にいるアエネアスの人柄に感動している自分に気がついた。
『俺はこの人にとことんついていこう』
心が燃えた。クリテスの心はメラメラと炎を上げて燃えた。彼は、おそるおそる軍団長のイリオネスに声をかけた。緊張のあまりに舌がもつれた。
『軍団長どの。明朝、早く父親のもとを訪ねたいと思っているのですが』
『そうか、それはいい!クレタにおけるこれからのことについて、計らねばならん。わかった。どのようにして行くのだ』
『陸路を徒歩で行きます。帰りは父の船で来ると思いますが』
『時間はどれくらいかかるのか』
『そうですね。徒歩で二刻ばかり、船で二刻半ぐらいと思います』
『判った。こちらから三人くらい同道させるが、いいかな』
『よろしゅうございます。お願いします』
『よし、判った。パリヌルス、そして、ギアス、従卒を一人連れて、クリテスに同道してくれ』
『判りました。クリテス、明朝の出発は何時とする』
『陽の出の時でいかがでしょう』
『おう、いいだろう。ギアス、従卒はお前の部下から一人選んで連れて行こう。オロンテスにいってパンを四人分もらって、持っていくとしよう。ギアスお前の役だ、頼むぞ』
『判りました』
『俺はこの人にとことんついていこう』
心が燃えた。クリテスの心はメラメラと炎を上げて燃えた。彼は、おそるおそる軍団長のイリオネスに声をかけた。緊張のあまりに舌がもつれた。
『軍団長どの。明朝、早く父親のもとを訪ねたいと思っているのですが』
『そうか、それはいい!クレタにおけるこれからのことについて、計らねばならん。わかった。どのようにして行くのだ』
『陸路を徒歩で行きます。帰りは父の船で来ると思いますが』
『時間はどれくらいかかるのか』
『そうですね。徒歩で二刻ばかり、船で二刻半ぐらいと思います』
『判った。こちらから三人くらい同道させるが、いいかな』
『よろしゅうございます。お願いします』
『よし、判った。パリヌルス、そして、ギアス、従卒を一人連れて、クリテスに同道してくれ』
『判りました。クリテス、明朝の出発は何時とする』
『陽の出の時でいかがでしょう』
『おう、いいだろう。ギアス、従卒はお前の部下から一人選んで連れて行こう。オロンテスにいってパンを四人分もらって、持っていくとしよう。ギアスお前の役だ、頼むぞ』
『判りました』
