「 その車 よかね~ !! 」
となりに止まった、大きなクラウン、
中から出てきた中年のおじさま。
「 こら~ なんちゅう車ですか ?? 」
「 スマート、というのですよ。」
どうも最近、この大きな車が億劫になってこられたようです。
燃費は悪いし、取り回しは悪い。
ということもあってでしょうか、
この小さな車に興味を持たれたようです。
ベンツという車の会社、さすがドイツらしく車にも名前はありません。
Aクラス・Bクラス などと ABCで車を呼んでいます。
最近、なんでこんな車が存在するのだろう ??
と思った車があります。
「 Cクラス 」 といってセダンタイプでは一番小型の車です。
日本の車ではクラウンよりも小さい、
ですから、一番小さなエンジンは 1800cc とこのクラスの車にしたら
とても小さなエンジンです。
ところがです、 です。 この小さな車体に
6300cc という馬鹿でかいエンジンを積んだ車があります。
世の流れとして、省エネという方向なのに
なんでこんな反社会的な車が存在するのだろう。
ゴルフでおなじみのフォルクスワーゲンも
今は1200ccという小さなエンジンでそれなりのパワーを出す
というように変わってきています。
と、ふと思うのです。
ムダなように見える、この6300ccのエンジン
これは 「 V型8気筒 」 というエンジンです。
このようなエンジンはたぶん日本では存在しないと思います。
このエンジンの凄いところは、
「 ONE MEN ー ONE ENGIN 」
という、一人の技術者が最初から最後まで作り上げる
ですから、エンジンには作った技術者の名前が刻印されているということです。
省エネエンジンも作りつつ、この 「 V8 」 というエンジンの技術を
維持していくということの大切さを、
この 「 ベンツ 」 という会社は熟知しているのではないかと、
最近そのように思えてきました。
話は変わりますが、 「 原子力発電 」 ということも
一面には大変な、一歩間違うと、大きな被害をもたらします。
しかし、いろいろな考えをめぐらしてみると、
これだけの原子力の技術を持っている、という
その総合的な技術力、 …
そして、メルトダウンを起こした原子炉、
その復旧していくという技術も、これは世界に誇れるものではないかと、
また、対外的な世界の緊張状態を見ると、
原子力の技術を持っているということの抑止力、
そういうものを総合的に見ていくと、
甚大な被害をもたらしたから、
すべて、撤去してしまえというのは
あまりにも短絡的なような気もします。
かといって、原子力発電に賛成しているわけではありません。
この技術を保ちつつ、新たな道を模索すべきではないかと思います。
電化製品でも日本は窮地に立たされています。
けれども、ロケットを打ち上げるという
総合的な技術力はたいしたものです。
この総合的技術力は日本のお家芸として
伝え、発展していくべきものだと思います。
すべてにおいていえることと思いますが、
私たち仏教徒にとっても、最近は
「 やさしいことば 」 「 わかりやすい言葉 」 「 いやされることば 」
とかが、もてはやされますが、
やはり、基本を忘れてはいけないと思います。
原書、というかお経の難しい言葉に
じっくりと身をおく、ゆっくりでもいいから取り組んでいく、
そういうものをなくしてしまうと、
考え方、思想が軟弱なものになってしまいます。
弘法大師が 「 空海 」 という映画の中で、
「 経典を噛み砕く牙が欲しい 」
と、おっしゃっているくだりがあります、が
まさにそのような 「 牙 」 を育てていく勉強が
必要なときのようにも思います。
日本が世界に対して負けているのは
その思想のなさ、が、第一のようにも感じますが … ???