『よし、解った。俺が信じているドックスだ。ありがとう。俺が考えていた通りだ。安堵した』
『オキテス隊長、私が新艇建造の任に就いたことをとても感謝しています。必ず期待にそえるものを造ります。ヘルメス艇はありあわせの用材を使って建造した試作艇です。ヘルメスを超えたいい新艇が出来あがります』
『ほう、そうか、それは心強い。その一言このうえなくうれしい。三日後の事だが、新艇の価格決めの第1回目の話し合いが、キドニアの集散所で行うことになっている。自信をもって臨めるということだ。ありがとう、ドックス!』
『はい』
彼の返事は短かった。
『ドックス、もうひとつ、二人で確かめたい用件がある。昼めしのあとでだが、時間をとってくれ。建造の場を詳しく見ておきたい。ここでも二つの要点だ。建造の場が、通常考えられる建造の場に比して、よくできているか否かだ。もうひとつは、建造に使用する工具類、釘やその他の消耗品類が揃っているか、それら消耗品類が上質のものを使っているかどうかについて、二人で目を通そう』
『判りました。私は建造の場にいます』
『解った』
二人は朝めしの場に向かった。朝めしを終えたパリヌルスら三人は、イリオネスの宿舎の前に集合した。
イリオネスが戸口から姿を見せる。
『おう、おはよう。揃っているな、行くか。今日は、統領の宿舎で話し合う』
彼らの表情はやや固い、決めた決断を胸に抱いている。足元の確かな歩みで歩んで行く、アヱネアスが宿舎の前で四人が到着するのを待っていた。
『おう、おはよう』
『おはようございます』
『軍団長ご苦労。そこの木立ちの草の上でやろう』
『判りました』
ときおり、話し合いをやる木立ちの場である。樹木を裁断した座席が数席ある。五人が思い思いの席に就く。一同が顔を見合わせる。
『俺からの前置きはない。軍団長、始めてくれ』
イリオネスは、パリヌルスら三人の目を見つめて口を開いた。
『前置きはない、即、本題について打ち合わせを始める。いいな』
三人が異口同音で答える。
『軍団長、始めてください』
イリオネスが鋭い目で話し始める、場が引き締まる。パリヌルスらは緊張した面持ちで彼の口元を見つめた。
『オキテス隊長、私が新艇建造の任に就いたことをとても感謝しています。必ず期待にそえるものを造ります。ヘルメス艇はありあわせの用材を使って建造した試作艇です。ヘルメスを超えたいい新艇が出来あがります』
『ほう、そうか、それは心強い。その一言このうえなくうれしい。三日後の事だが、新艇の価格決めの第1回目の話し合いが、キドニアの集散所で行うことになっている。自信をもって臨めるということだ。ありがとう、ドックス!』
『はい』
彼の返事は短かった。
『ドックス、もうひとつ、二人で確かめたい用件がある。昼めしのあとでだが、時間をとってくれ。建造の場を詳しく見ておきたい。ここでも二つの要点だ。建造の場が、通常考えられる建造の場に比して、よくできているか否かだ。もうひとつは、建造に使用する工具類、釘やその他の消耗品類が揃っているか、それら消耗品類が上質のものを使っているかどうかについて、二人で目を通そう』
『判りました。私は建造の場にいます』
『解った』
二人は朝めしの場に向かった。朝めしを終えたパリヌルスら三人は、イリオネスの宿舎の前に集合した。
イリオネスが戸口から姿を見せる。
『おう、おはよう。揃っているな、行くか。今日は、統領の宿舎で話し合う』
彼らの表情はやや固い、決めた決断を胸に抱いている。足元の確かな歩みで歩んで行く、アヱネアスが宿舎の前で四人が到着するのを待っていた。
『おう、おはよう』
『おはようございます』
『軍団長ご苦労。そこの木立ちの草の上でやろう』
『判りました』
ときおり、話し合いをやる木立ちの場である。樹木を裁断した座席が数席ある。五人が思い思いの席に就く。一同が顔を見合わせる。
『俺からの前置きはない。軍団長、始めてくれ』
イリオネスは、パリヌルスら三人の目を見つめて口を開いた。
『前置きはない、即、本題について打ち合わせを始める。いいな』
三人が異口同音で答える。
『軍団長、始めてください』
イリオネスが鋭い目で話し始める、場が引き締まる。パリヌルスらは緊張した面持ちで彼の口元を見つめた。