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武者小路千家 官休庵2 環翠亭 半宝庵(西陣散策25)

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写真は、通用門の露地
寄付に戻り、ここから露地庭園をまたぐ廊下を渡ります。
右手が祖堂、左手に行舟亭があります。
行舟亭は廊下そのものに炉を切ったお茶室になっています。
ですから躙口もない3畳台目の小間(4畳半以下)です。
部屋が細長い上に、天井が船底天井なので、内部は屋形船のようです。
行舟亭の奥には3畳の“鞘の間”と隣接して環翠園があります。
環翠園は7畳の広間です。
ここはかつて矢倉家という商家の茶室を移築したものです。
当時財はあっても身分の低かった町人は白木の天井の仕様は許されていなかったため、その名残として黒い天井になっています。
また欄間は武者小路千家の定紋である独楽の意匠の透かし彫りです。
部屋の2辺の外は露地庭園で、苔の緑が見事です。
この環翠園のさらに奥には4畳枡床の半宝庵があります。
枡床の天井が1番高く、材質も松でしょうか、良い素材を使用しています。
客側の天井は網代で枡床より1段下がり、手前座の天井はさらに素材を落としてさらに1段下がり謙遜を表します。
そして特徴的なのは、半宝庵の躙口は2枚の幅広い板で出来ていることです。
この2枚の板を外すと露地庭園がよく見えます。
庭園に目をやると、灯籠は竿石が異常に短くほぼ頭の部分しかない状態で、植え込みも非常に低いです。
これは座って庭園を見ることを想定して、目線を合わせるために庭全体を低く造っているのです。
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