『なあ~、アレテス、俺もふと考えるのだが、自然の荒ぶる姿に恐れを感じる。船を翻弄する嵐の海、嵐にさらされたこの小島。どれをとっても自然は偉大な力で襲い掛かってくる。畏怖を思い起こす。だが、それをしのいでいかねばならん。自然は傲りを許さない。謙虚こそ、前への確かな一歩と思っている』
『言われる通りです。私も心して、日々の事に対処していきます』
うなづくアレテス、パリヌルスは話し続けた。
『昨日も話したように、この島を生産と交易の基地にする件だ、その時はこの島で寝起きする者の数が今の3倍に膨れあがると考えている。ということだ』
話を結んで、アレテスの表情に見入った。前途の多難を思いやられるが、この時代を生きている彼らにそのことが推量することができたかどうかは定かではない。
倒壊した小屋はもう片付いていた。朝行事と朝食を積んで到着した舟艇、トッカスの指示が飛んでいる、焚き火も風にあおられ燃え盛っている、浜はざわついていた。
『じゃあ~、アレテス、向こうの浜へ戻る、あとのことはよろしくだ』
パリヌルスは舟艇の方へと歩き始めた。
『おう、ギアス、ご苦労。浜へ戻ろう。荷卸しは済んだのか』
『え~え、終わりました』
『お前、折り返しだな、風はおさまってきている』
彼らは、休まずパリヌルスを乗せて浜へ引き返した。
浜ではオキテスが海に背を向けて立っている。リナウスは5番6番二船の船中の水のかき出し作業を朝めし前に終えようと懸命に取り組んでいた。
オキテスはパリヌルスと顔を合わせた。
『おう、パリヌルス、おはよう。島はどうであった?』
『おう、おはよう。島の様子か、北側と東側半分はあの嵐でも海水をかぶるということはなさそうだ。考えていた状態とはちと違った』
彼は海水のかぶりの事から話し始め、小屋の倒壊の事も話し、見たまま感じたままを話した。聞いているオキテスはオキテスなりに島の事を理解した。
『それからだが、島の東側の海でのことだが魚がよく釣れるらしいということだ』
『魚の自給自足がいけるかもという期待か。いけそうなのか?俺たちも漁をやってみるか』
『お前、今日は忙しいのか。俺は忙しくない。やってみるか』
『よし、やるか』
『めしを終えたら準備にかかろう』
二人の意見が一致した。
『言われる通りです。私も心して、日々の事に対処していきます』
うなづくアレテス、パリヌルスは話し続けた。
『昨日も話したように、この島を生産と交易の基地にする件だ、その時はこの島で寝起きする者の数が今の3倍に膨れあがると考えている。ということだ』
話を結んで、アレテスの表情に見入った。前途の多難を思いやられるが、この時代を生きている彼らにそのことが推量することができたかどうかは定かではない。
倒壊した小屋はもう片付いていた。朝行事と朝食を積んで到着した舟艇、トッカスの指示が飛んでいる、焚き火も風にあおられ燃え盛っている、浜はざわついていた。
『じゃあ~、アレテス、向こうの浜へ戻る、あとのことはよろしくだ』
パリヌルスは舟艇の方へと歩き始めた。
『おう、ギアス、ご苦労。浜へ戻ろう。荷卸しは済んだのか』
『え~え、終わりました』
『お前、折り返しだな、風はおさまってきている』
彼らは、休まずパリヌルスを乗せて浜へ引き返した。
浜ではオキテスが海に背を向けて立っている。リナウスは5番6番二船の船中の水のかき出し作業を朝めし前に終えようと懸命に取り組んでいた。
オキテスはパリヌルスと顔を合わせた。
『おう、パリヌルス、おはよう。島はどうであった?』
『おう、おはよう。島の様子か、北側と東側半分はあの嵐でも海水をかぶるということはなさそうだ。考えていた状態とはちと違った』
彼は海水のかぶりの事から話し始め、小屋の倒壊の事も話し、見たまま感じたままを話した。聞いているオキテスはオキテスなりに島の事を理解した。
『それからだが、島の東側の海でのことだが魚がよく釣れるらしいということだ』
『魚の自給自足がいけるかもという期待か。いけそうなのか?俺たちも漁をやってみるか』
『お前、今日は忙しいのか。俺は忙しくない。やってみるか』
『よし、やるか』
『めしを終えたら準備にかかろう』
二人の意見が一致した。