京都観光のガイドブログです。定番の楽しみ方から特別拝観、さらには年に1度の御開帳まで。
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Amadeusの「京都のおすすめ」 ブログ版(観光)
2024 12/2の拝観報告5 最終(南座 當る巳歳吉例顔見世興行 夜の部)
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写真は、まねきの上がる正面玄関。
例年のようにこの掲載は時宜を逸しないように、先に掲載します。
12/2の16:00~、顔見世興行 夜の部に参りました。
今回も1等席、7列14番目。
個人的にはこの辺りの席が1番見やすくて好きです。
16:00~元禄忠臣蔵 仙石屋敷。
討ち入りが終わって本懐を遂げた後のお話。
討ち入りは禁止されているので犯罪行為。
なので幕府の役人仙石伯耆守(中村梅玉)に神妙に報告に行く場面です。
犯罪行為と言っても当時は赤穂浪士に非常に好意的。
伯耆守も非常に丁重に扱います。
そして尋問です。
討ち入りの様子から、なぜそんなことしたのかを問いただします。
それに主に答えるのが、大石内蔵助こと我らが(笑)片岡仁左衛門さんです。
途中で堀部安兵衛(市川中車)や大石主税(中村鷹之資)も話題に上がり話します。
そして最後は4組に分けられて、各藩にお預かりになる場面。
内蔵助と主税は別々になりますが、主税は最後に父に会って伝えることがあると言います。
しかし堀部安兵衛らは未練がましいと怒りますが、実は「覚悟は決まっているから安心して欲しい」と伝えるのです。
仁左衛門さん、安定のカッコよさ。
しかし場面がずっと語りで、画的に動きがない演目なんですよね。
南座でこの時期だけに公演が多い、仮名手本忠臣蔵 七段目 祇園一力茶屋の方がいいですね~~
17:10に終わり。
次は17:35から色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)。
通称かさね。
怪談です。
恋路の果てに心中を約束した与右衛門(中村萬太郎)と腰元かさね(中村萬壽)ですが、与右衛門はそんな気などなく逃げます。
それを追いかけてきたかさね。
揉めているうちに川から鎌の刺さった髑髏が流れ着きます。
実はそれ、与右衛門が殺めたかさねの父。
与右衛門はかさねの母とも密通していたクズ野郎でした。
その髑髏の鎌を引き抜くと、かさねの顔も崩れます。
怨念のなせる業なのでしょう。
それを見た与右衛門はその鎌でかさねを殺すクズクズ野郎です。
そしてその場から逃げようとしますが、妖怪となったかさねの手まねきで引き戻される・・・というお話。
本来、与右衛門は片岡愛之助さんでしたが、稽古中のケガで休演。
急遽萬太郎が務めることとなり、親子共演となりました。
偉大なお父さんとの急な共演、緊張されたでしょうか。
でもよかったですよ。
それと萬壽さんの踊りはしなやかできれいですね。
18:25に終わり。
2幕目なので食事タイム。
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写真は、菱岩 花折 5,761円。
顔見世興行では菱岩と決めています。
1年に必ずここで戴きます。
今回は高島屋で受け取ったので(最初の幕間に取りに行くのがメンドウだったので)花折でした(高島屋では花折のみの取り扱いのため)。
やっぱりちょっと多いですねw
来年は月折に戻して、入場前に菱岩まで取りに行くか。
この後おやつも戴きますが、掲載の画的にこの後に(笑)。
18:55から曽我綉俠御所染(そがもようたてしのごしょぞめ)
通称、御所五郎蔵。
御所五郎蔵(中村隼人)は浅間家家臣でしたが、腰元皐月(中村壱太郎)との密通を星影土右衛門(坂東巳之助)に暴かれ追放に。
五郎蔵は侠客に、皐月は傾城となり関係は続いています。
そこにしつこい土右衛門がやってきてケンカになりかけますが、そこは甲屋女房お松(片岡孝太郎)が止めに入って事なきを得ます。
そして後日、旧主のために金策に苦労していた五郎蔵を助けるべく、金を出してくれる土右衛門になびくふりをして五郎蔵をフリます。
状況を分かっていない五郎蔵は激怒し、飛び出していきます。
ウイニングランをしたい土右衛門ですが、とても付き合う気分じゃない皐月は拒否し、それを察した主君お気に入りの傾城逢州(上村吉太朗)が代役を買って出ます。
そして次のお店に移動中に、激高した五郎蔵が皐月と間違えて逢州を切り殺し、エライこっちゃ~~~で、終わり。
巳之助さん、久しぶりに拝見しましたが、貫禄が増しましたね。
隼人さんはもうあちこちお忙しいですね。
孝太郎、年々芸風が亡き叔父の秀太郎さんに似てきているような。
貫禄のある女性を演じるのハマりますよね。
20:15に終了。
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写真は、グラマシーニューヨーク シャインマスカットのタルト 848円。
ここは15分の休憩で、本来は食事と一緒に戴いた、シャインマスカットのタルト。
コッテリとしたチーズケーキの上にシャインマスカット、下にブルーベリーソース。
非常にいいバランスでしたw
最後は20:30から越後獅子(えちごじし)。
舞踊の演目で、角兵衛獅子は中村鴈治郎さん、中村萬太郎さんと中村 鷹之資さん。
鴈治郎さんは仙石屋敷で吉田忠左衛門でも出演されています。
20:50に終演。
昔は顔見世興行は長いなと思っていましたが、今はドップリはまっているので
アッと言う間。
逆に7月歌舞伎の方が食い足りないぐらいですw
今回も楽しかったです。
そして次回は、2月ですね!
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2024 10/16のおでかけ報告6(歌舞伎座 十月歌舞伎)
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写真は、当日の外観。
15:00に学士会館を出て、地下鉄で銀座駅へ。
歌舞伎座での十月歌舞伎の夜の部に参りました。
最寄りは東銀座ですが、お買い物をしてから参ります。
2日前の10/14に大阪松竹座で十月歌舞伎を観ていますが、また来ましたね~~
10/17も滞在していましたが17日は休演日だったので、16日1択でした。
銀座での買い物はのちほど。
今回も1等席 8列目で観賞(毎回ですが、歌舞伎会員の発売初日10:00に購入)。
改めて来てみて、歌舞伎座は横長の劇場ですね。
まずは16:30から婦系図(おんなけいず)の本郷薬師縁日と柳橋柏家です。
早瀬主税(片岡仁左衛門)はもとはスリをしていたような輩でしたが、酒井俊蔵(坂東彌十郎)に助けられて、ひとかどの学者になりました。
その主税が芸者のお蔦(坂東玉三郎)と密かに所帯を持つようになったのですが、これに恩人の酒井が大反対。
芸妓柏家小芳(中村萬壽)のとりなしも虚しく「どちらかを取れ」と酒井に迫られ、「婦を棄てます」と涙ながらに答えるところまで。
婦系図は恋仲の仁左衛門さんと玉三郎さんが引き剥がされる話。
悲恋なんで叙情的。
仁左衛門さん、泣いて、謝って。
僕的には仮名手本忠臣蔵の大星のような立ち役のカッコいい仁左衛門さんの方が好きかな~~。
これが17:07まで。
20分の休憩をはさんで17:27から、婦系図のクライマックス 湯島境内。
意を決した早瀬主税(片岡仁左衛門)は湯島のお祭りにお蔦(坂東玉三郎)を誘います。
久しぶりのお誘いにテンションアゲアゲのお蔦ですが、それを見るのが一層ツライ主税。
そしてとうとう別れを切り出します。
そこからは・・・ね。
もうどん底。
最後はきれいに別れようとしますが、抱き合い、幕・・・。
大阪や京都での大歌舞伎がメインだったので、何気に初見だった玉三郎さん。
別れを告げられる前の無邪気な明るさから、別れが本気と分かった以降の切り替えが見事でした。
18:15から2つ目の幕間。
お弁当タイムです。
写真は、浅草今半のリブロースすき焼き弁当 4,320円。
今回のお弁当は銀座三越の地下食で購入した、今半のリブロースすき焼き弁当。
注文してから作ってくれます。
その間、翌朝のパンを買ってました。
今半の牛肉弁当は戴いたことがあるので、なかなかないやつにしました。
味付けが上品で美味しかったです。
味付けが濃くないですが、その分肉の味がしっかりしました。
写真は、銀座千疋屋 ブランマンジェ メロン 756円。
そしておやつは銀千疋屋のブランマンジェ メロン。
銀座駅で降りて、先にこちらに行ってから三越に行っています。
フルーツパフェが大好きなので、スルーは出来ないですねw
果物の美味しさを全面に出してきてからの、クリームリーズのババロアかな。
サッパリ+濃厚の緩急ですね。
お食事、堪能しましたw
そして18:50から源氏物語。
光源氏(市川染五郎)の妻 葵の上(中村時蔵)が出産を迎えていますが、嫉妬する六条の御息所(坂東玉三郎)が生き霊として取り憑く場面。
最後は念仏で退散します。
話としてはこれだけ。
見せ場は六条の御息所の「どうせ私なんか」と病的に被害妄想に陥っていく経過。
玉三郎さんの段々と闇落ちしていく演技、さすがでした。
20:10に終演。
帰りは東銀座駅から学士会館に帰りました。
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2024 10/14のおでかけ報告1(大阪松竹座 十月大歌舞伎 市川團十郎襲名披露 昼の部)
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写真は、2階ロビーの記念パネル。
3連休の最終日。
もう写真の通り、この日は大阪松竹座で十月大歌舞伎 市川團十郎襲名披露 昼の部でした。
普通、襲名披露公演は口上のある夜の部が人気ですが、昨年末の南座での襲名披露は夜に行ったこと。
また今度の昼の部がずっと観たかった鳴神だったので昼にしました。
鳴神は賀茂川源流の志明院が舞台で、京都検定で知ってからこの機会を待ってましたw
しかも今回は雷神不動北山櫻で、毛抜、鳴神、不動の通し狂言でした。
今回も一等席、とちり席こと7列目で観劇。
11:00からまずは毛抜。
團十郎が5役演じますが、序盤の早雲王子と安倍清行の早着替えも見所。
それに両者のキャラも全然違うので、演じる切り替えも見せ場ですね。
陽成天皇の兄の早雲王子は自らの悪行が原因で皇位につけずイライラ。
その邪魔をした鳴神上人を都から追放します。
今度はその鳴神上人がイジけて、龍神を志明院のある北山の滝壺に封じちゃう。
そしたら雨が降らず干ばつ。
都は大騒ぎ。
なんとかしようと、雨が降るお札を家宝に持つ小野家が頼まれます。
しかしその札、ボンクラ息子が手を出して妊娠させた女性に見捨てない証として渡しちゃってるんですよ。
それを悪者の石原(鴈治郎)が殺して奪っちゃう。
さて小野家。
小野家にはもう1つ問題があり、娘の錦の前が髪の毛が逆立つ奇病で嫁にいけないでいる。
それを粂寺弾正(團十郎)が解決します。
鉄の毛抜と鉄の小刀は宙に浮く。
一方で真鍮のキセルは反応がない。
錦の前の髪には鉄の笄が、ってことで天井を槍で突いて大きな磁石を持った不審者を捕縛。
これが石原らの一味であり、お札も取り戻し、奇病も治ってめだたしめでたし。
話の筋が理解できていればテンポもよくて楽しいお話です。
悪役の右團次さんもカッコよかった。
鴈治郎さんと扇雀さん、そして梅玉さんもチョイ役で華を添えました。
12:20に終了。
ここで即座に下に降ります。
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写真は、はり重のすき焼き弁当 2,160円とビフカツサンド 2,916円。
お昼は事前にTELで予約し、入館前に会計をしているはり重。
大阪松竹座の隣にあるお肉のお店。
今回はこの風習に乗っかろうと。
ビフカツサンド、ヤバいです。
メッチャ肉で、美味しい~~。
そりゃ冷めたらイヤな方から戴きますよね。
すき焼き弁当も美味しかったですが、やはり2つはちょっと多かったですね。
幕間30分しかないし。
女性の方はすき焼き弁当が多かったですね。
さて12:50からはお待ちかねの鳴神。
小野家のお札を取り戻したものの、神泉苑の池の水に付けて念じないと効果がないけど、肝心の神泉苑が枯れてるから効果がなかったというお些末さw
そこで龍神を開放すべく、宮廷一の美女、雲の絶間姫(雀右衛門)が鳴神上人(團十郎)のもとへ乗り出します。
雲の絶間姫が亡き夫の話をする際に川を渡るシーンを再現しますが、その際に見えた御み足に鳴神上人もドッキリ♡
次は弟子になるため剃髪すると言いますが、その準備のため2人の弟子がいなくなり2人きりになると、今度は雲の絶間姫は体調不良を訴えます。
介抱するうち鳴神上人は初めて女性の胸に触れ、ノックアウトw
夫婦の盃を交わすことで上人を酔いつぶし、滝に張られた注連縄を切ります。
封印が解かれた竜神は天にかけ昇り、即座に大雨が降ります。
雲の絶間姫が逃げた後、隈取に化粧直しをして、激怒した上人は六法を踏みながら花道へ。
次は花道で町人の話。
「鳴神上人は粂寺弾正に討たれた」とナレ死w
最後は計画がすべて破綻して憤懣やる方のない早雲王子(團十郎)。
朱雀門を舞台に大立ち回り。
ここが1番の見せ場。
打ち上げ花火のように畳み掛ける荒事。
ハシゴから楼上に登った時は楼門五三桐の五右衛門を思わせる演出も。
これはちょっと感激しました。
まさに成田屋!って。
そして天からの声(不動明王)に早雲王子も退治されます。
最後の幕は真っ赤な不動明王。
空中浮遊して14:10に終了。
これは舞台の幕間で出て来た記念の垂れ幕を、帰りにもう1度出してくれました。
中央は勧進帳ですねw
期待以上に楽しい舞台でしたし、鳴神が初めて観れてよかったです。
14:15頃に松竹座を出て、地下鉄で梅田へ。
梅田からは14:50発の阪急のPRiVACEで京都へ帰りました。
まだこの日は終わりではありません。
最後になにか忘れていませんか?ってね。
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2024 7/7の拝観報告4 最終(松竹座 七月歌舞伎)
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写真は、一等席 9列10番から見た舞台。
地下鉄なんば駅で下車して、15:30頃にやって来たのが大阪松竹座。
七月歌舞伎の夜の部です。
今回は中村時蔵さんが「萬壽」を、梅枝さんが「時蔵」を襲名される記念の公演でもあります。
まずは16:00から義経千本桜の三段目のうち、まずは木の実と小金吾討死。
いがみの権太が出てくる義経千本桜の三段目は度々上演されており、僕もこれで3回目。
この演目はもうディテールも入っていますw
主馬小金吾が中村歌昇さんで、お守りする六代君は歌昇さんの長男の中村種太郎くん。
さらに茶店で遊んでいる権太伜善太郎は次男の中村秀乃介くん。
もちろんいがみの権太は片岡仁左衛門さん。
出てこられるだけで、舞台が締まりますね。
あんなカッコイイ80歳、見たことないです。
主馬小金吾が討ち死にして、その首を持って帰るのが鮓屋弥左衛門の中村歌六さん。
歌六→歌昇→種太郎、秀乃介で、播磨屋3代勢ぞろいでした。
さらにすし屋ですが、長いのでここまで16:50で10分休憩。
17:00からは義経千本桜 すし屋です。
ここで弥助(こと三位中将維盛)の中村萬壽さん登場。
使用人の低姿勢ぶりから、維盛となった時の威厳の空気感がさすがです。
終盤出てくる梶原景時 の坂東彌十郎さん(鎌倉殿の13人での北条時政役)。
背が高いので、悪役映えしますねw
18:30に終了。
ここから30分の幕間なので、食事タイム。
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写真は、叙々苑の上カルビ弁当(4,600円)と叙々苑サラダ(650円)。
梅田のルクアの10階にある叙々苑に事前にお弁当を発注し、15時にpick upしました。
叙々苑には何度か行ったことがありますが、お弁当を戴いたことがなかったので今回はコレに。
お肉がメッチャやわらかくて、もちろん美味しい!
手拭き、爪楊枝は当たり前で、紙エプロンや消臭タブレットまで付いているのはさすがです。
19:00からは舞踊の演目の汐汲。
蜑女苅藻の中村扇雀さんの舞が優美でしたね。
今まで見た扇雀さんは立役か「おばちゃん」役で、あまりマジの舞踊は観たことがありませんでしたが、体幹のブレない、手先まできれいな踊りでした。
また相手役の此兵衛は萬壽さんの次男の中村萬太郎さん。
次の八重桐廓噺にも出てこられます。
19:25に終了。
ここから20分の休憩。
ってことで、僕はおやつタイムw
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写真は、新宿高野のpetifハピネス~2色メロン~ 972円。
こちらにしました。
京都にはないお店。
他のお店で桃のパフェのようなのもありましたが、背が高くて戴くまで現状保存しておく自信がなく断念w
でもこちらも果物たっぷりで、スポンジもメロン味。
クリームも濃厚で甘すぎず、非常に美味しかったです。
そして19:45から八重桐廓噺 嫗山姥。
こちらも1度見たことがあるので、あらすじはOK。
大体のあらすじが分かっていれば、初見でも十分楽しめます。
ただ複数回観てディテールまで分かってみるとさらに面白いのも間違いないです。
主役の荻野屋八重桐は中村時蔵さん、萬壽さんの長男。
ちょっと出てくる煙草屋源七(坂田蔵人時行)は尾上菊之助さん。
これから菊五郎2人体制(お父さんと)ですねw
腰元のお歌が先にも出られていた中村萬太郎さん(萬壽さん次男)。
なので今回は萬屋勢ぞろいですw
今回気づいたのは源七の妹役 白菊の片岡孝太郎さん。
基本女形なので、殺陣を見たことがありませんでした。
今回は女性ながら殺陣の場面があったのですが、所作がきれいでした。
動きのキレもいいですね。
最後の方で沢瀉姫の中村壱太郎さんを悪役の太田十郎の中村鴈治郎さんが引きずって来た時は、「実の親が息子を引きずって来た」のが面白かったですw
20:35に終了。
毎回ですが、歌舞伎は観終わってみてよかったな~~~って思います。
次は12月顔見世・・・の前に、もう1回ありそうですw
大阪からなので、帰宅したら22時でした。
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2023 12/20の拝観報告2(南座 顔見世興行 十三代目市川團十郎襲名披露)
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写真は、襲名披露の緞帳。
本来の拝観報告は11月ですが、昨夜のこちらは先に出しておきます。
15:00過ぎの開場時にやって来たのが南座。
もちろん十三代目市川團十郎襲名披露です。
近年は毎年顔見世興行に来ており、チケットは松竹歌舞伎会で一般発売の前日に購入しています。
例年は10時の開始と同時にスムーズに買えるのですが、今回は「混みあっており、しばらくお待ちください」が数分ありました。
何とか端っこですが、9列目が買えました。
さて今回は15:45~17:25に仮名手本忠臣蔵 衹園一力茶屋の場でした。
もうよく上演される演目ですね。
実質的な登場人物は3人で大星由良之助(片岡仁左衛門)、遊女おかる(片岡孝太郎)と足軽の寺岡平右衛門(中村芝翫)。
一力亭で敵を討つ素振りもなく遊び倒す大星由良之助。
足軽だから討ち入りのメンバーに入れてもらえない寺岡平右衛門。
そしてその妹のおかるは遊女をしている。
息子の主税(中村莟玉くん)の密書で討ち入りの計画があるのが分かりますが、それを鏡に映しておかるは読むし、縁の下に隠れた吉良の密偵の斧九太夫も読む。
それに気づいた由良之助が差して仲良くもないのにおかるを身請けするという。
それを聞いた寺岡平右衛門は由良之助がおかるを身請けした後、口封じをしようとしていると推察し、それならこの手で妹を殺してメンバーに入れてもらおうとおかるに襲い掛かる。
それを見た由良之助が寺岡平右衛門の心底を察してメンバー入りを許可し、縁の下の斧九太夫を成敗する。
この兄の平右衛門がおかるに襲い掛かる下りや、精進するなら口にすべきではない蛸を試しに食べさせる斧九太夫の下りは、初見では分かりにくいかもですね。
しかしやっぱりね、仁左衛門さんはカッコいい。
結局七月歌舞伎も顔見世も、仁左衛門さんが出ている公演を買いますもんね。
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写真は、幕間の緞帳。
17:25~17:45までの幕間で、玄関に行き注文していたお弁当を戴きます。
そして17:45~18:00が口上。
襲名披露はこれがあるから夜の部ですよね。
十三代目市川團十郎白猿と八代目市川新之助(勸玄くん)です。
左右に片岡仁左衛門さんと中村梅玉さんが控えます。
共にお父さんの十二代目團十郎さんとは旧知の仲。
もう父親代わりみたいなもんですよね。
梅玉さんのお話にも出ましたが、この南座での十二代目團十郎さんの最後の公演を見ていることや、歌舞伎座で落ち着きなくお父さんの公演を見ていた6年前の勸玄くんを知っているので、こちらも感慨深いものがありました。
梅玉さんのお話にも出ましたが、この南座での十二代目團十郎さんの最後の公演を見ていることや、歌舞伎座で落ち着きなくお父さんの公演を見ていた6年前の勸玄くんを知っているので、こちらも感慨深いものがありました。
そして最後の〆は、にらみで。
これからの活躍を期待しています。
ここまでの2演目は12/24 21:00からのNHK Eテレ「古典芸能への招待」で放送されるので、是非ご覧ください。
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写真は、菱岩 月 4,320円。
18:00~18:30が2回目の幕間。
ここでお弁当タイム。
久しぶりの食事またぎの顔見世。
やっぱりお弁当は菱岩になります。
仕出し屋さんで外食の店舗がない、また日曜日は休みなので、平日に行く顔見世のお弁当は菱岩さんです。
間違いないです。
そして最後。
18:30~20:30、歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜。
この演目はずっと観たかったんです。
助六寿司の由緒(揚巻の恋人は助六だから、いなりずし(揚げ)と巻きずし(巻き)のセットを助六寿司という)を先に知っていたので。
内容は要するに曽我五郎こと花川戸助六(市川團十郎)が源氏ゆかりの刀である友切丸を探すため、花街でケンカを吹っ掛けまくり相手に刀を抜かせて探しているというお話。
そこに助六の恋人揚巻(中村児太郎)がおり、その揚巻に横恋慕する髭の意休(市川男女蔵)が友切丸を持っているのですが、そこにたどり着きまでのなんやかんやがあります。
途中で出てくる髭の意休の手下のくわんぺら門兵衛(中村芝翫)はちょっと弱くて、朝顔仙平(中村歌昇)は激弱ww
飛脚の福山かつぎ(中村隼人)は凛としてカッコいい。
白酒売新兵衛(中村扇雀)は実は助六の兄の十郎で、ちょっと頼りないw
町人の通人里暁(中村鴈治郎)はお笑い担当。
助六の「股をくぐれ」と恫喝されたら、「これは男前。誰かに似ていると思ったら、今南座で公演中の團十郎さんにそっくり」とか、新兵衛に「股をくぐれ」と恫喝されたら、「なんや、よう随分前から知っているような、顔もちょっと似てるかも~~」とかw
そして最後に2人がからんだ笠をかぶった人物が母の曽我満江(市川門之助)で、そのような所業をメッチャ叱られ、暴れられないように紙衣を着せられる。
その後再びやって来たのが髭の意休。
今度は助六が全然かかってこないのに業を煮やした髭の意休を抜き、友切丸を確認する。
今は取り返せないので、「今度は覚えとけよ」で幕。
名前の付く登場人物が多いので、襲名披露のような華やかな舞台に向いているようですね。
今年もメッチャ楽しかったです。
いい年末になりました。
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2022 12/8の拝観報告3 最終(南座 當る卯歳 吉例顔見世興行)
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写真は、まねきの上がる玄関。
さてぎおん徳屋を出て、13:45頃にやって来たのが南座です。
もちろん毎年恒例の顔見世興行です。
ちょうど開場したところでした。
今年も仁左衛門さんが出られる第2部。
席は6列の19番。
この辺りだと臨場感が強いです。
14:10から開演。
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恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)
封印切(ふういんきり)
飛脚問屋の亀屋忠兵衛(中村鴈治郎)は井筒屋の遊女梅川(中村扇雀)と恋仲。
身請け金が工面できずにいたところ、イヤミな丹波屋八右衛門(片岡愛之助)が身請けすると現れます。
丹波屋八右衛門はお金をポンと出すも井筒屋の人からも不評の様子。
そこで忠兵衛の悪口を言い出したところ、影で聞いていた忠兵衛も堪忍袋の緒が切れ、「三百両もあるから、これで身請けする」と啖呵を切って八右衛門を追い返します。
井筒屋はめでたしの雰囲気になるのですが、実はこのお金は公金。
当時公金の横領は死罪。
梅川と2人になった忠兵衛はそのことを告げ、2人で死を覚悟して逃走するというお話。
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登場から総じて明るくて、能天気そうな鴈治郎 忠兵衛ですが、封印を切ってからの落ち着きのなさ、ただよう悲壮感がよく出ていましたね。
またそこに至るまでの愛之助 八右衛門の執拗なまでの挑発と、徐々にヒートアップしてとうとうという鴈治郎 忠兵衛のかけあいも良かったです。
井筒屋の女将さんやご主人が鴈治郎 忠兵衛の味方をするその気持ちが、逆に封印を切らせる後押しになっちゃってるのも、悲しいもんですね。
もちろん鴈治郎 忠兵衛と扇雀 梅川も兄弟で息ピッタリでした。
15:35に幕で、25分の休憩。
今回から場内での飲食がOKになりました。
そして16:00。
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「松浦の太鼓」
序幕 両国橋の場
雪の降る元禄15年12月13日の両国橋に俳人 宝井其角(中村歌六)がやってきます。
そこへ煤竹売りが来るのですが、これがかつての俳諧の弟子であった
赤穂浪士の大高源吾(中村獅童)。
源吾は赤穂藩が改易になり、煤竹売りに身を落としていました。
そういう事情もあり源吾の妹 お縫(片岡千之助)は、其角の口利きで平戸藩の藩主・松浦鎮信(片岡仁左衛門)のお屋敷に奉公しています。
其角が声をかけ再仕官を勧めますが源吾は断ります。
またみすぼらしい格好の源吾に其角は松浦候から拝領した羽織を着せてやります。
別れ際に其角が「年の瀬や水の流れと人の身は」と詠むと、
源吾は「明日待たるゝ その宝船」と、謎の付句を返して去ります。
二幕目 第一場 松浦邸の場
句会の催されている平戸藩主・松浦鎮信のお屋敷。
其角も呼ばれています。
そこへお縫がお茶を点てにやってきました。
お縫を見た松浦候は不機嫌になります。
原因を探るとどうやら、いつまでたっても赤穂浪士が吉良に敵討ちをしないのが気に入らないようです。
松浦候は兵法「山鹿流」を学んでおり、赤穂藩家老の大石内蔵助とは同門。
そういう点からも心を寄せていました。
一旦其角が機嫌を収めますが、昨日源吾に遭ったこと、自分の羽織を渡したことを何気なく話したところ、松浦候は再び怒り出します。
源吾が敵討ちもせず、町人暮らしに甘んじていること。
さらにそんな輩に自分の羽織を渡したのが許せなかったのです。
仕方がないので、其角はお縫を連れて松浦候の屋敷を出ようとします。
その時前日別れ際の「年の瀬や水の流れと人の身は」に対する源吾の付句「明日待たるゝその宝船」の話を松浦候にします。
さてどういう意味か・・・と思案していたら、
隣の吉良邸の方から聞き覚えのある太鼓の音が。
松浦候が指折りリズムを数えると、これは正しく山鹿流の陣太鼓。
赤穂浪士の討ち入りを確信し、「宝船はここじゃここじゃ!」と大喜びします。
二幕目 第二場 松浦邸玄関先の場。
助太刀のためと馬にまたがる松浦候を、家臣たちが必死に止めています。
そこへ源吾が登場。
討ち入りを終え本懐を遂げた源吾に松浦候は、今までの顛末を聞きます。
見事な経過と今後の覚悟を滔滔と語る源吾に心を打たれた松浦候。
源吾を讃えて幕となります。
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松浦の太鼓は秀山祭で上演されたのが「古典芸能への招待」で放送されていたので、それで予習できました。
まあやっぱり仁左衛門さんですよね。
今回は3枚目っぽいいわゆるバカ殿役ですが(笑)、まあカワイイですね。
何回も言いますが、あんなにカッコイイ78歳がいるんですもんね~~。
其角は放送された秀山祭でも歌六さんでしたので、一層違和感がなかったです。
しかしアレだけ討ち入りしないことでイライラさせた後での、陣太鼓。
スッキリしますよね。
其角もお縫も面目躍如でしたし。
細かいところでは近習達の殿への毎度の「太鼓持ち感」も、クスっと笑えましたね。
17:15に終演。
今年も非常に楽しい顔見世興行でした。
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2022 7/3の観劇報告(松竹座 七月大歌舞伎)
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写真は、松竹座の玄関。
さて日曜日です。
この日は、年に2回の歌舞伎鑑賞w
7/3(日)~7/24(日)までの日程で、大阪松竹座での七月大歌舞伎です。
しかし7/10(日)~7/24(日)までは、大相撲名古屋場所があるので避けたいところw
なので今回は初日の昼の部になりましたw
9:30頃に自宅を出て、10:40頃になんば着。
お昼はいつもの串カツだるまの道頓堀店(11:00開店)に並びます。
既に20組ぐらいいましたが、この後20分で列はさらに伸びていました。
11:00から食事。
もうセットではなく、好きなものをアラカルトで注文します。
11:30頃に食事を終えて、松竹座へ。
近いのでいいですね。
今回の席は一等席7列14番。
やっぱり近いと臨場感が違います。
これだから松竹歌舞伎会はヤメレません。
12:00開演。
まずは「八重桐廓噺 嫗山姥(こもちやまんば)」。
かつては傾城であった荻野屋八重桐(片岡孝太郎)は、通りがかった館の前で、自分の夫であった坂田蔵人時行(松本幸四郎)の歌を耳にします。
館に招き入れられた八重桐は、人々のなかにいる煙草屋に扮した時行でした。八重桐は、時行にあてつけるように廓での痴話喧嘩の様子を語ります。
ここが近松門左衛門が、実在した上方歌舞伎の名女形をモデルに「しゃべり」を取り入れたシーンです。
やがて親の敵討ちのために家を出たのだと明かす時行に、八重桐はその敵は時行の妹の白菊(中村壱太郎)が討ったと伝えます。
これを恥じた時行が申し訳のため切腹をすると、その魂が八重桐の体内に宿り、館の沢瀉姫(片岡千之助)を奪いに来た太田十郎たちを難なく蹴散らすというお話。
孝太郎さんのしゃべりの部分が見せ場で、中村壱太郎さんも相変わらずきれいでした。
時行が八重桐に乗り移るので、女形でのにらみは新鮮でしたし、ビシッと決まっていて爽快でした。
12:55に終了し、休憩。
13:25からは「浮かれ心中」です。
これは完全にコメディー。
大店伊勢屋の若旦那の栄次郎(中村勘九郎)は戯作者になろうと決意し、世間の注目を集めようとします。
話題づくりのために、番頭の吾平(中村扇雀)の心配をよそに、自ら親に申し出て勘当を受け、顔を見たこともない長屋の娘おすず(中村七之助)と婚礼を挙げます。
仲人役の太助(松本幸四郎)が廓で捕まって帰って来ないので大騒ぎとなりますが、無事におすずと夫婦になった栄次郎。
本来は話題作りのため形だけの婚礼で1年で離縁する予定だったのに、おずすに一目ぼれするあたりも目出度い栄次郎です。
しかし自らの書き下ろした絵草紙が評判にならず、尚も吉原の花魁の帚木(ははきぎ 中村七之助 二役)を身請けしたり、手鎖の刑を受けようと役人の佐野準之助(中村亀鶴)に頼み込んだりします。
そんな栄次郎の様子を見て、父の太右衛門(中村鴈治郎)は呆れるばかり。
栄次郎は帚木と心中のふりをしてさらなる話題づくりを狙いますが、帚木の情夫である文七が本当の心中と勘違いし、2人を刺します。
死んじゃう栄次郎、一命を取りとめる帚木。
死んで宙乗りになった栄次郎は、死んでから本が売れるという事態に複雑な思いをしながら、また脳天気に明るく2階へと消えていきます。
勘九郎さん、関西では初めての宙乗りだったそう。
もう最初から最後まで笑わしにきますw
途中で鴈治郎さんが呆れて襖を勢いよく開けて退場しようとしたら、背後の舞台セットがなく舞台裏が丸見えになるハプニングも。
そしたら幸四郎さんが、「これはいかん」とアドリブで立ちふさがって隠したり、勘九郎さんは「うちの裏はこんなになってるんだねぇ~~」とツッコんだり。とにかく笑えればいいんですねw
栄次郎の憎めないバカさが傑作ですし、勘九郎さんが非常にマッチして演じられていましたね。
勘三郎さんも喜んでおられるでしょう。
15:15に終了し、この日は帰宅しました。
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2021 12/8の拝観報告3 最終(南座 吉例顔見世興行)
写真は、まねきの揚がる正面玄関。
喫茶ソワレを出て、14:00前に南座に到着。
この日は毎年恒例の顔見世興行に参りました。
もう既に開場していました。
今回の席は1階10列目13番。
ネットでチケットを取った際には「花道寄りなんで、結構下手側かな」と思ったのですが、12番13番の間がちょうど舞台の真ん中なんですね。
今回の1部は坂田藤十郎さん追善の曽根崎心中で、息子さんの中村鴈治郎さんや中村扇雀さんがメイン。
2部は片岡仁左衛門さんと中村芝翫さん。
3部は片岡愛之助さんと松本幸四郎さんが中心でした。
まあ見やすい時間の関係もありますが、やっぱり仁左衛門さんになっちゃいますw
14:30、いよいよ 開演です。
昨年からの仕様で「------の間」は演目のあらすじですので、興味ない方はスルーしてください。
三人吉三巴白浪 大川端庚申塚の場
以前NHKの「にっぽんの芸能」で観たことがありました。
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主な登場人物は3人の吉三(きちさ)と名乗る盗賊。
お嬢吉三(片岡孝太郎)、お坊吉三(中村隼人)と和尚吉三(中村芝翫)。
場所は大川端の堤防。
おとせという夜鷹が奉公人が落としたお金を探して拾います。
そこにやってきた良家のお嬢様風のお嬢吉三。
お嬢吉三、実は男で百両と聞いて本性を現し、お金を奪いおとせを川に突き落とします。
そこにさらにそのお金を奪おうと、刀を抜いて襲ってきた男も打ち負かし、お金も刀も手に入れます。
さらにさらにその成り行きを籠の中で見ていたお坊吉三が、「その金、渡せ」と因縁を付けます。
お互い吉三を名乗る盗賊と名前は聞いており、引くに引けず刀を抜いての争いになります。
そこに通りかかった和尚吉三。
親分肌の和尚吉三がうまく2人を仲介し、逆に義兄弟の契りを結ぶという三人吉三巴白浪の序盤です。
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盗人3人が知り合って、仲間になるシーン。
この後続くお話は非常にヤヤコシイんですが、今回は関係ありません。
七五調の流れるようなセリフ回しを楽しむ演目。
よく聞くと和尚吉三に都合のいい話なんですが、2人が納得しているのならそれでいいんでしょうw
気風の良さが爽快でした。
15:00から15:25まで中休み。
もうどこにも行かず、じっとしてましたw
15:25から新古演劇十種の内 身替座禅
恐妻家の浮気がモロバレするという喜劇です。
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大名の山蔭右京(片岡仁左衛門)は、美濃の国に花子という愛人がいます。
その花子がこの度上洛し、右京に逢いたいという文を送ります。
しかし恐妻の玉の井(中村芝翫)が、片時もそばを離れないので出かけられない。
そこで一計を案じ、邸内の持仏堂で一晩座禅をして籠ると言い出します。
これはもちろんウソで、持仏堂に身替りの太郎冠者(中村隼人)を置いて、花子に逢いに行く魂胆です。
身替を置いて、右京は喜び勇んで花子のもとへ。
一方玉の井は右京を案じ見舞いに来ますが、身替の太郎冠者は当然スルー。
しかししびれを切らした花子はとうとう持仏堂に押し入り衾を剥ぎ取り、太郎冠者が身替になっているのを見つけます。
怒り心頭の玉の井は帰ってきた右京を懲らしめようと、逆に玉の井が身替になって待ち伏せます。
さて夜更けに、ご機嫌の右京がほろ酔い加減で帰ります。
持仏堂に戻り花子との逢瀬の様子を嬉しそうに話しちゃいます(アホだね~~~w)。
一部始終を語り終えた右京が衾を取ると、そこには鬼の形相の玉の井が!
慌てて逃げだす右京。
追う玉の井というお話。
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これは仁左衛門さんの殿さまと芝翫さんの妻のやり取りの面白さですね。
仁左衛門さんは、浮かれて「ホホホホぉ~~~」と笑うノーテンキな感じや玉の井に要望を却下されてがっかりする感じを非常に情感あふれて表現しておられました。
しかしその一方で身替を辞退しようとした太郎冠者を「手打ちにするぞ」と脅すところでは、キリっとした立ち役姿を全開で見せるのはギャップ萌えですよねぇ~~~w
片や芝翫さん。
まずはアノ不細工メイクが秀逸w
さらに「なりませぬ!」のピシャっとシャットアウト感。
絶妙にウケますw
それと腰元役の千之助(仁左衛門孫)と莟玉(かんぎょく:梅玉養子)さん。
毎年中村梅玉さんを顔見世興行で観ることが多かったのですが、今年は1部なんですね。観れなくて残念。
千之助さんは以前に増して踊りが滑らかになったというか、上達されたんでしょうね。
松嶋屋も秀太郎さんが亡くなられましたが、新しい才能の今後が楽しみです。
16:20に終了して、車に戻って帰宅しました。
16:20に終了して、車に戻って帰宅しました。
1等席のチケットは17,000円しますが、それに十分見合う芸を見せて頂きました。
次はまた来年7月の松竹座ですね。
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2021 7/14の拝観報告4(大阪松竹座 七月大歌舞伎)
写真は、大阪松竹座 外観。
11:40に串カツだるまの道頓堀店を出て、11:50にやってきたのが大阪松竹座。
この日のメインです。
新型コロナの影響で昨年は開催されなかった七月歌舞伎が帰ってきましたw
今回も1等席、前から9列目です。
11:50開場、12:30開演でした。
最初の演目は、伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)。
以下、演目の内容に興味ない人は、ーーーー間はスルーしてください。
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舞台は伊勢。
阿波の大名の家老の息子、今田万次郎(片岡孝太郎)は放蕩息子。
主君から名刀「青江下坂」の探索を命じられ、1度は手に入れるものの、それを質に入れて廓通い。
そこでかつて家来であった主人公の福岡貢(松本幸四郎)が、なんとか刀だけは手に入れます。
これだけでもまずは万次郎に返そうと遊女屋油屋を訪れますが、万次郎と行き違いになります。
ここで遊女のお岸(中村虎之介:扇雀長男)との話で、折紙(刀の鑑定書)がこの奥の座敷の客(徳島岩次)が持っていることを知り、
ここで機会をうかがいながら待つことにします。
そこに現れたのが仲居の万野(中村扇雀)。
この万野は徳島岩次とグルで、こちらはこちらで「青江下坂」を横取りしようとネラッています。
万野は貢の恋人である遊女のお紺(中村壱太郎:鴈治郎長男)には取り次がず、イジワルをします。
まずは廓に上がるのなら刀を預けろといいますが、そこは料理人でかつて貢の家来であった喜助(中村隼人)が機転を利かせて預かってくれます。
刀掛けに刀を置くと、そこに徳島岩次がやってきて刀の刀身と鞘を入れ替えて、帰りに「青江下坂」を持って帰ろうと画策しますが、
喜助はそれをちゃんと見ていました。
次は遊女を指名しないなら帰れと言いますが、なんとか滞在したい貢は、誰でもいいと言い放ちます。
すると万野は、不細工で貢に片思いするお鹿(中村鴈治郎)を呼びます。
お鹿は勝手に貢と文のやり取りをしているとか、通じているなどのウソを並べるのですがそれぐらいはスルーしてた貢でしたが、
金を10両貸しているとまでウソを言われたので、怒って追求します。
それを見ていたお紺は怒って(フリをして)、貢に縁切りを宣言。
貢は耐え切れず出ていきますが、その際に喜助はちゃんと「青江下坂」の方を渡します。
貢が出て行った油屋では、徳島岩次がお紺を身受けすると言い出しますが、
大事に持っている紙(これが折紙)が他の遊女からの恋文ではないかと疑うフリをして、まんまと預かります。
そしてそこで残された刀が「青江下坂」でないと万野が気づき、また貢も自分の刀が「青江下坂」じゃないと思い込み戻ってきて鉢合わせ。
はずみで万野を切った貢は冷静さを失い、
お鹿、徳島岩次やその手下などを次々に切り殺します。
そこへ折紙を持ったお紺が来て、これを取り返すために冷たくしたと告白すると、やっと貢は落ち着きます。
しかしこれだけ殺せばもう切腹しかないと腹をくくりますが、
喜助がその方は「青江下坂」だから、まずはその刀と折紙を万次郎に届けるのが使命だろうということでめでたし、めでたしになるという、
なんとも勝手な話ですw
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御覧のようにいささかややこしいストーリーですが、事前に把握しておけば大丈夫です。
笑いもあり、話のテンポもいいので観やすいです。
中村鴈治郎さん、扇雀さん兄弟のそれぞれの演じ方のうまさ、両ご子息の美しさもよかったですね。
松本幸四郎さんは、もう安定の域です。
本来万次郎は片岡秀太郎(片岡仁左衛門の兄)さんでしたが、急逝されたのが本当に残念でした。
13:50から14:10まで休憩。
客数が半分なので、トイレ休憩の混雑もまだマシですね。
14:10からは、お祭り。
鳶頭と馴染みの芸者2人の舞踊系の演目です。
鳶頭が片岡仁左衛門さん、馴染みの芸者2人が片岡孝太郎、千之助の松嶋屋三世代そろい踏みです。
千之助くんの女形もきれいですね。
誰かに似ていると思ったら、稲森いずみさんですねw
そして最後は結局これですよ。
仁左衛門さんのカッコよさ。
こんな77歳、他に見たことないです。
今回もいいものを観せて頂きました。
14:35に終演し、こちらを出ました。
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2021 3/7の拝観報告1(三月花形歌舞伎)
写真は、イントロの歌舞伎の魅力を説明する、中村橋之助さん。
日曜日です。
この日は11:20頃に自宅を出て、地下鉄と京阪で祇園四条駅へ。
12:00からの三月花形歌舞伎の昼の部に来ました。
例年3月は大相撲の三月場所(大阪)があるのですが、結局コロナ禍の影響で両国開催になりました。
そういう関係もあって、花形歌舞伎に来てみました。
場所は9列目17番。
この辺りが1番両視野の端までに舞台が収まるし、花道も見やすいので好きです。
12:00開演。
最初は花道から中村橋之助さんが登場。
義太夫やツケの方の役割や、義経千本桜の背景などを説明して下さいました。
またその時は写真撮影も可でした。
今回は義経千本桜の四段目の吉野山と川連法眼館でした。
12:25から吉野山。
吉野山は以前に観たことがあります。
今回義経千本桜の中の演目をチェックすると、もう大体一通り観てますね。
1回観たことがあると、あらすじを知っているので観やすいです。
今回の静御前は中村壱太郎(故坂田藤十郎の孫、中村鴈治郎の長男)さん、佐藤忠信(実は源九郎狐)が尾上右近さんでした。
尾上右近さんは最近TVへの露出も増えていますね。
右近さんのお父さんは役者ではなく伴奏の清元ですが、尾上菊五郎さんの縁戚ですし、母方もおじいさんは鶴田浩二さんです。
平家滅亡後、義経の頼朝からの逃避行に同行できなかった静御前が形見の初音の鼓を打つと、
佐藤忠信に化けた源九郎狐が出てきて物語し、その後はお供して警護します。
基本、舞踊の演目。
中村壱太郎さんは若手の女形のなかでは1番きれいですね。
そもそも静御前が壱太郎さんだったから、Aプログラムにしたという背景もありました。
右近さんも若いだけあって、動きが機敏でキレがありますね。
こちらが13:05まで。
20分幕間ですが、上の写真に実はもう一方有名人が写っておられますw
その方へのご挨拶が多かったですねw
桟敷席には舞妓さんがズラッとおられたのですが、もちろんその方々も。
まあ華やかでしたね。
別にメイワクしてないので、大丈夫ですw
さて13:25からは川連法眼館。
義経が匿われている川連法眼館に、ホンモノの佐藤忠信登場。
同行の静御前は?と聞かれるも、ホンモノは???
するとそこに静御前を伴った佐藤忠信(源九郎狐)が来たとの知らせ。
これらはオカシイと調べると、後から来たのが源九郎狐と判明。
そしてその源九郎狐が付いてきた訳が、初音の鼓の皮がこの狐の父母だからと。
結局、義経はその狐の父母を想う心と、静御前を守ってきた褒美に初音の鼓を狐のあげてめでたし、めでたしってお話。
佐藤忠信と静御前は引き続き、右近さんと壱太郎さん。
源義経は中村米吉さん、家臣の亀井六郎と駿河次郎は中村福之助、歌之助兄弟でした。
米吉さんのお父さんは歌六さん。
こちらの播磨屋系の家系もスゴイですね。
中村時蔵さん、中村獅童さん、萬屋錦之助さんや中村嘉葎雄さんにもつながります。
福之助さんと歌之助さんは前述の橋之助さんとの3兄弟。
成駒屋の芝翫さん、三田寛子さんのお子さんたちですね。
いつもはベテランさんの円熟の演技を楽しんでいますが、若手には若手なりのよさがありますね。
相撲で上がってきている若手を見るのと同じで、これからが楽しみですね。
14:40まで。
そしてこの後、もう1か所予定の場所へと向かいました。
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2020 12/9の拝観報告4 最終(京都南座 顔見世興行 第2部)
写真は、まねきの揚がる南座前。
本来は紅葉拝観の続きですが、このネタは賞味期限があると思うので(笑)割り込みで掲載します。
御覧の様に今年の顔見世興行です。
チケット確保までの経過は、リンク記事の前半に。
かくして今年の人気、第2部に行ってきました。
今年は法要で話したら「行ってみたい」と言い出した姉と一緒ですw
13:45頃に南座(リンク写真の東西まねきの1番が、坂田藤十郎と市川團十郎ですね・・・)前に到着。
席数が半分のため、例年の混雑はなかったです。
13:50から開場。
一列に並んで入場です。
今回は市松模様の販売で、それでも近くの2席は取れず、1等席6列目と16列目でした。
まあ姉にはい席で観て貰おうってことで、6列目をあげました。
姉は全くの初心者なので、事前にあらすじの説明、イヤホンガイドのレンタル、番付を購入しました。
さて14:30から開演です。
今回は2幕。
1つ目は、寿二人猩々(ことぶきににんしょうじょう)。
お酒売りが夢をみます。
それは場所でお酒を売ると、富を得ることが出来、そしてそこに赤毛の猩々(まあ妖精的なもの)が現れるという内容です。
酒を売っていると猩々が現れうれしそうにグイグイ酒を飲む。
そして最後は絶えず酒が湧き出る酒壺を残して去っていく
というようなお話。
ストーリーそのものよりは、舞踊を楽しむ演目です。
猩々は片岡千之助さん(仁左衛門さんの孫)と中村隼人さん(錦之助さんの長男)。
歌舞伎界の若手(20歳と27歳)の2人の舞。
僕の歳ならこれから20~30年は観られるので、今後が楽しみです。
その時には「この2人は若いときから観てるけど・・・」って講釈垂れてやろうと思いますw
14:50に終わり、15分休憩。
そして15:05からこの日のメイン、熊谷陣屋です。
源義経の家臣、熊谷次郎直実は初陣の息子 小次郎と出陣中。
その陣屋が舞台。
陣屋の前には見事な桜があり、そこには義経の命で
「一枝を剪らば一指を切るべし」との制札が出ています。
書いたそのままの意味は「枝折ったら、指切るぞ」ってことです。
さてその陣屋に子供初陣が心配な母 相模が登場。
本来は片岡孝太郎さん(仁左衛門さんの息子)でしたが、新型コロナウイルスに罹患後であり休演でした(この翌日から復帰)。
さらに同行していたのが平敦盛の母 藤の方です。
藤の方も本来は片岡秀太郎さん(仁左衛門さんの兄、愛之助の養父)でしたが、体調不良で休演でした。
その藤の方は直実と相模の恩人なのですが、子の敦盛が直実に討たれたと聞いて復讐しようとやってきています。
直実と相模の話を聞いて、敦盛が討たれたと分かった藤の方が飛び出てきて直実に切りかかりまずが、そこは女性と武士。
藤の方は組み敷かれてしまいます。
直実は敦盛の首実験のため義経の元に行こうとしますが、
そこは歌舞伎なので折よく義経の中村錦之助さん(時蔵さんの弟、隼人さんの父)が陣屋にやって来ます。
さて首実験で首桶を開けると、そこには直実の子 小次郎の首が。
動転する相模と藤の方。
この2人を直実が制札で抑えるところが見どころ。
そして直実は平然と
「一枝を剪らば一指を切るべし」→「一子(敦盛)を切るときは、一子(小次郎直家)を切って身代わりにしなさい」と理解し、
実は後白河法皇の御落胤である敦盛を守ったと義経に報告します。
あっぱれと褒める義経。
片やそれをみて頼朝公の命令に対する違反であると注進に走る梶原景高。
しかしその景高を手裏剣で始末する謎の老人 白毫の弥陀六(中村歌六さん)。
実は弥陀六は過去に頼朝義経兄弟を処刑から救った平宗清であると義経が見抜きます。
宗清は自分の情けのせいで平家が滅亡になったと嘆きますが、その弥陀六に敦盛の冑が入った鎧櫃を褒美として贈ります。
しかしその鎧櫃のなかには、敦盛が隠れているという寸法。
粋な計らいです。
最後はこのような事態になり直実は主君義経に暇乞いをします。
無常を感じ、武士をやめて僧になると。
義経もそれを是とし、直実は法体で花道へ。
舞台はそこで幕。
そして1人になった直実は初めて1人の親として悲しみを爆発させ、花道の奥へと退場します。
姉も言っていましたが、やはり仁左衛門さんの存在感ですよね~~。
カッコいい。
こんな76歳いますか。
46歳の僕が抱かれてもいいとさえ思うような(向こうは絶対にイヤでしょうけど)w
最初の悲しみを内に隠しつつ平然を保っているような雰囲気。
そして最後の感情の爆発。
演じ方も見事ですが、やっぱりスターからにじみ出るオーラというか存在感。
華がありますよね。
その魅力に取りつかれて、毎年顔見世と7月の松竹座に足繁く行くんですよw
16:30に終了。
はやり今年は3部制で演目が少ないので、ちょっと食い足りないですね。
また次の公演が楽しみです。
最後の姉と喫茶店で感想を話し合って、この日は帰宅しました。
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2019 12/22の拝観報告(南座 吉例顔見世興行)
写真は、南座に揚がるまねき。
本来は12/1の拝観報告の続きですが、「この話題には鮮度がある」ので今回差し込みで掲載させて頂きます。
この日は毎年恒例の顔見世興行 昼の部に参りました。
もう僕も松竹歌舞伎会に入っているので、チケットが取りやすくなりました。
10:30から始まるので、10:00オープンと同時に高島屋へ。
事前に予約しておいたお弁当を引き取り、さらにもう1つお買い物をしてから南座へ。
10:30 最初の演目は輝虎配膳。
川中島の合戦で死闘となった長尾輝虎は、なんとか敵軍師の山本勘助を引き抜きたい。
そこで家老直江実綱(かの直江兼続の義父)の嫁が勘助の妹なので(史実ではない)、妹に会いにということで、勘助の母 越路と付き添いで勘助の嫁 お勝を呼び寄せる。将軍より拝領の着物を与えるも「古着は着ない」と突き返す、お膳を輝虎自ら配膳するも「こんなもので釣られはしない」と蹴返す始末。激怒して切り捨てようとする輝虎を吃音のお勝が何とかなだめて許され放免されるお話。
長尾輝虎は片岡愛之助さん、越路はその義父の片岡秀太郎さん、実綱を中村隼人さん。
最後にビシッと決められると、鳥肌が立つほどカッコいいですねw
階段の上で仁王立ちの輝虎の右足にすがるように実綱が控える姿。
日本人が好きな「アシンメトリーの黄金比」なんだと思いました。
11:10頃に終了し、15分の幕間。
トイレに行きましたが、基本歌舞伎は女性が多いので、男子トイレがそれほど混まなくて助かりますw
11:25からは戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)。
浪花の次郎作と吾妻の与四郎が籠を運んでおり、ちょっと休憩する場面。
お互いに大阪、江戸の廓の自慢をする。
さらに籠に乗っていた禿たよりも京の島原の様子を踊ってみせる。
しかし踊っているうちに次郎作が連判状、与四郎は香炉を落としたことで、実は次郎作が石川五右衛門、与四郎が真柴久吉(つまりは羽柴秀吉のことですね)とバレる。
互いに因縁の相手なので険悪な空気になるが、禿たよりがなだめて事なきを得る話。
吾妻の与四郎を中村時蔵さん、浪花の次郎作を中村梅玉さん、禿たよりを梅玉さんの養子となり、梅丸改め中村莟玉さん。
劇中最初に口上がありました。
しかしいつ観ても時蔵さんの踊りは滑らかできれいです。
お体がとても柔らかいのではないでしょうか。
12:00に終了。
ここで30分の幕間ですので、お弁当タイムw
高島屋で予約していた、
和久傳の鯛ちらし弁当 2916円。
和久傳さんの鯛ちらしは鉄板ですね。
やっぱり美味しい。
結構ご飯がぎっしりですので、女性ならちょっと多いかも。
12:30からは金閣寺。
悪党 松永大膳(松永弾正久秀のことでしょう)は、弟の鬼藤太と最近部下にした十河軍平を従えて金閣寺で碁を打っています。
雪舟の孫娘の雪姫を捉えて軟禁しています。大膳は雪姫に金閣の天井に龍を書けと言いますが、秘伝の手本の行方知れずであり描けないと言うと、オレの女になれと迫ります。さもなくば同じく捉えた夫の狩野直信を殺すと言います。そこに十河軍平が敵の小田(織田のことですね)から此下東吉(木下藤吉ですねw)を引き抜いてくる。大膳は小手調べに此下東吉と碁を打ちますが、負けちゃいます。不機嫌になった大膳はイジワルがてら、碁笥を井戸の中に投げ入れ、手を濡らさずに取れ」と命令します。すると東吉は滝から樋で井戸に水を注ぎ、浮き上がってきたところを扇子で掬い取って見せ、大膳は大いに気に入ります。次は雪姫へ。雪姫が龍の手本がないから描けないと言うので、それならと大膳が宝剣を滝に掲げると滝に龍が映ります。それを見た雪姫はこれこそが家宝の倶利伽羅丸であり、これを持っている大膳こそが父の仇であると気づきます。その場で仇を討とうとしますが、そこは非力なので取り押さえられ縛られます。口惜しさと悲しさで泣いていると、祖父の故事を思い出し、雪姫も足でネズミを描きます。すると故事のごとく描いたネズミが動き出し、縄を食いちぎってくれます。それを見た鬼藤太が取り押さえようと来ますが、ここで此下東吉こと真柴久吉(羽柴秀吉ですね)と十河軍平こと佐藤正清(加藤清正ですね)が寝がえり助けてくれます。十河軍平は予め敵方に潜伏していたのです。しかもその本当の目的は、捉えられた将軍の母 慶寿院尼の救助でした。真柴久吉は金閣の2階に上り火頭窓を開くと慶寿院尼がおり助けます。最後はみんなで大膳を囲みますが、真柴久吉はここで多勢に無勢で討つのは卑怯だからと、大膳を本拠地の信貴山に帰りてやってお終いです。
配役は成駒家一門勢ぞろい。
大膳は中村鴈治郎さん、真柴久吉は弟の中村扇雀さん、慶寿院尼は父の坂田藤十郎さん(妻は扇千景、妹は中村玉緒さん)、雪姫は息子の中村壱太郎さん。そして十河軍平こと佐藤正清が片岡愛之助さんで、狩野直信は中村芝翫さんです。
鴈治郎さん、ワルそうでしたねw
扇雀さんの真柴久吉になった時のオーラもスゴかったですし、壱太郎さんはきれいでした。
とうとう今回の藤十郎さんは座ったままで、動くシーンはなかったですね。御歳88歳なんで、やむを得ないところでしょうか。
演出面では、金閣の2階のシーンになるときは、扇雀さんが登った後に、観客に見えやすいように舞台が下がってきたのには驚きましたw
見ごたえ十分でしたね。
14:00頃に終了し、20分の幕間。
ここでおやつタイム。
高島屋で買ってきた、
クラブハリエのカットバーム 594円。
以前から店頭にあるのを知っていたので、今回買ってみました。
こちらも鉄板の美味しさですが、店頭で観る以上に大きいですね。
女性なら半分で十分でしょう。
14:20から最後の演目、仮名手本忠臣蔵の祇園一力茶屋の場です。
主君を討たれた大星由良之助(大石内蔵助のことですね)は、この日も祇園の一力で放蕩三昧。焦れた三人侍と足軽の寺岡平右衛門が一力に来て真意を問うも、やる気なし。皆はいきり立つも、平右衛門がなだめて治めます。平右衛門は足軽なので討ち入る立場にないのですが加わりたいのです。
皆が去った後に、嘆願書を出すも全く相手にされず。諦めて引き上げた後に息子の大星力弥(大石主税ですね)から密書が来ます。もちろん討ち入りの決行についてです。
その直後にかつての同僚斧九太夫が登場。しかし由良之助はもはや九太夫は敵の密偵であると気づいているので、密書を隠します。
九太夫は主君の命日と知った上で、忌むべき生もの(タコ)を勧めて討ち入りの覚悟を図りますが、由良之助は楽勝で食べちゃいます。
九太夫、最後は籠で帰るふりをして、縁の下に隠れます。
誰もいなくなったと思ったところで由良之助は密書を読みますが、それを縁の下のいる九太夫と遊女のお軽が面白半分で鏡に写して盗み見てしまいます。そんなお軽に気づいた由良之助は、お軽を呼び寄せ身請けすると言い出します。その手続きに行くのと入れ違いで平右衛門が登場。前段で触れていますが、実は平右衛門とお軽は兄妹なんですね。お軽から由良之助との経緯を聞いて、由良之助がお軽を殺すと思い込みます。それならいっそ自分の手でと、お軽を切ろうとしますが当然お軽は意味が分からず逃げます。逃げて落ち着いた後に、平右衛門はお軽に実は2人の父もお軽の旦那も既に死んでいるという事実を話すと、お軽は絶望し死にたいと言います。それを陰で聞いていた由良之助は不憫に思い、平右衛門を仲間に入れてやります。お軽も夫の代わりに手柄を立てるために縁の下の九太夫を刺させます。これでさあいよいよ、討ち入りへというところで話は終わります。
今度は松嶋屋一家が出てきます。
大星由良之助は片岡仁左衛門さん、お軽は息子の片岡孝太郎さん、大星力弥は孫の片岡千之助さん、寺岡平右衛門は中村芝翫さんです。
酔っ払いでダメンズの由良之助も、討ち入りを表明するキリっとした由良之助も、とにかく仁左衛門さんはカッコいいです~~~w
個人的には終盤ということもあったと思いますが、平右衛門とお軽のからみが長かったですね。
15:55頃に終了。
毎年終わった時には、行ってよかったな~~~と思います。
アノ芸はお金を払ってもみたいですね。
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2018 12/11の拝観報告2 最終(南座 顔見世興行)
写真は、2階のロビー。
9:30に四条河原町のひさご寿司でお弁当を頂いて、やって来たのが南座です。
今回は通常の顔見世です。
10:00開場、10:30開演でしたので、10:00開店の高島屋でお弁当を買って行くのは世話しないのでひさごさんにしました。
さて演目です。
最初は「菅原伝授手習鑑」の寺子屋です。
以前に車引は観たことがありますが、寺子屋は初めてです。
まずは話の背景から。
梅王丸、松王丸、桜丸という三つ子がいます。
それぞれ主君が菅丞相、藤原時平、斉世親王です。
構図としては松王丸ー藤原時平が悪者です。
藤原時平が権力を拡大するため、菅丞相と斉世親王を失脚させたので、兄弟も敵味方になってしまっています。
さてここからが今回のお話。
寺子屋をしている武部源蔵(片岡愛之助)は菅丞相の息子、管秀才を匿っています。
そこに管秀才をも亡きものにしようとする藤原時平の使いとして、松王丸(中村芝翫)が押しかけてきます。
ちょうどその前に千代という女性が連れてきた新入りの子供が管秀才と背格好が似ていました。
武部源蔵は妻の戸波(中村扇雀)と懊悩した結果、身代わりとしてその子の首を差し出します。
その首実験をした松王丸は動揺を隠しながらも「管秀才に間違いない」と言って帰ります。
そして子供を連れてきた千代が迎えに来ますが、武部源蔵は止むなく母も討ち果たそうとします。
その刹那、松王丸が登場し「わが子の首は役立ったか!」と言い放ちます。
つまり松王丸は今まで藤原時平の悪行に加担したことを後悔し、なんとか罪滅ぼしをしようとわが子を管秀才の身代わりになるように妻の千代に届けさせさせたという今まで悪者キャラだった松王丸が、良い者になるお話です。
真実を打ち明けてから松王丸の妻、千代が泣いてばかりいるのを(当然ですが)、松王丸は泣くなと何度も諭します。
しかしわが子が死に際に見苦しいところを見せるどころか、「事情を把握してニッコリと笑って死んだ」と武部源蔵から聞くや松王丸がおいおい泣き出す場面は感動でした。
2つ目は鳥辺山心中。
菊池半九郎(中村梅玉)は、上洛している将軍のお付きで京に滞在しています。
当然のように夜は遊郭に、同朋の市之助(市川左團次)と入り浸っています。
そこで半九郎が仲良くなったのが、遊女の染川(片岡孝太郎)。
もうすぐ江戸に帰ることになる半九郎は家宝の刀を売って染川を身請けし、親元に帰してやろうと考えます。
そこへ市之助のマジメな弟、源三郎(市川右團次)が登場し、遊郭で遊んでばかりいる兄を責めます。
兄はまあまあと奥に逃げてしまうと、今度は兄の遊び相手である半九郎をなじり始めます。
これが売り言葉に買い言葉で、決闘にまで発展。
とうとう鴨川河川敷で、半九郎が源三郎を討ち果たしてしまいます。
軽率な行動に半九郎は死を覚悟しますが、染川はそれなら私も連れて行ってくれと、2人で鳥辺山に心中にしに行くというお話。
市川左團次さんは、滝沢秀明さん主演の2005年大河ドラマ 義経で金売り吉次役で出演されていましたし、
市川右團次さんはいいですね。ドラマ陸王のシューフィッターさんですね(笑)。
最初は華やかな雰囲気ですが、段々雲行きが怪しくなって、最後は鴨川での決闘から心中となかなか暗いお話でした。
ここ終わりで13:00過ぎ、30分の幕間。
お弁当を頂きます。
朝頂いた、ひさご寿司の祇園(2106円)です。
久しぶりの鱧の箱寿司。
京都人でも普段は頂く機会がないですね(笑)。
美味しかったです。
3つ目は、ぢいさんばあさん、。
こちらは森鴎外の原作を読んだことがありました。
美濃部伊織(片岡仁左衛門)と妻のるん(中村時蔵)は、近所でも評判の仲良し若夫婦。
主君の京在番に同行する予定であった美濃部伊織の弟が怪我をしたために、代わりに1年間上洛することになります。
上洛した京で見事な刀を見つけますが、130両もします。
手持ちが100両しかないが、どうしても欲しかったので、同朋ですが粘着質で皆から敬遠されている下嶋甚右衛門(中村芝翫)から30両を借りて買いました。
その刀の披露を伊織が仲のいい同朋としているところへ、酔った下嶋が押しかけます。
そして悪態三昧。
最後にい伊織を「貴様はこの刀で人が切れるのか」とバカにしたところで、伊織がバクハツ。
下嶋を一刀両断してしまいます。
そして伊織は、越前に謹慎となります。
そのまま37年間が経過。
かつて伊織とるんが住んでいた家には、弟の子共である久弥(片岡愛之助)と新妻のきく(片岡孝太郎)が住んで家を守っていました。
伊織が帰る日に、るんとこの家で再開できるように2人がセッティングします。
ようやく37年ぶりに涙の再開をし、これから仲良く暮らそうと桜を眺めるというお話。
芝翫さんの憎まれ役、よかったです。
イヤな感じがよく出ていました(笑)。
仁左衛門さんはさすが、いややはりのカッコよさでしたが、武士の立役の方が僕は好きですw
時蔵さんは舞が観たかったです(メッチャきれいなんです)。
最後は、恋飛脚大和往来 新口村(にのくちむら)です。
公金横領をして逃げる忠兵衛(坂田藤十郎)と傾城の梅川(中村扇雀)。
捕まれば死罪です。
路銀も尽き、最後に一目父に会いたいと父親のいる雪深い新口村にやってきます。
知り合いに匿ってもらっているところへ、父の孫右衛門(中村鴈治郎)が通りかかります。
隠れて父の姿を涙ながらに拝みますが、その父の鼻緒が切れて転びます。
それを見かねた梅川が助けに駆け寄ります。
助けてくれた梅川と話すうちに孫右衛門は事情を察して、息子が近くにいると気付きます。
たまりかねた梅川は孫右衛門に目隠しをして(罪人と分かって見逃すと罪になるため)、忠兵衛と会わせます。
でも最後は目隠しも外してしまいますが。
そして追手が近づく太鼓が聞こえて来たので、孫右衛門は2人に路銀を渡して逃がすというお話です。
顔見世では毎回説明していますが、坂田藤十郎さんの長男が中村鴈治郎さん、次男が中村扇雀さんです。
ちなみに坂田藤十郎さんの奥さんが扇千景さんで、妹が中村珠緒さんです。
今回は扇雀さんの手引きで、鴈治郎さんと藤十郎さんの親子の対面(親子逆ですが)ってことですw
藤十郎さんももう86歳。
少しお声が小さくなられたような印象でした。
いつまでもお元気で舞台に立って頂きたいです。
16:05頃、終演でした。
今回は死を背景にした演目が多くて、ちょっと暗めでしたね。
1つは華やかな演目が欲しいところでしたが、楽しかったです。
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2018 11/13の拝観報告8 最終(南座 顔見世興行)
写真は、新装、南座の1階。
光清寺を出て、向かったのが四条大橋。
もう少し南の団栗通りを東へ入ったコインパーキングに駐車します。
まずは高島屋に向かい、お弁当を購入します。
そして南座へ。
15:40頃に着いたので、昼の部から出てこらる方でいっぱいでした(笑)。
そして16:00に開場。
今回は2代目 松本白鸚、10代目 松本幸四郎、8代目 市川染五郎の高麗屋襲名披露の顔見世興行です。
席は1階の7列目。
メッチャ真ん中かつ前で見やすいです。
松竹歌舞伎会パワーですねw
16:30開演。
最初は「寿曽我対面」です。
頼朝お気に入りの工藤祐経(片岡仁左衛門)が酒宴中に、小林妹舞鶴(片岡秀太郎)から曽我十郎(片岡孝太郎)、五郎(片岡愛之助)兄弟を紹介されます。
この曽我兄弟にとって工藤祐経は父の仇。
五郎の方はその場で仇を取ろうとするくらいいきり立ちますが、工藤祐経は頼朝命令の狩りの総奉行があるから、それまで待てと。
その餞別に狩場の通行手形を兄弟に渡して終わり。
非常によく上演される演目です。
秀太郎さんと仁左衛門さんが兄弟。
仁左衛門さんの長男が孝太郎さん。
秀太郎さんの養子が愛之助さんなので、松島屋オールスターの寿曽我対面でした。
最後にみんなでキメるのですが、仁左衛門さん・・・かっこよすぎです。
やっぱり仁左衛門さんから目が離せません(笑)。
2つ目は「口上」。
白鸚さん、幸四郎さんと染五郎くんの襲名する3人と、関西歌舞伎の大物の坂田藤十郎さんと片岡仁左衛門さんが左右に控えておられました。
白鸚さんも幼少期に、父の白鸚さんとおじいさんの幸四郎さんの3代で南座で演じられたことがあるそうです。
ただしその白鸚さんも記憶が定かでないぐらい昔だそうですが(笑)。
幸四郎さんは僕と同い年、染五郎くんは中1ですか。
是非是非これからの歌舞伎界を盛り上げて頂きたいです。
しかし藤十郎ももう86歳。
ちょっとお声が小さいかな。
まだまだご活躍を拝見したいです。
この幕間で18:00頃。
事前に高島屋で買っておいたお弁当を頂きました。
3つ目は今回のメインイベントと言っていいでしょう、「勧進帳」です。
頼朝から逃げて山伏に身をやつし奥羽へ向かう義経・弁慶の一行が、富樫左衛門が守る加賀の関所でひっかかります。
それを弁慶が機転を利かせての乗り切ろうとします。
片や富樫左衛門も途中で義経・弁慶の一行であると確信を持つのですが、弁慶の忠義に感動し、敢えて関所を通すお話。
8月の大阪の襲名披露公演でも勧進帳がありましたが、
今回弁慶は夏と同じく幸四郎さん。
富樫は夏は仁左衛門でしたが、今回は白鸚さん。
義経は夏は孝太郎さんでしたが、今回は染五郎くん
ということで、高麗屋親子3代です!
親子3代での勧進帳って、初めてだそうです。
白鸚さんと幸四郎さんの熱演は言うまでもないですが、染五郎くん・・・美しいですねw
こんな義経、「判官びいきする要素しかない」です(笑)。
最後は「雁のたより」。
バカ殿が身請けした司に気に入られようとするも、司は窓から見かけた髪結いの五郎七(鴈治郎)に惹かれている様子。
それが面白くないバカ殿は、ニセの恋文で五郎七を呼び寄せ、手下に捕縛させます。
そしてとっちめようとするのですが、バカ殿の家老が五郎七が自分の甥の元武士であることを見抜きます。
さらに司は五郎七の許嫁であることも判明し、めでたしめでたしという実に都合のいい話(笑)。
結構お笑い系の演目です。
2幕目で五郎七の店にいた若旦那が幸四郎さんで、髪結いが終って帰ろうとするのですが五郎七に話をしようと捕まります。
その際も幸四郎さんの若旦那は「もう疲れてまんねん。帰してぇ~~や。汗が止まりまへんのや~~」と言って会場爆笑。
勧進帳の大熱演の直後ですからねw
そして五郎七が「昨日は芝居を観てきた。南座で高麗屋さんの3代襲名披露や!もうそりゃ賑賑しくてよかったで~~」と言うと、
幸四郎さんが「私も高麗屋さん好きやから、”我が事のように”うれしい!」と言って大笑いとか。
この演目で片岡秀太郎さんがお玉というおばちゃんの役を演じておられました。
片岡秀太郎さんはこういうおばちゃんの役ばかりですが、もう「おばちゃんにしか見えない」ですね。
「ああ、いるいる、こういうおばちゃん!」って思うようなおばちゃんそのもの。
見事な芸ですね。
21:00頃に終わりました。
やっぱり、やっぱり歌舞伎はメッチャ楽しいですね。
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2018 7/24の拝観報告(大阪松竹座 七月大歌舞伎 二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎襲名披露)
写真は、松竹座の館内
火曜日です。
この日はお休みを頂いて、大阪へ。
松竹座での七月大歌舞伎 二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎襲名披露です。
今年の年末にも南座でも襲名披露がありますが、年末まで待てなかったです(笑)。
10:00になんばの高島屋の地下でお弁当を買います。
周囲はもう歌舞伎に行くであろうお姉さま方でいっぱいですw
僕はなだ万のお弁当を買いました。
大阪の松竹座は「ひっかけ橋」こと戎橋の南西近くにあります。
10:30開場。
今回は3階の3等席。
毎回1等席はゼイタクなんでw
11:00から
廓三番叟(くるわさんばそう)。
特にストーリーはなく、吉原の大広間で傾城、新造と太鼓持が踊ります。
踊りと華やかさを楽しみます。
片岡孝太郎さん、中村壱太郎(かずたろう)さんと四代目中村歌昇さんです。
中村壱太郎さんは四代目中村鴈治郎さんの長男なので、おじいさんが坂田藤十郎、おばあさんが扇千景さんです。
中村壱太郎さんは28歳だからでしょうか、女形をされるとおぼこさが出てきれいというか、かわいらしさが出ますね(笑)。
この演目は20分。
休憩10分を挟んで、
11:30から
車引(くるまびき)。
こちらは2回目。
兄弟の梅王丸と桜丸は前述の四代目中村鴈治郎さんと三代目中村扇雀さんで、実の兄弟です。
また仇側の兄弟の松王丸は三代目中村又五郎さん。
前出の四代目中村歌昇さんのお父さんで、この系譜を2代遡ると白鸚さんと兄弟になります。
同じ演目でも違う方が演じられると、また趣が違うのが歌舞伎の面白いところです。
こちらは30分で、12:00に終了。
ここでの幕間が30分あるので、お弁当を頂きます。
朝に買ってきたなだ万 季節限定の「夏ごろも」1,404円です。
一見少なそうに見えるのですが、食べてみるとこれでちょうどぐらいなんですよねw
自身の加齢を実感します・・・orz
さて12:30からは、
河内山(こうちやま)。
いよいよ二代目松本白鸚さんの登場です。
簡単に話をまとめると、ワガママ殿様が浪路という娘を愛妾にしようとするも断られ、怒り手打ちにしようとします。
それを幕府の使いともいえる上野寛永寺の使いの僧に化けた河内山が救います。
河内山が帰る直前までは守備よく行くのですが、帰りの玄関で顔を見知る家来によりバレます。
普通なら河内山は処罰されそうなものですが、風評芳しからぬ殿さまのこれ以上の失態を隠したい家老により、飽くまで上野寛永寺の僧扱いとなり見逃されます。
見所はバレた後から言葉遣いが突然べらんめえ調になり、啖呵を切って去っていくさまが痛快です。
河内山はもちろん二代目松本白鸚さん。
ワガママ殿様は五代目中村歌六さん。
先代の歌六さんの兄弟が、先代の中村時蔵さん、中村獅童さんのお父さんの方の獅童さん、萬屋錦之助さん、俳優の中村嘉葎雄さんという関係です。
河内山と殿さまが話をする書院の場面がやや長いですが(笑)、バレた後の変わりようをさらに引き立たせるためのフリみたいなものですね。
この演目が70分。
13:35から25分の幕間。
14:00からは最後の演目の勧進帳(かんじんちょう)。
こちらも超定番。
頼朝から逃げて山伏に身をやつし奥羽へ向かう義経・弁慶の一行が、富樫左衛門が守る加賀の関所でひっかかります。
それを弁慶が機転を利かせての乗り切ろうとします。
片や富樫左衛門も途中で義経・弁慶の一行であると確信を持つのですが、弁慶の忠義に感動し、敢えて関所を通すお話。
演じるのは80%弁慶、15%富樫といった感じ。
弁慶は十代目松本幸四郎さん、富樫は待ってました15代目片岡仁左衛門さん!
まずはまずは、どうしてあんなに仁左衛門さんってカッコイイんでしょうね~~~。
歌舞伎をみたい理由の半分は、仁左衛門さんが観たいからかもしれません。
しかし今回の主役は白鸚さんと幸四郎さんなので、スポットを幸四郎さんに(笑)。
弁慶の舞、酒の飲むときの剛毅さ、機転を利かす細やかな神経。
演じる上で幅広い表現力が必要な役なんでしょうね。
十代目幸四郎さんは、年齢が僕の1つ上。
僕も大概キビシイ人生でしたが、幸四郎さんも凄まじい研鑽を積んで来られたのだろうと思いました。
そして最後の飛び六法。
3階席だと最初の方しか観られないのが残念ですが、最後の最後にも見せ場がありますね。
15:10に終演。
今回も楽しかった~~~。
また次は11月の顔見世興行。
歌舞伎は年に2回は観たいですねw
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