『おう、オキテス、ご苦労。釣果はどうだった?』
『え~え、釣果は目論見の倍の成果です。夕食に魚がたらふくと言えます』
『そうか、それは、よかった』
『このようなこと私が生まれて初めての体験です。チョッピリ恥ずかしいですが、心が躍っています』
『そうか、重畳であった。お前らの喜びが俺の喜びだ』
浜に残っていた者たちが寄り集まってくる。彼らのやった釣果を目の当たりにして驚き、浜が湧いた。
パリヌルスは、各船の副長を呼び集め魚の荷卸し作業の指示を出した。オロンテスはあれこれ指示して夕食の場づくりを始めていた。
アレテスは、魚おろしを済ませると小島に残している者たちを迎えに戻った。
ほどなく、アヱネアス以下全員が浜に集まった。焚き火をガンガン燃やし、浜焼きスタイルの夕食が始まった。魚は各自が思い思いに串に刺して焼き、塩を適宜ふりかけて魚に噛みつく、彼らは『旨いっ!』『旨いっ!』連発しながら魚を味わった。まさに原始の頃の食事風景である。
魚釣りの武勇談がとびだす、それを耳にして胸をときめかす浜の留守番役をした者たち、話に花を咲かせての語りに夕食の場は盛り上がった。
アレテスは今日の魚釣りのヒーローに祭り上げられていた。オキテスが声をかける。
『おう、アレテス、お前、あの漁場をどうして知った?』
『あ~あ、あの漁場の事ですか。それはですね、私の部下に海と魚に詳しい者がいて、一昨日の事ですが、暇を見て釣りに出て知ったのです』
『そうなのか。ここが漁場だと、どうしてわかったのだろうか、不思議だ。俺には解しがたい。海の中を見ることはむつかしい、海の上は俺の世界であるのにだ、俺にとって海の中は迷界である』
『彼の話では、魚が群れて泳ぐ道があることと、そこを群れて泳ぎ通る時があるそうです。そのタイミングが合致するときが釣れどきだと言っていました。勘に頼ることが多いそうで、釣れる釣れないは時の運の為せるところだと言っていました』
『まあ~、そんなものかな。ところでだ、アレテス』
ここまで言って、オキテスは焼けた串刺しの魚に噛みついた。
『え~え、釣果は目論見の倍の成果です。夕食に魚がたらふくと言えます』
『そうか、それは、よかった』
『このようなこと私が生まれて初めての体験です。チョッピリ恥ずかしいですが、心が躍っています』
『そうか、重畳であった。お前らの喜びが俺の喜びだ』
浜に残っていた者たちが寄り集まってくる。彼らのやった釣果を目の当たりにして驚き、浜が湧いた。
パリヌルスは、各船の副長を呼び集め魚の荷卸し作業の指示を出した。オロンテスはあれこれ指示して夕食の場づくりを始めていた。
アレテスは、魚おろしを済ませると小島に残している者たちを迎えに戻った。
ほどなく、アヱネアス以下全員が浜に集まった。焚き火をガンガン燃やし、浜焼きスタイルの夕食が始まった。魚は各自が思い思いに串に刺して焼き、塩を適宜ふりかけて魚に噛みつく、彼らは『旨いっ!』『旨いっ!』連発しながら魚を味わった。まさに原始の頃の食事風景である。
魚釣りの武勇談がとびだす、それを耳にして胸をときめかす浜の留守番役をした者たち、話に花を咲かせての語りに夕食の場は盛り上がった。
アレテスは今日の魚釣りのヒーローに祭り上げられていた。オキテスが声をかける。
『おう、アレテス、お前、あの漁場をどうして知った?』
『あ~あ、あの漁場の事ですか。それはですね、私の部下に海と魚に詳しい者がいて、一昨日の事ですが、暇を見て釣りに出て知ったのです』
『そうなのか。ここが漁場だと、どうしてわかったのだろうか、不思議だ。俺には解しがたい。海の中を見ることはむつかしい、海の上は俺の世界であるのにだ、俺にとって海の中は迷界である』
『彼の話では、魚が群れて泳ぐ道があることと、そこを群れて泳ぎ通る時があるそうです。そのタイミングが合致するときが釣れどきだと言っていました。勘に頼ることが多いそうで、釣れる釣れないは時の運の為せるところだと言っていました』
『まあ~、そんなものかな。ところでだ、アレテス』
ここまで言って、オキテスは焼けた串刺しの魚に噛みついた。