宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

実に素晴らしい!K-5Ⅱsの天体写真適性

2012-10-20 21:17:00 | 天体写真(PENTAX K-5Ⅱs)
昨日の奥秩父は快晴でしたので、早速K-5Ⅱsで天体撮影を行い
ました。結論から言いましょう、

このカメラの天体撮影適性は素晴らしい!

着目点は二つ。
ひとつはローパスレス化による解像度の向上具合。
もう一つはHⅡ領域に対する感度の向上具合。

では行きましょう。

<解像度比較>

K-5Ⅱs vs K-5 でM13を同条件でシビアに撮影し、150%拡大比較


左右の画像を交互にブリンク視するとK-5Ⅱsの方が高解像で
あることが分かります。色の深さも若干豊かですね。

撮影データ:

10cmF6 Newtonian + 自作フラットナー・レデューサー → F5.48
焦点距離:548mm
フィルター:LPS-P2
ISO感度:800
露光時間:600 [sec]
現像:Camera Raw6.7 for K-5
画像処理:一切なしの撮って出し

<HⅡ領域に対する感度>

NGC7000+IC5067
ISO3200 , 10min X 6 , 60min Total


派手目にレタッチ。


NGC2237
ISO3200 , 10min X 9 , 90min Total


天文ガイド11月号の裏表紙に挑戦


<その他の天体>

M13(上記解像度比較の元画像)
ISO800 , 10min X 4 , 40min Total


拡大像


M27
ISO1600 , 5min X 4 , 20min Total


拡大像。素晴らしい解像感!


M31
ISO 800 , 15min X 1
ISO1600 , 15min X 4
ISO3200 , 15min X 1 , 90min Total



ISO800 , 10min X 2 , 20min Total


M33
ISO1600 , 10min X 4 , 40min Total


拡大像。良い感じです。


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<共通データ>

撮影日時:2012/10/19~20
撮影地:栃本広場
星空指数:80点(快晴)
気温:8℃→4℃

カメラ:K-5Ⅱs , K-5LS
撮像鏡筒:MIZAR 10cmF6 Newtonian -> F5.23
       (自作フラットナー・レデューサー使用)
フィルタ:LPS-P2
ダーク画像:無し
フラット画像:無し
フラット用ダーク画像:無し

赤道儀:TS-90S
ガイド:5cm fl=250mm + SSAG + PHD

RAW現像:Camera Raw 6.7 for PENTAX
画像処理:MaxIm DL Essentials Edition , CS5

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<総感>

解像度は確かに高いですが、PC画面で見ている限りではあまり
メリットはありません。ただ、小さい星雲の拡大や球状星団には
効果が確認できます。
それよりも、赤い星雲の写りが明らかにK-5とは異なります。
実はコレが一番のメリットではないでしょうか。
PENTAXのカメラでは、K-rが一番赤に強かったのですが、
それを大きく凌駕しています。オマケに解像度番長なのですから
たまりませんねえ~。

冷却CCDと比べると、とにかく撮影が楽。
しかし、色の飽和耐性は冷却CCDには全く及びません。
これはどのデジイチでも同じことです。

以上、取り急ぎファーストライトのレポートをまとめました。

10月21日 拡大像等を追記。
       データを一部修正。


コメント (6)
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