彼らは、二人に気付いたようだ。舟艇の下から這い出てきて声をかけてきた。
『あっ、隊長。ギアス隊長はまだです』
『そうか、ギアス隊長を呼びに行ってくれ』
二人のうちの一人が小走りに駆けだした。駆けていったと思ったら間をおかずに戻ってきた。
『おっ、どうした?』
『ギアス隊長が間もなくこちらに来ます』
ギアスが姿を見せた。
『おうっ、ギアス、おはよう。お前早かったな』
『おはようございます。隊長こそ早いですね』
『よし、ギアス。俺は寝ずに小島の事を気にしている。すぐ小島に行きたい、準備を頼む』
『判りました。直ちに!』
彼は張り番の一人を呼んで漕ぎかたたちを呼びにむかわせた。パリヌルスはリナウスに声をかけた。
『おい、リナウス、シャキッとしよう』
二人は着衣を身に着けたまま海に身を浸した。
雨は止んでいる、風は衰えをみせてはいるものの強く吹きつけて来る。二人はさっぱりした風情で海から上がってきた。
『なあ~、リナウス、不思議だと思わないか。この季節だというのに海の水が生ぬるい』
リナウスはうなずいた。
『リナウス、俺は小島に行く。浜のことよろしく頼む』
彼は言い終わり、目線を舟艇に向けた。すでに舟艇は海に浮かんでいた。ギアスが来る。
『隊長、もうよろしいです。乗ってください。あと三人の漕ぎかたが来たら小島に向かいます』
『そうか、行こう』
彼は艇に乗り腰を下ろした、よせ来る波にあおられて立ってはいられない。三人がかけてきて漕ぎ座につく、ギアスの出艇の指示に櫂が飛沫をあげ艇は浜を離れた。
深くはない海ではあるが、荒く波は踊った。ギアスと漕ぎかたは波に翻弄される舟艇を操った。平常時であれば、今様時間で10分くらいで小島につくであろうに、その2倍以上の時間を費やして、やっとといった感じで小島の東の浜に着いた。
パリヌルスは、着島するや即時に浜の全体を眺め廻した。彼には、小島の地勢を熟知する必要があったのである。
『あっ、隊長。ギアス隊長はまだです』
『そうか、ギアス隊長を呼びに行ってくれ』
二人のうちの一人が小走りに駆けだした。駆けていったと思ったら間をおかずに戻ってきた。
『おっ、どうした?』
『ギアス隊長が間もなくこちらに来ます』
ギアスが姿を見せた。
『おうっ、ギアス、おはよう。お前早かったな』
『おはようございます。隊長こそ早いですね』
『よし、ギアス。俺は寝ずに小島の事を気にしている。すぐ小島に行きたい、準備を頼む』
『判りました。直ちに!』
彼は張り番の一人を呼んで漕ぎかたたちを呼びにむかわせた。パリヌルスはリナウスに声をかけた。
『おい、リナウス、シャキッとしよう』
二人は着衣を身に着けたまま海に身を浸した。
雨は止んでいる、風は衰えをみせてはいるものの強く吹きつけて来る。二人はさっぱりした風情で海から上がってきた。
『なあ~、リナウス、不思議だと思わないか。この季節だというのに海の水が生ぬるい』
リナウスはうなずいた。
『リナウス、俺は小島に行く。浜のことよろしく頼む』
彼は言い終わり、目線を舟艇に向けた。すでに舟艇は海に浮かんでいた。ギアスが来る。
『隊長、もうよろしいです。乗ってください。あと三人の漕ぎかたが来たら小島に向かいます』
『そうか、行こう』
彼は艇に乗り腰を下ろした、よせ来る波にあおられて立ってはいられない。三人がかけてきて漕ぎ座につく、ギアスの出艇の指示に櫂が飛沫をあげ艇は浜を離れた。
深くはない海ではあるが、荒く波は踊った。ギアスと漕ぎかたは波に翻弄される舟艇を操った。平常時であれば、今様時間で10分くらいで小島につくであろうに、その2倍以上の時間を費やして、やっとといった感じで小島の東の浜に着いた。
パリヌルスは、着島するや即時に浜の全体を眺め廻した。彼には、小島の地勢を熟知する必要があったのである。