と答えて、オキテスは、再び鉄の棒を回転させた。鉄の棒は見えない力によって制御されているのではないかと思われるようなぎごちない廻り方をして止まった。ゆれて、そして、南北を指し示して動きが止まった。
『おい、オキテス、本当か?信じられん。もう一度やってみてくれ。そのうえで俺がやってみる』
二人は言葉を交わしながら、鉄の棒を試した。
『全く不思議だ、不思議というほかはない。このような代物がこの世にあるとはな、、、』と言って、ガリダは訝しがって、まじまじとオキテスと目を合わせた。
ガリダは、不思議と感動とありがとうの三つを織り交ぜた眼差しでオキテスの目を見た。
『オキテス殿、これを本当に俺が頂けるのか。これは貴重であり、めずらしいものだ。有難い、ありがたく頂戴する。していいのだな』
ガリダは念を込めた物言いをして、目の高さに掲げ、押しいただいた。
『そうです。そのために持参した物であり、ガリダ頭領の手許でお使いいただければ幸いです。どうぞ、日常必要な時にお使いください』
『改めて礼を言うぞ、ありがとう』
『ガリダ頭領、のちほど陽が射して来たら、棒のつくる影について説明いたしましょう』
『おう、そうかそうしてくれるか、それはありがたい』
オキテスが持参した贈り物に関するふたりの会話が終わった。
オキテスが身を質して改まった。
『オキテス、何を改まっておるのだ』
『ガリダ頭領殿、私どもの者がレフカオリの樹林帯の樹木調査におもむいた節にはひとかたならぬ力添えと援助を賜り誠にありがとうございました。謹んで御礼申し上げます。私らの統領の名代として、このオキテスが厚くお礼を申し上げます。本当にありがとうございました』
オキテスは、ガリダにたいして深く低頭した。随伴の二人もそれに倣って低頭した。
『オキテス殿、貴方がたの礼をしかと受け取った。頭を上げられよ。私らはやるべきことやったまでの事、その様にあらたまった礼には及ばん。帰られたら統領にはよろしく伝えてくだされ』と言って、開け放たれている戸口の向こうに陽の光を感じて話を続けた。
『オキテス殿、陽が照ってきたようだ。さきほど、お前の言った棒の影についての説明を聞きたい、聞かせてくれ』
オキテスも戸口の向こうに目をやった。
『そうですな、陽が照って来たようですな。やりましょう』彼は腰をあげた。
ガリダは館砦の中にいる者ら全員を呼んだ。郎党全員が戸口の外に集まった。マクロスは方角時板については知っているが、ソリタンははじめて目にする道具であった。
『おい、オキテス、本当か?信じられん。もう一度やってみてくれ。そのうえで俺がやってみる』
二人は言葉を交わしながら、鉄の棒を試した。
『全く不思議だ、不思議というほかはない。このような代物がこの世にあるとはな、、、』と言って、ガリダは訝しがって、まじまじとオキテスと目を合わせた。
ガリダは、不思議と感動とありがとうの三つを織り交ぜた眼差しでオキテスの目を見た。
『オキテス殿、これを本当に俺が頂けるのか。これは貴重であり、めずらしいものだ。有難い、ありがたく頂戴する。していいのだな』
ガリダは念を込めた物言いをして、目の高さに掲げ、押しいただいた。
『そうです。そのために持参した物であり、ガリダ頭領の手許でお使いいただければ幸いです。どうぞ、日常必要な時にお使いください』
『改めて礼を言うぞ、ありがとう』
『ガリダ頭領、のちほど陽が射して来たら、棒のつくる影について説明いたしましょう』
『おう、そうかそうしてくれるか、それはありがたい』
オキテスが持参した贈り物に関するふたりの会話が終わった。
オキテスが身を質して改まった。
『オキテス、何を改まっておるのだ』
『ガリダ頭領殿、私どもの者がレフカオリの樹林帯の樹木調査におもむいた節にはひとかたならぬ力添えと援助を賜り誠にありがとうございました。謹んで御礼申し上げます。私らの統領の名代として、このオキテスが厚くお礼を申し上げます。本当にありがとうございました』
オキテスは、ガリダにたいして深く低頭した。随伴の二人もそれに倣って低頭した。
『オキテス殿、貴方がたの礼をしかと受け取った。頭を上げられよ。私らはやるべきことやったまでの事、その様にあらたまった礼には及ばん。帰られたら統領にはよろしく伝えてくだされ』と言って、開け放たれている戸口の向こうに陽の光を感じて話を続けた。
『オキテス殿、陽が照ってきたようだ。さきほど、お前の言った棒の影についての説明を聞きたい、聞かせてくれ』
オキテスも戸口の向こうに目をやった。
『そうですな、陽が照って来たようですな。やりましょう』彼は腰をあげた。
ガリダは館砦の中にいる者ら全員を呼んだ。郎党全員が戸口の外に集まった。マクロスは方角時板については知っているが、ソリタンははじめて目にする道具であった。