『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  163

2013-12-09 08:13:42 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 彼らが朝食を終えるころには、風は小康と言えるまでにおさまってきていた。
 『パリヌルス、風もおさまってきている。このあと雨も降ることはないと思える。魚を釣るのには条件はいい、ところで道具の事だ、針と糸だ、エサの事もある。俺は、ちょっとオロンテスのところへ行ってくる。エノスで使っていた針と糸があると思う、竿は使用しない、手引きでやろう。どれくらいの者たちが海に出るか、それはお前、考えてくれ』
 オキテスは、それだけ言うとその場を離れていった。
 『おう、オロンテス、いた、いた』
 『オキテス隊長、何か用事でも?』
 オロンテスが問いかけてきた。
 『おう、用事だ。お前、魚釣りの針と糸を保存しているな』
 『え~え、それでしたらちゃんと整理してありますよ』
 『どれくらいある?針の数だが200はほしい』
 『そんなにたくさんですか、なにをやるのです?』
 『今日、俺たち、ちょっとヒマなのだ、それで話していたら、魚釣りでもということになったのだ。パリヌルスがアレテスの話を聞いてきたのだ。小島の東の海がいい釣り場らしいのだ、アレテスがなかなか魚影が濃いと言っている。船は1、3、4、番船の3隻で150人くらいで行こうということになったのだ』
 『それは、それは、いいですね。釣果を待っています』
 『期待しておれよ。俺の皮算用ではではだな。1000匹ぐらいは釣りあげたいと思っている。それでどうだ。賄はいけるか』
 『あ~あ、それだけあれば充分にいけます。釣り針と糸は5番船の中です。行きましょう』
 二人は浜へ歩を運んだ。オキテスとオロンテスが浜に姿を見せた。パリヌルスが声をかけた。
 『お~、ご両人、そろって何だ』
 『釣り針と糸が5番船にあるといっている。ちょっと待っててくれ』
 『パリヌルス隊長、魚釣りに出るそうですね。オキテス隊長から聞きました。釣り針と糸、、今、持ってきますから、ところで何人くらいで、、、』
 『アレテスのところも含めて、200人くらいが、今日、これに当たる』
 言葉のやり取りを終えて、二人は5番船に向かった。