本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

無価値の世界

2023-06-24 19:38:17 | 十地経

今の価値基準はやはり

お金、儲けた損したという

でも、お金の力とは

凄いものがあります

そういうなかにおいて

仏教では「無価値の世界」と

まあ、世間の価値観とは

まったく違っています

 

お釈迦さまの言葉に

「有田憂田・無田憂田」

(ウデンウデン・ムデンウデン)

ということがあります。

安田先生の

別の本ですけど

「価値は自己を得意にするし

裏には必ず反価値という

ものがある。

一方で専有するものがあれば

反面にはプロレタリアという

ものがあり、価値を失って

怒りをもつものがある。

有田憂田・無田憂田といって

有田でも無田でも、

それによって自己を失う。

 

田というものは

価値がそこで生産される場所

で、単なる土ではない。

土に種をまけば、

そこで収穫が得られる。

努力によって

価値が生産される。

生産するということによって

ものを所有することができる

場所を田という。

 

だからそれを得たものは

失うまいとし、

得ないものは得ようとする。

結局は大きな対立である。

世界自身が有・無の両極に

はさまれて動揺している。」

 

そういうことが

『十地経講義』では、

 

「無限に広い世界というのは

値はないんです。

値を超えているんです。

金では買えない。

そういうのを達磨大師は

無価値の世界といっている。

貨幣価値に換算できない

というので、

無価値とこういっている。

それは、

どんな愚かな者にあっても

減らん。

どんな賢くても増すことが

できぬ世界、

価値の高下というものが

消えてしまう世界です。

そういうような

精神界を生み出すという

それが大事なことだ。」

 

とこのようにあります

今の世の中

貨幣価値優先の世界にあって

無価値の世界と

こういうことが本当に

広くて深い精神の世界

ということでしょう

 

難しいかもしれませんが

こういう世界があると

いうことも知っておくことも

大事なことだと思います。

 

コメント
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