どうしても書けない状態が続いてて、遅くなってしまいました。
すみません。。
何か、変だ。
何となく物足りないというか。
何だか調子が狂うというか。
何かが、違う。
だから、この状況は一体何なんだろうと考えてみたら
それは大野のせいだと気付いた。
あれから。
大野が変わった。
いや、大野自身や大野を取り巻く状況は何ら変わってはいない。
ただ。
大野の自分を見る視線が。
大野にとっての自分自身の存在が。
変わってしまったように思う。
あの日から。
自分の存在はないものとされてしまったようだ。
見つめてもすっとかわされてしまうその視線。
もともと一緒に過ごすこともなかったけど、あからさまに避けられるその行動。
でも。
ムカつきながら見つめる視線の先にはいつもの二人の姿。
その姿をいつものように睨みつけても全く交わらない視線。
「ふうん、そう言う事か」
「何が、そう言う事か、なの?」
「何でもねえ」
その状態を見つめながら小さく独り言のようにつぶやいたら
彼女が不思議そうに聞いてきたから、それを少しイライラした気持ちで答える。
イライラしているのが伝わったせいなのか
頭のいい彼女はそれ以上何も聞いてはこなかった。
「……」
そうか。
俺の存在を無視することにしたってわけか。
まあ、当たり前と言えば当たり前だろう。
いつも睨みつけるように見つめていた。
せっかく拾ってくれたパスケースもひったくるように奪い取って
お礼さえも言わなかった。
だから大野がそういう行動に出るのも、
当たり前と言えば当たり前のような気もした。
「……」
そうか、と。
そうでる事にしたか、と。
そのあまりにもさっぱりとしたその態度に
こちらも清々した気分だった。
松潤がいつものように嬉しそうに大野の肩を抱いている。
その姿を見ながら何がいいのだろうと思う。
男の肩を抱くより女の子の肩を抱いた方がいいに決まっている。
可愛いし、いいにおいだってする。
髪の毛だって男みたいに短くないし
毎日いろんなアレンジがされててみてて飽きない。
唇だって赤くてプルプルしていて柔らかいし身体だってごつくない。
でも。
彼女にキスしようとした瞬間。
ふとあの時の情景が浮かんだ。
突然なぜか頭に浮かんできて、そして一瞬、時が止まった。
彼女がどうしたのって不思議そうな顔をして見つめてくる。
だから何でもないと首を振って、そのままその唇にチュッとキスをした。
やっぱり女の子の唇はいいなと思う。
唇だけじゃない。身体だって自分と全然違う。
男とするよりいいに決まってる。
そんなの当たり前だ。
「何かさっきから他の事考えてない?」
「え?」
「心ここにあらずって顔してる」
そんな事を考えていたせいか彼女がそう言って唇を尖らした。
「そんなことねえよ」
「ホント?」
「うん」
ちょっと面倒くさいなと思ったけど、それを悟られないように
優しく微笑んでみせた。
男より女の子の方がいいに決まっている。
そんなの当たり前だ。
でも。
なぜか。
心臓の音は普通だった。
キスをしても、抱きしめても
心臓はいつもと何ら変わりはなくて、ドキドキしなかった。
あの光景を見た時のような胸の高鳴りは全然なかった。
放課後の学校内はシーンと静まり返っている。
早く帰らなきゃと思いながらもいつものように渡り廊下にさしかかると
立ち止まってその場所を見つめた。
二人がいたあの場所。
見てしまった二人の一部始終。
教室や廊下で二人でいるのを見るだけでムカついて睨んでいたはずなのに
なぜだかこの場所に来ると確認せずにはいられなかった。
無機質な校舎の挟まれたこの中庭に二人の姿はないのかと。
無意識に探している自分がいた。
そして誰もいないことを確認し教室に戻ろうとすると
何やら教室から声が聞こえた。
何だろうと廊下からそっと中をうかがう。
そこには大野とクラスの女子だろうか。
二人の話している姿が見えた。
何の話をしているのだろうと聞き耳を立てる。
その瞬間、パンと大きな音がして大野が思いっきり
頬をひっぱたかれたのがわかった。
「……」
は?
何やってんだよ?
っていうか何ひっぱたかれているんだよ?
状況がよく読み込めずそのまま教室の外で立ち尽くしていたら
女の方が走って教室から出て行った。
は?
どういう事だ?
意味わかんねえ。
分かるのは大野がクラスの女子に教室で頬をひっぱたかれていた事だけ。
アイツ一体何やってんだよ?
っていうか何されてんだよ?
っていうか教室にある俺のカバンどうすんだよ?
この状況の中。
教室に入っていくのは地獄のような気がした。
でもバッグがなくては家に帰ることもできない。
何も見なかった事にしてさっさとカバンを取って帰る?
それとも何やってんだよって言って声かけて慰める?
腫れないように冷やした方がいいと濡れたハンカチを渡す?
って、俺が?
でも、どのみちこのままじゃいつまでたっても帰れない。
意を決し大野がまだいる教室に入った。
気配に気付いた大野がこっちを見る。
でも、一瞬にしてその視線は外された。
「……」
そうだった。
自分自身は大野の中にはいない存在になっているのだ。
なのに話しかけるとか慰めるとかあり得ないのだ。
答えは1の、何も見なかった事にしてさっさと帰るの一択しかないのだ。
そう、自分が仕向けた。
そしてそういう状況に清々していた。
それなのになぜだか泣きそうな気分だった。
そのままカバンをつかむと逃げるようにその教室から立ち去った。
そして
なぜか。
胸はずっとドキドキしていた。
いつまでもいつまでも心臓はドキドキしていて
鳴りやまなかった。
地味で目立たない大野。
派手で目立つ松潤。
二人が一緒にいると女の子たちがキャーキャー言う。
でもそれは松潤のせいだと思っていた。
でも、違う。
字の才能も絵の才能もあって運動神経も抜群にいい。
ほんわかした存在でガツガツしてはいないけど
不思議と人を寄せ付ける力を持っている。
綺麗な顔立ちをしていて人目を惹く。
本当は地味で目立たない奴じゃない。
松潤と一緒だから目立っているわけじゃない。
わざと目立たないようにふるまっているだけだ。
本人があまり目立つことが好きじゃないから
それを上手に隠しているだけだ。
本当は
その数々の秀でた才能。
人目を惹くその容姿。
それをあまり表には出したがらないけど知っていた。
本当は、ずっと前からその事に気付いていた。
おまけ。
VS嵐 6/8
その人は眠い眠いと言ってたとはとても思えない程
するすると目の前にあるロープ梯子を何の躊躇いもなく登っていった。
「やられたな」
「ん?」
ニノが小さくつぶやくから思わず聞き返す。
「あの眠そうな状態に、騙されたわ」
「ふふっいつもの事じゃん」
「でもあんなみんな騒いでんのに動じないし、ホントに寝てんのかと思ったんだけどなぁ」
そんな事を言いながらぼやいている。
でも確かにあんなに眠そうな状態じゃなかったら
一番に智くんを選んでいただろう。
「ホントあんな状況なのに不思議な人だよね~」
「まあ、もともとあの人心臓に毛ぇ生えてるとこありますけどね」
「ふふっひでぇ」
そのニノの辛らつできっぱりと言い切る姿に思わず笑ってしまう。
「だってそうだもん」
「まあ、あんな状況でも普通に楽しんじゃってるしね」
「そうだよ。これが翔さんだったらどう?」
そういたずらっ子みたいな顔で聞いてくる。
「俺ぇ? いや俺は高いとこ苦手だし」
「あんな梯子だったら二人みたいになってたっしょ?」
「ははっまあそうだろうな」
確かにあれは梯子と言っても普通の梯子とは違う。
ロープでできているからバランスをとるのも難しいし揺れるし
安定性もないし…。
智くんはこういうところでもやっぱり体幹がしっかりしているせいなのか
ほとんどロープ梯子が動かなかったけど自分だとそうはいかないだろう。
それをあんな高いところまでって思ったらやっぱり無理だと思った。
「だからホントはあの二人の反応が普通なんだろうね」
「うん」
目隠しされていて突然外されたかと思ったらあんな状況で。
でも普通に受け入れやっちゃうっていうところが
相葉ちゃんもそうだけど凄い所なんだよね。
しかもその前まで半分寝てたし。
そして軽々と登りきったと思ったら、
無邪気な顔して目が覚めた覚めたと笑ってる。
『普通に考えてください。
目隠しして知らずに11メートルのロープの前に立たされて。
登ってくださいと言われたら普通の人は登れないと思うんですよね。
コレ無理ですよ。コレ絶対無理ですよ』
そう中丸は半分キレながら言っていたけど、
本当は、あれが普通。
あれが、正論。
そんな事を思いながら、ニノを見たら
ニノがくすっと笑って頷いた。
VSは大野さんが活躍すると嬉しいですね。一位予想に上げてくれないのは残念でしたが、一位の大野さん見られたから大満足です。小山くんはしごを触って「何これ柔らかい!?」とか言ってましたよね。確かに、柔らかい縄梯子って大変そうです。嵐さんは何でもさらっとこなしてしまうから、凄さが伝わらないけど、今回は、後輩のお蔭で再確認できました。ありがとう小山君、中丸君って感じです。今日もVSですが、実は月末の夜会が楽しみすぎて。雑誌とテレビと楽しみが増えて、毎日助けられています。嵐さんときらりさんに感謝感謝です。それではまた。
そして待ってたと言って下さってありがとうございます。こんなあいてしまったのに本当に嬉しいです。
この話では思春期特有の繊細な感じと素直になれない複雑な思いを目指しているのですが
とても好きだと言って下さって嬉しいです。待ってるとのお言葉も。
VSはいい場面が見られましたよね。
そうなんですよね。
何でも難なくこなしてしまうから簡単なものだとつい勘違いしてしまいそうなのですが実は違うんですよね。
だから今回二人のおかげで本当は簡単じゃないんだよって事を証明してくれたことも嬉しかったし
言葉にして表現してくれたことも嬉しかったんですよね。
夜会ですね。毎週録画はしているのですが全然見れてなくて知らなかったのですがさっそく確認してみます。楽しみです。
こちらこそ本当にありがとうございます♪