彼は、それを終えてから小島の嵐による被害状況をチエックする段取りでいた。
『おい、ギアス、朝行事はこの浜でやれ、海は思ったより温いぞ。俺はアレテスのところへ行く、お前も後から来い』
『パリヌルス隊長、私はいったん、向こうの浜に戻ります。朝食の配送があります』
『あ~、そうだな。判った』
ギアスは漕ぎかたを促して島を離れた。
小島の建物群の中の1棟が嵐で壊れていた。アレテスたち全員が出て整理作業にあたっている。
『おう、アレテス、おはよう。まだ風がおさまっていない、大変だったようだな』
『はい、おはようございます。隊長、見ての通りです。嵐でこの始末です。一同、夜半過ぎから一睡もしていません。隊長も早いですね』
『そりゃあそうだ。この風だ、寝ていられるわけがないだろうが。俺には島の事を充分に知っておかねばならない事情があるのだ』
『そうですね。この島の『これから』が課題だったですね』
『そういうことだ。アレテス、お前、現場から身を外せるのか?島を見まわる、一緒に来い』
『判りました。ちょっと待ってください』
アレテスは、トッカスを呼んで、後事を指示し、パリヌルスと連れ立って歩き始めた。東の浜から北上して、北側を巡り、島の中央を南下した。
パリヌルスは、アレテスに問いかけた。
『夜半の嵐はどのようであった?海面と陸地の高低差のほとんどないこの島の事だ。見たままを話してくれ』
『嵐での海水のかぶりは島の中央線の近くまで来ました。西の海岸線から東に向けて少々高くなってきている地形です。島の北側は少々小高く見受けます』
二人は島の中央と思われる地点に立って話し合った。
『アレテス、砂地に海水のかぶりを描いてみてくれ』
アレテスは、うなづいて指先で砂地に線を引いた。
『隊長、こんな具合です。海賊どもの気が利いている点は、小屋の在り場所が中央より東側にあります。夜半の嵐による海水のかぶりはこのあたりまで来ました』
『そうか、島の北部、中央から東側が安泰ということか、南の突端は海水が洗うという状態か』
吹きすぎていく風で島の南端は海水に洗われていた。
『おい、ギアス、朝行事はこの浜でやれ、海は思ったより温いぞ。俺はアレテスのところへ行く、お前も後から来い』
『パリヌルス隊長、私はいったん、向こうの浜に戻ります。朝食の配送があります』
『あ~、そうだな。判った』
ギアスは漕ぎかたを促して島を離れた。
小島の建物群の中の1棟が嵐で壊れていた。アレテスたち全員が出て整理作業にあたっている。
『おう、アレテス、おはよう。まだ風がおさまっていない、大変だったようだな』
『はい、おはようございます。隊長、見ての通りです。嵐でこの始末です。一同、夜半過ぎから一睡もしていません。隊長も早いですね』
『そりゃあそうだ。この風だ、寝ていられるわけがないだろうが。俺には島の事を充分に知っておかねばならない事情があるのだ』
『そうですね。この島の『これから』が課題だったですね』
『そういうことだ。アレテス、お前、現場から身を外せるのか?島を見まわる、一緒に来い』
『判りました。ちょっと待ってください』
アレテスは、トッカスを呼んで、後事を指示し、パリヌルスと連れ立って歩き始めた。東の浜から北上して、北側を巡り、島の中央を南下した。
パリヌルスは、アレテスに問いかけた。
『夜半の嵐はどのようであった?海面と陸地の高低差のほとんどないこの島の事だ。見たままを話してくれ』
『嵐での海水のかぶりは島の中央線の近くまで来ました。西の海岸線から東に向けて少々高くなってきている地形です。島の北側は少々小高く見受けます』
二人は島の中央と思われる地点に立って話し合った。
『アレテス、砂地に海水のかぶりを描いてみてくれ』
アレテスは、うなづいて指先で砂地に線を引いた。
『隊長、こんな具合です。海賊どもの気が利いている点は、小屋の在り場所が中央より東側にあります。夜半の嵐による海水のかぶりはこのあたりまで来ました』
『そうか、島の北部、中央から東側が安泰ということか、南の突端は海水が洗うという状態か』
吹きすぎていく風で島の南端は海水に洗われていた。
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