夜が明けた。群青であろうはずの海が灰色であり、波がしらが風に飛んでいた。風が雲を呼びよせた空模様である。
オキテスは、マクロスとソリタンを伴って舟艇上であった。西風が強い、船足は速かった。キドニアの船溜まりには、早く着いた。
『おう、ギアス、集散所の仕事が終わるころまでには帰ってくる。その予定で行ってくる。ちょっと待ってみて、俺たちの帰りが遅いときは帰りの船出をしてくれればいい。宜しく頼む。我々の往復にどれくらいの時間がかかるかは、今のところ定かではない。そいうわけだ』
『判りました。ぎりぎり待ってみて、どうしようもなかったら、その時はその時です。船出してしまっているかもしれません。その場合はお許しください』
『空模様もあることだ。全て、お前の判断だ。任せる』
オキテスは、手土産にと持ってきたパンをマクロスとソリタンに持たせて、ガリダ一族の館砦を目指した。彼らの歩みは速かった。歩き始めて小一時間足らずでガリダの館砦が右手の小高い丘の上に見えてきた。
『オキテス隊長、思ったより近かったですね。私が先に行って取次いたします』と言って、ソリタンが持っていた荷物を隊長に託して、小走りで館砦に向かった。
館砦の前には、タブタと二人の男がいる。こちらを見ている。樹木調査の折には案内役を務めてくれたタブタである。ソリタンの気持ちが高ぶった。小走りが走りに変わった。彼は駆けた。館砦の前に着いた。ソリタンとタブタの目が合った。
『おう、タブタ!変わりはないか?元気か?』
『おう、ソリタン!お前も元気であったか?』
二人は、互いに頭の先からつま先までに目を這わせ、目を合わせて、うなづきあった。互いにじいっ~と見つめ合ったかと思ったら、二人は互いの肩をしっかと抱き合った。
『ところで、今日は何用だ?』
『お頭は、おいでになるか?』
『頭領は、中だが、、、』
『そうか、このたびは大変にお世話になったということで、俺らの隊長がお礼に参上したというわけだ。取り次いでいただければ幸いだが、、、』
『おう、判った。少々、待ってくれ、取り次ぐ』タブタは館砦の中に消えた。
ソリタンが話し合っている間に、オキテスとマクロスは、館砦の前に来ていた。タブタがガリダ頭と姿を現した。
『オキテス殿ではござらぬか。よくぞ見えられた。さあ~さ、中へお入りください。マクロス、お前が案内役か。ご苦労ご苦労。ご両人どうぞ』と言って、三人と連れ立って館砦の中へと入った。
オキテスは、マクロスとソリタンを伴って舟艇上であった。西風が強い、船足は速かった。キドニアの船溜まりには、早く着いた。
『おう、ギアス、集散所の仕事が終わるころまでには帰ってくる。その予定で行ってくる。ちょっと待ってみて、俺たちの帰りが遅いときは帰りの船出をしてくれればいい。宜しく頼む。我々の往復にどれくらいの時間がかかるかは、今のところ定かではない。そいうわけだ』
『判りました。ぎりぎり待ってみて、どうしようもなかったら、その時はその時です。船出してしまっているかもしれません。その場合はお許しください』
『空模様もあることだ。全て、お前の判断だ。任せる』
オキテスは、手土産にと持ってきたパンをマクロスとソリタンに持たせて、ガリダ一族の館砦を目指した。彼らの歩みは速かった。歩き始めて小一時間足らずでガリダの館砦が右手の小高い丘の上に見えてきた。
『オキテス隊長、思ったより近かったですね。私が先に行って取次いたします』と言って、ソリタンが持っていた荷物を隊長に託して、小走りで館砦に向かった。
館砦の前には、タブタと二人の男がいる。こちらを見ている。樹木調査の折には案内役を務めてくれたタブタである。ソリタンの気持ちが高ぶった。小走りが走りに変わった。彼は駆けた。館砦の前に着いた。ソリタンとタブタの目が合った。
『おう、タブタ!変わりはないか?元気か?』
『おう、ソリタン!お前も元気であったか?』
二人は、互いに頭の先からつま先までに目を這わせ、目を合わせて、うなづきあった。互いにじいっ~と見つめ合ったかと思ったら、二人は互いの肩をしっかと抱き合った。
『ところで、今日は何用だ?』
『お頭は、おいでになるか?』
『頭領は、中だが、、、』
『そうか、このたびは大変にお世話になったということで、俺らの隊長がお礼に参上したというわけだ。取り次いでいただければ幸いだが、、、』
『おう、判った。少々、待ってくれ、取り次ぐ』タブタは館砦の中に消えた。
ソリタンが話し合っている間に、オキテスとマクロスは、館砦の前に来ていた。タブタがガリダ頭と姿を現した。
『オキテス殿ではござらぬか。よくぞ見えられた。さあ~さ、中へお入りください。マクロス、お前が案内役か。ご苦労ご苦労。ご両人どうぞ』と言って、三人と連れ立って館砦の中へと入った。