法務問題集

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憲法 > 国民の権利・義務 > 精神的自由権 > 表現の自由 > 吉祥寺駅ビラ配布事件

2011-04-06 00:00:00 | 憲法 > 国民の権利・義務等
【問題】
・最判昭59.12.18(吉祥寺駅ビラ配布事件)での裁判官伊藤正己の補足意見 三(改)
 ある主張や意見を社会に伝達する自由を保障する場合に、その表現の( ア )を確保することが重要な意味をもっている。
 特に表現の自由の行使が行動を伴うときには表現の( ア )が必要となってくる。
 表現の( ア )が提供されないときには、多くの意見は受け手に伝達することができないといってもよい。
 一般( イ )が自由に出入りできる( ア )は、それぞれその本来の利用目的を備えているが、それは同時に表現の( ア )として役立つことが少なくない。
 道路、公園、広場などは、その例である。
 これを「( ウ )」と呼ぶことができよう。
 この( ウ )が表現の( ア )として用いられるときには、所有権や、本来の利用目的のための( エ )権に基づく制約を受けざるをえないとしても、その機能にかんがみ、表現の自由の保障を可能な限り配慮する必要があると考えられる。
 道路における集団行進についての道路交通法による規制について、警察署長は、集団行進が行われることにより一般交通の用に供せられるべき道路の機能を著しく害するものと認められ、また、条件を付することによってもかかる事態の発生を阻止することができないと予測される場合に限って、許可を拒むことができるとされるのも、道路のもつ( ウ )たる性質を重視するものと考えられる。
 もとより、道路のような公共用物と、一般( イ )が自由に出入りすることのできる( ア )とはいえ、私的な所有権、( エ )権に服するところとは、性質に差異があり、同一に論ずることはできない。
 しかし、後者にあっても、( ウ )たる性質を帯有するときには、表現の自由の保障を無視することができないのであり、その場合には、それぞれの具体的状況に応じて、表現の自由と所有権、( エ )権とをどのように調整するかを判断すべきこととなり、前述の較量の結果、表現行為を規制することが表現の自由の保障に照らして是認できないとされる場合がありうるのである。
 本件に関連する「鉄道地」についていえば、それは、法廷意見のいうように、鉄道の営業主体が所有又は( エ )する用地・地域のうち、駅のフォームやホール、線路のような直接鉄道運送業務に使用されるもの及び駅前広場のようなこれと密接不可分の利用関係にあるものを指すと解される。
 しかし、これらのうち、例えば駅前広場のごときは、その具体的状況によっては( ウ )たる性質を強くもつことがありうるのであり、このような場合に、そこでのビラ配布を同条違反として処罰することは、憲法に反する疑いが強い。
 このような場合には、公共用物に類似した考え方に立って処罰できるかどうかを判断しなければならない。

【解答】
ア. 場

イ. 公衆

ウ. パブリック・フォーラム

エ. 管理

【参考】
表現の自由 - Wikipedia