本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

吉野・金峯山寺

2023-06-05 20:12:41 | 住職の活動日記

桜の時期も終わり

吉野のお山は静かなものです

いつ行っても

蔵王堂は圧巻です

 

 

堂内に上がりお護摩に参座

宗派が違えば護摩の作法も

違うものがあります

いつも焚いておられるので

その動きも美しいものです

 

 

舎利殿にもお参り

それから

 

 

吉野朝宮跡があった

八角三重塔が遥かに見えます

 

 

ここに南朝の宮があった

のです

 

 

しかし、不思議な気もします

車でも結構かかるのに

あの当時

後醍醐天皇は都を離れ

この山奥に逃れて来られた

何故この場所なのか

もう少し便利な場所でも

よかったと思うのですが

 

この吉野山・金峯山寺

役行者が開かれたという

修験道の本山です

よく調べてないのですが

一つヒントとして

醍醐寺の「文観」(もんかん)

という僧が

大きく関わっているようです

 

修験道は全国に

ネットワークを持っていて

ある面では

日本国中の色々な出来事を

いち早く把握していた

ということです

 

修験道と文観

そして文観の弟子にあたる

後醍醐天皇

ここらの歴史もっと調べると

面白い発見があるようです

 

 

ここには色々の塔頭があり

その一つ

桜本坊(さくらもとぼう)

ここからの景色は絶景です

 

 

吉野の山が見渡せて

桜の頃は全山ピンクに染まる

という見事なものでしょう

 

吉野の桜

何故これだけ沢山の桜を

植えたのでしょう

花見をするため?

それもあるかもしれませんが

桜の木は非常に硬く

お経の版木としては

最高にいい木なのです

版木を入れている箱は

ムシが食っても

版木はどうもなってない

 

鉄眼という方

江戸時代の方ですが

熊本の生まれ

黄檗宗、万福寺に宝蔵院

というお寺があって

大蔵経が納められています

 

お経を写すのは大変と

版木を作りそれを印刷したら

大勢の人が読めるだろうと

一大決心をして

大蔵経制作のため勧進を

始めたのです

集まって取り掛かろうと

した途端、飢饉が起こり

せっかく集めた浄財を

その飢饉の為に使ったのです

 

また、一から集めたのですが

またもや飢饉が起こり

その集めた浄財を民衆の為に

使いました

三度目、

やっと取り掛かることができ

大蔵経の版木は完成しました

 

その時の版木の材に

なったのが吉野の桜です

ここにもドラマがあって

鉄眼は三条大橋のたもとで

勧進を始めました

最初の人が武士で

この人に断られたら

今後勧進は進まないだろうと

どうか寄付してほしいと

その人のあとを追っかけて

気がつけば大津まで

来ていたということです

 

その後、

桜の木の伐採に当たり

幕府に申し出たときの

お役人が

この最初の勧進をした人で

尽力していただいて

伐採の許可が下りたという

ことなのです

 

しかしながら

色々の歴史を持っている

この吉野というお山

何とも魅力のあるお寺の

ように感じます。

 

 

 

 

コメント
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