『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY           第6章  クレタ  9

2013-01-12 07:15:46 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 クレタ島の北側は、エーゲ海とつながるクレタ海であり、南側は地中海である。クレタ島は、この二つの海を仕切るように東西に細長く延びた島である。島の東の端から西の端まで約260キロ、南北の幅が広いところで約60キロ、狭いところで約12キロである。島から突き出ている岬半島の長さがスパタ岬で約17キロ、アヱネアス一行が上陸したアクロテーリ岬が約14キロ、二つの半島ともクレタ海に突き出ているといった状態である。。尚、後者の岬半島はダンゴ状で突き出ている大きな岬半島であり、その東側の根元部が大きく入り込んだ入り江になっている。そのクレタ本島側がクリテスの父の浜小屋があるSOUDAの浜である。また、アヱネアス一行が上陸した浜は、この岬半島の西側の現在のプロフイットリリアスの浜と思われる。
 
 クリテスの父の浜小屋の浜までの道のりといえば、上陸地点より約13キロあまり、丘のような山を越えて半島の東側である。道は狭いが踏みならされた道であった。
 浜を出発して1時間半、一行は頂上と思しき地点に着いた。彼らは向かっている半島の付け根の入り江をながめた。ググッと深く切り込まれた入り江である。
 『お~っ!これは、いい入り江だ』
 『クリテス、SOUDAの浜は、どっち側だ?』
 『クレタの本島側です。父はこの入り江全体を取り仕切っています』
 『そうか、それは大したもんだ』
 パリヌルスは話の中には入らなかった。
 『さあ~、行くぞ!』
 ギアスが出発を促した。一行は腰をあげた。上陸した浜を出発して3時間、クリテスの父の浜小屋に着いた。
 クリテスが留守にしていた、この3年余りの間に浜小屋の周辺が様変わりしているのに驚いた。二棟しかなかった浜小屋が五棟に増えていた。彼は父の名をよばはって探した。父の姿が見えない。各浜小屋をくまなく探した。どの浜小屋にも人の姿がなかった。



  *『深くお詫び申し上げます』二点の訂正をいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  
  *お詫び1
   昨日の投稿で変換ミスをしました。7行目です。
   軍団帳を   軍団長   と訂正します。

  *お詫び2
   これはとっても大きなミスです。深くお詫びいたします。物語に登場している、アヱネアスの息子ユールス(幼名アスカニウス)の年齢を4歳くらいに設定していましたが、これを10歳とします。
   クレタにおいては上陸から年が明けて11歳となります。何卒、よろしくお願いいたします。