メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

2006-07-16 17:41:41 | 映画
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア (1994、米、126分)
監督ニール・ジョーダン、原作・脚本アン・ライス
トム・クルーズ、ブラッド・ピット、アントニオ・バンデラス
クリスチャン・スレーター、キルステン・ダンスト
   
ホラー映画は苦手で、この映画もどちらかというと好評でありまた意外にもトム・クルーズがいいということは
知っていたが敬遠していた。
 
ホラーの度合いは多分ソフトなのだろう。なんとか見ることが出来たし、よく出来た映画である。
 
ニール・ジョーダンの映画にある陰りというものも本来の話がそうのなのだからどこがこの監督の味かというとわからないが、それはどうでもいいことかもしれない。
 
トム・クルーズは演技に熱中しすぎでくどいことが時々あるが、今回はもともとくどい役柄でむしろ自然に見えるのは面白い。
ブラッド・ピットは「リバー・ランズ・スルー・イット」(1992)の輝くばかりの若さ・美しさとは違った夜の光のもとの青白い美しさが際立ち、演技のうまさがどうのという問題とは別にやはりこの役は彼であってよかったのだと思わせる。トム・クルーズと同様に。
 
バンデラスは貫禄だが、驚いたのはキルステン・ダンストで有名子役とは知らなかった。この当時は12歳くらい、ブラッド・ピットに愛される子供と、その一方で大人たちをやり込めるしたたかさの両面を天性といった感じで演じている。
こういう子は長じてどうなるか難しいものだが、美人顔でないものの、どちらかというと普通の役が出来る雰囲気を持った女優になり、「スパイダーマン」の相手役、助演だが「エターナル・サンシャイン」(ジム・キャリー、ケイト・ウインスレット)など、うまくキャリアを積んでいる。
 
この映画、おそらく筋書きに沿ったドラマとしての意味と同時に、中のせりふにもあるように、死なないで生きながらえていくということは新しいものとの行き来がないということでもあり、新しいものをなんらの形で取り込むということがヴァンパイア特有の行為に現れるということ、それが一つの普遍的なメッセージ、そういう作りになっている。
 
偶然であろうか、同じ1994年に「フランケンシュタイン」(ケネス・ブラナー、ロバート・デ・ニーロ、ヘレナ・ボナム・カーター)が作られ、これは公開少し後にビデオで見たが、なかなかよかった。特にデ・ニーロとヘレナ・ボナム・カーター。

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