『おう、その呼びかた、なかなかいい、満足満足』
三人は話しながら、パリヌルスの手元を見つめた。彼らの視線を感じながらパリヌルスは、慎重のうえに、より慎重に方角地板を操作した。
『おいっ!そんなに見つめるな。道具に穴があく』 といいながらクリテスのほうを向いて、
『これを見るのは初めてか』
『そうです。初めてです、隊長。道具については、カピギアスから説明をいただきました』
『そうか。この中心の棒影を見るのだ。板に刻み込んである、この線と影の具合で間もなく昼になることがわかるのだ。カピギアスとは何なのだ』
『あ~、それですか。ギアスどのという呼びかたがだめだということで、考えたギアスどのを呼ぶ呼びかたです』
『うっう~ん、なかなかいいじゃないか、語呂がいい。いい呼びかただ。いわれ云々は、後から聞く』
『おう、ギアス、昼が近い。ところでクリテス、親父殿はどうした?』
『浜小屋に姿が見えないのです。もう、ちょっと待ってください。昼には帰ってくると思います』
『そうか、そのようなら待とう。そのちょっとだ』
『ギアス、クリテスの親父さんの姿を見てから昼飯にしよう』
『判りました』
入り江の潮騒を聞きながら、話し合っているとき、浜の遠くに五、六人の人影が見えてきた。
三人は話しながら、パリヌルスの手元を見つめた。彼らの視線を感じながらパリヌルスは、慎重のうえに、より慎重に方角地板を操作した。
『おいっ!そんなに見つめるな。道具に穴があく』 といいながらクリテスのほうを向いて、
『これを見るのは初めてか』
『そうです。初めてです、隊長。道具については、カピギアスから説明をいただきました』
『そうか。この中心の棒影を見るのだ。板に刻み込んである、この線と影の具合で間もなく昼になることがわかるのだ。カピギアスとは何なのだ』
『あ~、それですか。ギアスどのという呼びかたがだめだということで、考えたギアスどのを呼ぶ呼びかたです』
『うっう~ん、なかなかいいじゃないか、語呂がいい。いい呼びかただ。いわれ云々は、後から聞く』
『おう、ギアス、昼が近い。ところでクリテス、親父殿はどうした?』
『浜小屋に姿が見えないのです。もう、ちょっと待ってください。昼には帰ってくると思います』
『そうか、そのようなら待とう。そのちょっとだ』
『ギアス、クリテスの親父さんの姿を見てから昼飯にしよう』
『判りました』
入り江の潮騒を聞きながら、話し合っているとき、浜の遠くに五、六人の人影が見えてきた。
