オロンテスの説明を聞き終えた彼らは、一斉に仕掛けづくりに取り掛かった。先ずは糸の準備に始まり、釣り針を糸の端に結びつけるのに苦心惨憺の風景がそこにあった。針の結び付けに比べて、重りの結び付けは思いのほか容易に出来たようであった。彼らはなんとか作業を終えた。仕掛けづくりの間にオロンテスは周りの者たちを引き連れて、エサ取りに出向き、エサを三つの箱に入れて持ってきた。
『オキテス隊長、これエサです、各船に積んでいってください』
『お~お、そうか、それはかたじけない。大漁を期待して待っててくれ』
『そうします。坊主は許しませんよ』
彼らは釣り人宜しく、船に乗り込んだ。
『オキテス、出発しよう』
『おう、行くか』
『漁場に行く前に小島に寄っていく』
オキテスは、パリヌルスの意向を理解した。
『判った、それがいい』
彼らは、漁場に向かって船出した。
パリヌルスは、小島でアレテスと打ち合わせた。魚釣りにおもむく趣旨を説明して、アレテスに漁獲目標についての指示をした。彼は持参した釣り針、糸、重りなどを手渡した。
『そこで俺の頼みだ。漁場への案内人を借りたい』
アレテスは快くパリヌルスの要請に応じた。
『判りました』
各船に一人宛、三人の案内人を乗り込ませた。
『アレテス、俺たちは、一足先に漁場へ行く。お前も準備ができ次第、漁場に来てくれ』
『判りました』アレテスは考えた。
『作業としての釣りか、成果は出たとこ勝負だな、準備して出かけるとするか』
彼は全員に声をかけた。
『おいっ!皆、判ったな。俺たちも準備ができ次第、漁場に向かう、いいな』
『オウッ!』と答えて、彼らも釣りの仕掛けつくりに取り掛かった。彼らにとって仕掛けつくりは手慣れたものであった。仕掛けつくりは『あっ』という間に終わった。
『おう、一同、聞いてくれ。5人がひとつのチームとなって漁獲目標は30匹だ、いいな、判ったな。先に漁場に行っている者たちに後れを取るな!いいな。さあ~行くぞ!』
アレテスは檄を一発飛ばした。
漁場には、先着の三隻が釣糸を垂れている。海は嵐の名残りの余波でざわついている、船は揺れている。各船は、船首と船尾につけた重石碇を沈めている。オキテスは碇の綱に一尋ごとに目印の布きれをつけて、海の深さを知る目安としていた。それによって知った深さで釣糸を沈めていく、彼は慎重に釣れどころを探った。
『オキテス隊長、これエサです、各船に積んでいってください』
『お~お、そうか、それはかたじけない。大漁を期待して待っててくれ』
『そうします。坊主は許しませんよ』
彼らは釣り人宜しく、船に乗り込んだ。
『オキテス、出発しよう』
『おう、行くか』
『漁場に行く前に小島に寄っていく』
オキテスは、パリヌルスの意向を理解した。
『判った、それがいい』
彼らは、漁場に向かって船出した。
パリヌルスは、小島でアレテスと打ち合わせた。魚釣りにおもむく趣旨を説明して、アレテスに漁獲目標についての指示をした。彼は持参した釣り針、糸、重りなどを手渡した。
『そこで俺の頼みだ。漁場への案内人を借りたい』
アレテスは快くパリヌルスの要請に応じた。
『判りました』
各船に一人宛、三人の案内人を乗り込ませた。
『アレテス、俺たちは、一足先に漁場へ行く。お前も準備ができ次第、漁場に来てくれ』
『判りました』アレテスは考えた。
『作業としての釣りか、成果は出たとこ勝負だな、準備して出かけるとするか』
彼は全員に声をかけた。
『おいっ!皆、判ったな。俺たちも準備ができ次第、漁場に向かう、いいな』
『オウッ!』と答えて、彼らも釣りの仕掛けつくりに取り掛かった。彼らにとって仕掛けつくりは手慣れたものであった。仕掛けつくりは『あっ』という間に終わった。
『おう、一同、聞いてくれ。5人がひとつのチームとなって漁獲目標は30匹だ、いいな、判ったな。先に漁場に行っている者たちに後れを取るな!いいな。さあ~行くぞ!』
アレテスは檄を一発飛ばした。
漁場には、先着の三隻が釣糸を垂れている。海は嵐の名残りの余波でざわついている、船は揺れている。各船は、船首と船尾につけた重石碇を沈めている。オキテスは碇の綱に一尋ごとに目印の布きれをつけて、海の深さを知る目安としていた。それによって知った深さで釣糸を沈めていく、彼は慎重に釣れどころを探った。