本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

今週の言葉8/6~8/12

2007-08-04 11:32:54 | 住職の活動日記
 少し早いのですが、来週は出張なので、…


サラリと流してゆかん 川の如く
   サラリと忘れてゆかん 風の如く
       サラリと生きてゆかん 雲の如く


 『 念ずれば 花開く 』 で有名な坂村真民さんの詩です。

 この詩の裏には、ずいぶんとご苦労があったことでしょう。

人間生きていくには、自分の業を背負い、人のしがらみの中で、

生きていかなければなりません。

そんな簡単に 『 サラリ 』 となんて生きてゆけないはずです。

そこを 『 サラリ 』 と受け止められる、なぜだろう?


 お釈迦さまだって、普通の常識から言えば、ひどいことをされたもんです。

妻子を捨て、王子様でありながら、国を捨てて、家出されたのです。

そして、自分の国は滅ぼされていく、それを静かに見守っておられた。

 悟りを開いてみれば、この世は光り輝く 『 お浄土 』 と感得された。

妻子にしてみれば、勝手に家出して 『 光り輝くお浄土 』 なんて

呑気なこというな! といいたいところでしょう。


 この世は、世間的に見れば、絶対に 『 サラリ 』 となんて生きてゆけないはずで

す。でも考えてみる問題です。自分でもよくわかりませんが、一歩間違えると、

『 サラリと流してゆかん 』 なんて、無責任極まりない言葉になってしまいます。


   『 サラリと流してゆけば 』 苦労はないですよね。


 でも、苦労して生きた方が、結論として 『 サラリと流してゆかん 』 という

心境になられたのでしょう。

 簡単そうで、奥深い言葉です。
コメント
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