なかなか手配りがいい、浜頭とクリテスが彼らを浜小屋の一つに誘った。中に入る、強烈に鼻をつく、魚の焼ける香ばしい匂い、パリヌルスたちは驚いた。
浜小屋の中央にはま~るく円を描いて炉が作られている。炉には金網がしつらえてあり、獲れたばかりの40センチもあろうかと思われる魚が、、各人に一匹づつ配してあぶられている。その豪快さが一同を圧倒した。
調理サービスを担当する者が炉の真ん中にいて、肴を焼いてくれたり、酒を注いでくれたりとなかなかの合理的な配慮がなされている。また、円形の炉を巡って、自然木を切って作った腰掛けが配されている。
浜頭の大声が響いた。
『さあ~さ、ご一同、おかけください』
浜頭が直々に皆の杯に酒を注いで回る。そして、クリテスの兄と弟が紹介された。
『皆の衆、よろしいか。今日はすこぶるいい日である。特別にうまい酒だ。ぐうっと飲みほそう』
一同は杯の酒を一気に飲み干した。歓声があがった。こんがりと焼けた魚を口に運ぶ、酒が胃の腑にジイ~ンとしみわたった。一同は新鮮な食材の調理を堪能した。
スダヌス浜頭はいいただきものを披露した。方角時板である。彼は鉄の棒に結ばれているひもの一端を左手でつまみ目の高さに掲げた。右手で鉄棒の端をはじいた。鉄棒が回る、鉄棒が動きを止める。すかさずまたはじく、止まり方が不思議な止まり方をする。回転を邪魔するものがないのに、動きが何かに制御されて回転が止まる。彼は不思議を感じて首をかしげた。首をかしげながらまたまたはじく、四五度はじきまわした。止まるごとに鉄棒が決まった状態で、一定の方向を示して止まる。彼は、その不思議さに首をかしげた。
『パリヌルス殿。これはどういう事です?不思議でしかたがない。お教え願いたい』
『お気づきになられたかな。この鉄棒が止まるときは、鉄棒の一方の端が北を指して、もう一方の端が南を指して止まるのです。それを利用して真っ暗闇の星のない夜でも方角を間違えずに航海するのです』
浜小屋の中央にはま~るく円を描いて炉が作られている。炉には金網がしつらえてあり、獲れたばかりの40センチもあろうかと思われる魚が、、各人に一匹づつ配してあぶられている。その豪快さが一同を圧倒した。
調理サービスを担当する者が炉の真ん中にいて、肴を焼いてくれたり、酒を注いでくれたりとなかなかの合理的な配慮がなされている。また、円形の炉を巡って、自然木を切って作った腰掛けが配されている。
浜頭の大声が響いた。
『さあ~さ、ご一同、おかけください』
浜頭が直々に皆の杯に酒を注いで回る。そして、クリテスの兄と弟が紹介された。
『皆の衆、よろしいか。今日はすこぶるいい日である。特別にうまい酒だ。ぐうっと飲みほそう』
一同は杯の酒を一気に飲み干した。歓声があがった。こんがりと焼けた魚を口に運ぶ、酒が胃の腑にジイ~ンとしみわたった。一同は新鮮な食材の調理を堪能した。
スダヌス浜頭はいいただきものを披露した。方角時板である。彼は鉄の棒に結ばれているひもの一端を左手でつまみ目の高さに掲げた。右手で鉄棒の端をはじいた。鉄棒が回る、鉄棒が動きを止める。すかさずまたはじく、止まり方が不思議な止まり方をする。回転を邪魔するものがないのに、動きが何かに制御されて回転が止まる。彼は不思議を感じて首をかしげた。首をかしげながらまたまたはじく、四五度はじきまわした。止まるごとに鉄棒が決まった状態で、一定の方向を示して止まる。彼は、その不思議さに首をかしげた。
『パリヌルス殿。これはどういう事です?不思議でしかたがない。お教え願いたい』
『お気づきになられたかな。この鉄棒が止まるときは、鉄棒の一方の端が北を指して、もう一方の端が南を指して止まるのです。それを利用して真っ暗闇の星のない夜でも方角を間違えずに航海するのです』