「ラグジュアリー:ファッションの欲望」 (東京都現代美術館、10月31日~1月17日)
着る人の欲望が「贅沢」つまりラグジュアリー、というコンセプトで、京都服飾文化研究財団(KCI) のコレクション、アーカイブを展示したものである。
18世紀、フランス宮廷で着られたものから始まり、20世紀になり、シャネル、バレンシアガ、カルダン、サン・ローラン、クレージュそして現代へと、衣裳がその時代の体格とアクセサリーをともなって、ガラスケースでなく、360度直に見える形で展示されている。
18世紀のものも驚くほど良い保存状態であり、その見事な生地、裁縫、そしてこういう時代にも対応できる主催者京都服飾文化研究財団が開発したマネキンを使い、効果的な展示が実現した。
その中で、1920~30年あたり、シャネルを中心に作り出された、今も生きている形態、組み合わせが、なるほどと思わせる。
ここに集められているものたちは、一見してその優れた形に見惚れてしまうが、中でもアフリカの影響をうけたカルダン、サン・ローランのミニ丈ドレスのシェイプは見事(中でもカルダン)。
そして宝飾のレベルにあるヒール(靴の)が数多く並べられているのは驚きだ。
このミュージアムに常設展があったとはうかつにも知らなかったが、のぞいてみたら、靉光「静物(雉)」、香月泰男、麻生三郎、鶴岡政男、岡本太郎、などなかなか見ごたえがある。
また、入って長い回廊正面、常設展入口にある井上雄彦 エントランス・スペース・プロジェクトは宮本武蔵などを思わせる巨大な墨絵「バガボンド」。このひと、名前は聞いたことがあるけれど、代表作「スラムダンク」(マンガ)も見たことないので、実質これが始めて見る作品。
館の一角でその製作風景をビデオで流していた。