「隈 研吾展」(Kengo Kuma Studies Organic)
(ギャラリー・間、2009年10月15日~12月19日)
新装の根津美術館も手がけた隈研吾の活動を、コンセプト検討、設計の過程で作られた模型で見せるもの。
それほど大きくない二つのフロアに、グラナダ・パフォーミング・アーツ・センターとブザンソン芸術文化センターの大きな模型、多くの小さい模型が展示されていて、隈が提起している「有機的」、あるいは自然と付き合って結果として「負ける」という独特の表現がなされる建築とはどういうものか、が少しずつわかってくる。建造物というよりランドスケープ(景観)に近いものであろう。
それは目に入れて、他のものに移り、また戻ってきてという繰り返しをしていると、そうなってくるので、実際に建築物の中にいてだんだんその印象が定まっていくプロセスに似ているかもしれない。
「グラナダ」はコンサートホールでもあるが、どんな音になるのか、実際に行って聴いてみたい。その姿は高価なことでも知られたJBLのスピーカー「パラゴン」を思い出させた。
ブザンソンのセンター、いくらフランスの田舎でも田舎っぽいと思わせるけれども、実際に出来あがったらどんなになるのか。これを採用したフランスという国も大したものである。その傾向はこれまであったけれども。
平日の午前中、若い人たちは建築、デザイン系? 外国人も多く、多くの人たちが隈に関心をもっていることの証明だろう。