Sing to the Sky (絢香)
「First Message」から2年、絢香二枚目のアルバムである。
一枚目がそのすみずみまで、あまりにも素晴らしく完成されていたから、今回少し心配であった。
それは半分当たったと思う。
全て歌唱は密度が濃く、熱い思いが薄くなることはない。がしかし、それが続けて聴くアルバムとしては、単調になっていると言えなくもない。
もちろん、このネット環境で珍しいくパッケージとしてのCDが売れる歌手というのももっともで、アコースティックで大きな音でじっくり聴くとその細かい綾は見事だ。
「JewelyDay」、「おかえり」、などシングルヒットがあるなかで、「今夜も星に抱かれて・・・」が、他と違った趣できかせる。全体に絢香が持つ熱と力、それに乗せてメッセージを発する中で、この曲は少し引いた状態で自分から外に求めるものをしぼり出している、とでもいえよう。
ちょうどファーストアルバムの「三日月」がそうであるように。
つまり他の曲は、絢香の方が聴くものよりはるかにパワーがあり、そこからのメッセージなのである。それが一つ一つの曲を独立して聴く分には悪くはないけれども、アルバムとしては違うポジションからの曲が欲しい。
ボーナストラックにコブコロとのコラボレーション「WINDING ROAD」、そしておそらく安藤美姫のエキジビション用に録音したと思われる英語版「I believe」が収められてる。アルバム・ラストの「今夜も星に抱かれて・・・」からこれらの間の無音状態を何秒とするか、TBS「情熱大陸」で皆が8秒という中、絢香があえて10秒を主張し押し切ったところがあった。こうして聴いてみてやはり10秒、さすがである。
次のアルバムに期待しよう。