[続けちゃってます〜]
アラーム音が鳴り響き起きる時間を知らせる。
「……」
「……」
「……おはよ、智くん」
まだ眠気の残る中、
なんとかアラームを解除し横で寝ている愛しい人を見つめた。
「……はよ」
まだ眠り足りないのか智さんは目を閉じたまま、
半分眠った状態で返事をする。
「あーあ。誕生日だけど仕事なんだよなあ」
隣にいる智さんを眺めながら、そう独り言のようにつぶやくと
「んふふっ。また誕生日誕生日言ってるし」
智さんは眠いのか目を閉じたままそう言って、クスクスと笑った。
「そりゃそうだよ、誕生日だよ?」
そう言いながら智くんの顔を見つめると
「んふふ。翔くんは誕生日大切しているよね?」
また誕生日の話をしていると半ば呆れているのか
笑いながら言ってくる。
「うん。俺にとっては特別な日だし、凄く大切な日だね」
そう言うと智さんはそっか、と
納得したようなしてないような顔をしてつぶやいた。
「うん。だからこうやって特別な人と
一緒に朝が迎えられるなんて最高な気分なんだけどね」
そう言って身体を起こすと、ちゅっとその唇にキスをした。
「智くんは余りこだわらない人だよね?」
自分と違って智くんはあまり記念日とかには頓着しない
タイプだろうと思いそう言うと、まあねと言って笑った。
「…俺たちって何もかもが本当に違うよね」
智くんは布団から顔だけ出した状態で
ちょっと考えるような表情をしてそう言った。
「…そこがいいんじゃない?
同じだったらきっとつまんないよ」
また誕生日の事を言ってくるのかと思ったら
意外な事を言ってきた。
智くんとは何もかも全然違うからこそ惹かれるし、
だからこそどんなに一緒にいても
決して飽きる事なんてないんだろうと考えていたら
「そんなものかな?」
ちょっと難しそうな表情でそう言ってきたので
「そんなもんだよ」
そう言ってもう一度唇にちゅっとキスをした。
そんな話をしながらいい加減起きなきゃな、と思い
ベッドから出ようとしたら
智くんに手を引っ張られベッドに戻される。
そして仰向けに寝かされたかと思ったらゆっくりと
身体に覆いかぶさってきた。
「さ、智くん?」
そう言うと、智さんはニッコリと微笑み
ゆっくりと唇を近づけてきて、唇を唇で塞ぐ。
「智くん?」
唇が離された、その瞬間に思わず名前を言うと
「翔くん、誕生日おめでとう」
そう言って、無邪気に微笑むと今度は深いキスをしてきた。
これから仕事に行かなくちゃいけないのに
その顔とその行為は反則だろう、そう思いながらも、
智くんからのその口づけについ夢中になる。
そしてゆっくりとその唇が離されると
「翔くん、誕生日おめでとう」
そうもう一度その言葉を言うと頬にちゅっとキスをした。
ああ、可愛すぎる。
「…智くん、好きだよ。愛してる」
来年も再来年もその先もずっとずっとこうやって一緒に過ごしたいと
心の中で思いながら、そう言うと智くんはにっこりと笑った。
そして今度は唇に優しいキスが降りてきた。