アガサ・クリスティ ー ねじれた家 (Crooked House、2017英米、115分)
監督ジル・パケ=ブランネール、原作:アガサ・クリスティ
グレン・クローズ(イーディス)、マックス・アイアンズ(ヘイワード)、ステファニー・マティーニ(ソフィア)、テレンス・スタンプ(タヴァナー警部)、オナー・ニーフシー(ジョセフィーン)、クリスティーナ・ヘンドリックス(ブレンダ)
大家族が住んでいる邸宅の主が謎の死を遂げ、遺言書によれば若い後妻にすべての遺産が舞い込むことになる。その騒動がおおげさにならないよう、孫娘ソフィアが知り合いのヘイワードに探偵役を頼むのだが、家族内の相互の愛憎が明らかになってきて、、、というもの。
クリスティの作品、そうたくさん読んではいないけれど、ポアロが出てくる謎解きものにしろ、そうでないものにしろ、作者は登場人物たちの動機、そのかかわりを重視しているようで、読んでいてかなりしつこい感じもある。
この映画それがかなり強いようで、原作とのちがいはたしかめていないが、これら動機のコンプレックスを追いかけるのはなかなか大変である。そしてイギリスものは、なぜか俳優たちの顔だちも、当方日本人の高年齢からすると見分けにくいところがあり、だれが犯人かという推理、推測もなかなか進まない。
だから結末は???という感じである。
探偵ヘイワード役のアイアンズは普通の若者という感じで、どうということはない。そうなるとやはり画面におさまりがいいのはグレン・クローズとテレンス・スタンプということになる。
作者はこの作品と「無実はさいなむ」の二つを、自らの最高傑作としていたそうである。こっちも読んだことはないが、昨年BBCがクリスティの三作をドラマ化したものが放送され、その一つが「無実はさいなむ」だった。
これも大家族の話で、そこに属する多くの人物がかなり問題を抱え、お互いに複雑な愛憎のコンのプレックスがあって、そこは本作と共通する。そしてやはり、敏腕の探偵がいるわけではない。
こういう映画では家族を牛耳る役にそれなりの俳優を置かないと、というわけだろうか、本作では孫娘の大伯母イーディスにグレン・クローズを配したのは効いている。「無実はさいなむ」で、老いた当主はビル・ナイだったことを思い出した。
というわけで、映画としては退屈しのぎにでも、そう勧めるという感じでもないのだが、半世紀ちょっと前あたりの風俗(車など)はすこし楽しめる。
それにしても、クリスティ自身の高い作品評価というのは、彼女の暗く深い内面を想像させる。
監督ジル・パケ=ブランネール、原作:アガサ・クリスティ
グレン・クローズ(イーディス)、マックス・アイアンズ(ヘイワード)、ステファニー・マティーニ(ソフィア)、テレンス・スタンプ(タヴァナー警部)、オナー・ニーフシー(ジョセフィーン)、クリスティーナ・ヘンドリックス(ブレンダ)
大家族が住んでいる邸宅の主が謎の死を遂げ、遺言書によれば若い後妻にすべての遺産が舞い込むことになる。その騒動がおおげさにならないよう、孫娘ソフィアが知り合いのヘイワードに探偵役を頼むのだが、家族内の相互の愛憎が明らかになってきて、、、というもの。
クリスティの作品、そうたくさん読んではいないけれど、ポアロが出てくる謎解きものにしろ、そうでないものにしろ、作者は登場人物たちの動機、そのかかわりを重視しているようで、読んでいてかなりしつこい感じもある。
この映画それがかなり強いようで、原作とのちがいはたしかめていないが、これら動機のコンプレックスを追いかけるのはなかなか大変である。そしてイギリスものは、なぜか俳優たちの顔だちも、当方日本人の高年齢からすると見分けにくいところがあり、だれが犯人かという推理、推測もなかなか進まない。
だから結末は???という感じである。
探偵ヘイワード役のアイアンズは普通の若者という感じで、どうということはない。そうなるとやはり画面におさまりがいいのはグレン・クローズとテレンス・スタンプということになる。
作者はこの作品と「無実はさいなむ」の二つを、自らの最高傑作としていたそうである。こっちも読んだことはないが、昨年BBCがクリスティの三作をドラマ化したものが放送され、その一つが「無実はさいなむ」だった。
これも大家族の話で、そこに属する多くの人物がかなり問題を抱え、お互いに複雑な愛憎のコンのプレックスがあって、そこは本作と共通する。そしてやはり、敏腕の探偵がいるわけではない。
こういう映画では家族を牛耳る役にそれなりの俳優を置かないと、というわけだろうか、本作では孫娘の大伯母イーディスにグレン・クローズを配したのは効いている。「無実はさいなむ」で、老いた当主はビル・ナイだったことを思い出した。
というわけで、映画としては退屈しのぎにでも、そう勧めるという感じでもないのだが、半世紀ちょっと前あたりの風俗(車など)はすこし楽しめる。
それにしても、クリスティ自身の高い作品評価というのは、彼女の暗く深い内面を想像させる。