『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  169

2013-12-17 07:51:36 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『おう、皆っ!見てみろ、お前たちの釣り上げた魚の山だ、目論んだ釣果の倍の釣果をおさめた。結果は上々である。昼めしを中途にしている者は、昼めしを終えてくれ。釣りあげをやっている間に昼は過ぎた、ご苦労であった』
 言い終わってオキテスは各船に目を運んだ。1番船、3番船もすでに釣り作業を終えていた。アレテスの2番船だけが釣りを続けている、それも全員が釣り作業を続けている。
 『2番船の者たちは、仕掛けの針が折れたり、のびてしまって使い物にならなくなることを知っていたのだな。感心、感心、我々の『これから』の教訓だな』
 彼は感嘆を言葉にした。
 『マクロス、1番船のところへ船を向けてくれ。彼らの状況を見て、ひきあげよう』
 『判りました』
 船中の釣り上げた魚は整頓され、一同は漕ぎ座について、船首を1番船に向けて波を割った。1番船の船べりに接するくらいまでに近寄った。
 『おう、パリヌルス、釣果はどんなだ?』
 『おう、オキテス、釣果は予想以上だ、目標の倍近い釣果だ』
 『3番船も作業を終えている。アレテスの2番船は作業を続けているが最盛の時に比べておちてきている』
 オキテスは言葉を継いだ。
 『もうそろそろ、ひきあげようではないか。俺はアレテスの2番船に行く、お前、3番船を頼む』
 『判った』
 オキテスの4番船は2番船に向かった。
 『お~い、アレテス、どんな調子だ?』
 『もの、魚の喰いは落ちてきています。作業止めの指示を出したところです』
 『判った。ひきあげよう。向こうの浜に船をつけてくれ。ところでお前の方の釣果どうであった?』
 『大漁です。目標の3倍はいっています』
 『それは、大したもんだ。ご苦労であったな。皆を大いにねぎらってくれ』
 『判りました。では、船を向こうの浜につけます』
 4番船は、2番船をはなれて浜に向かった。