風が吹きさらす小島の事を気にかけていた。このような嵐にさらされた小島はどうなるか、海についての経験が豊富ではあるが、あのような条件の小島での体験は持ち合わせてはいなかった。いろいろと考えるが、こうであろうに到達しない。海面と陸地の高低差が極めて小さい島なのである。嵐の過ぎた後に状態を確かめるしかほかに方法はない。嵐の猛りは峠であろうと思った。風雨、嵐のおさまるのを待とうと決め、彼は考えることをあきらめた。彼は朝いちに、浜と小島へ出かけると心に決めて再び目を閉じた。眠りは深みには至らない、うつらうつらと眠りが波を打ちながら彼に訪れていた。
彼は朝を感じた。『起きよう!』飛び起きた、まだ暗い、小屋うちの暗さに目が慣れてくる、リナウスを探した。リナウスを見つけた、近づいて肩をたたき起床を促した。
『おう、リナウス、起きろ。つきあえ』
『はい』
二人は、小屋を後にした。外は朝の気配を漂わせて来ていた。雨は小粒になってきている、風は衰えを見せてはいない。二人は、風の中を浜へと急ぐ、彼らの間には会話はなかった。
浜についた、張り番の連中が二人を迎える、パリヌルスは声をかけた。
『おうっ!ご苦労、大変だったろう。まだ、風はおさまらない、変事はないか?』
『変事は二、三件ありました。しかし、大事には至っていません』
『そうか、それはよかった』
言葉をやり取りして、彼は浜を見まわった。
『リナウス、どうだ、どんな具合だ』
『異常はないようです。5番、6番船を見てきます』
『よし頼む』
波打ち際に立った彼は、小島に目をやった。リナウスが近づいてくる、状況を伝えた。
『船中にかなりの水があります。荷には異常はありません』
『よしっ、判った。リナウス、船中の水のかき出しが今日の第一番の作業だな。俺の気がかりは小島の事だ』
このころには明るくなりかけていた。二人は舟艇のところに向かった。
陸揚げされた舟艇は、船底を上にして、うつぶせの状態である。その下に張り番の二人が身を横たえていた。
彼は朝を感じた。『起きよう!』飛び起きた、まだ暗い、小屋うちの暗さに目が慣れてくる、リナウスを探した。リナウスを見つけた、近づいて肩をたたき起床を促した。
『おう、リナウス、起きろ。つきあえ』
『はい』
二人は、小屋を後にした。外は朝の気配を漂わせて来ていた。雨は小粒になってきている、風は衰えを見せてはいない。二人は、風の中を浜へと急ぐ、彼らの間には会話はなかった。
浜についた、張り番の連中が二人を迎える、パリヌルスは声をかけた。
『おうっ!ご苦労、大変だったろう。まだ、風はおさまらない、変事はないか?』
『変事は二、三件ありました。しかし、大事には至っていません』
『そうか、それはよかった』
言葉をやり取りして、彼は浜を見まわった。
『リナウス、どうだ、どんな具合だ』
『異常はないようです。5番、6番船を見てきます』
『よし頼む』
波打ち際に立った彼は、小島に目をやった。リナウスが近づいてくる、状況を伝えた。
『船中にかなりの水があります。荷には異常はありません』
『よしっ、判った。リナウス、船中の水のかき出しが今日の第一番の作業だな。俺の気がかりは小島の事だ』
このころには明るくなりかけていた。二人は舟艇のところに向かった。
陸揚げされた舟艇は、船底を上にして、うつぶせの状態である。その下に張り番の二人が身を横たえていた。