『ガリダ殿、オキテス殿、これで私らも新しい局面に歩を進めることができます。決めるべきことが決まらないと、物事の判断、大切な要因をいい加減にしてしまう。それは許されないという姿勢です。宜しくお願いします』
『ハニタス、理解した。宜しく頼む』とガリダ。
『私らも、この件了承しました』とオキテス。
一同は少々の間雑談を交わして会合を終えた。
ガリダ、オキテス、オロンテスの三人は、会合を終えた部屋をあとにした。
三人はパン売り場にやってくる。オロンテスは、売り場の状況に目をやる。納得したオロンテスは、用意していた袋に詰めておいたスペッシャルパンを『オキテス、これをガリダ頭領に』と言い添えてオキテスに手渡した。
『ガリダ頭領、これをお持ちください』と言ってパンを入れた袋を差し出した。
『おう、これを俺にくれるのか、オキテス。ありがとう。俺はこれで帰る、よろしくな』
ガリダは集散所をあとにした。入れ替わりにスダヌスが姿を見せる。
『お~お、ご両人!事はうまく収まったかな?』
『え~え、うまく決着しました』
『そうか、うまくいったか、よかった。何よりだ。物事は出来るだけ多くの者が力を合わせてやる、それがいい。世の中の仕組み、、、それは必要があってできている、そのように考えればいいのだ。なによりも重畳であった』
スダヌスは、それだけ言うと早々にその場を去った。二人はその後ろ姿を目で送った。スダヌスは、スダヌスなりにこのことの成り行きを気にしているらしいことがうかがわれた。
『オロンテス、どう考えている?俺はこれで事がうまくいくと考えている』
『そうであってほしい、それが偽りのないおれの本音だ。気を引き締めてやっていこう。努めていい結果を見たい。俺はそのように考えている』
『判った。お前の言うとおりだ。パンの方の仕事が終わったのか』
『おう、パンは売り切った。ワークイズオーバーだ』
彼らは、売り場をひきあげ、船だまりへと向かう。
『おう、パリヌルス、今日の仕事は終えたぞ。万事決着だ、我らが考えたとおりに事が進んでの決着だ。喜べ!帰ろう!』とオキテス。
『パリヌルス隊長、今日は、ご苦労でした。試乗会もうまくいった。考えていた結果を得たように思われる。私はあれでよかったと思っているのだが、ガリダもハニタスも少々興奮気味であった。帰途に就こうか』
彼ら一同は、ヘルメス艇上の人となった。ギアスが指示を発する、ヘルメスは静かに波を割った。