宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

縮小コリメート法(その42)_全画面点像で撮ってはみたものの

2014-04-02 15:14:00 | 縮小コリメート法
それでは昨日の続きで、A=1.0mm(全画面均一ピント位置)で実写です。

M1 , ISO800_2X60s + ISO400_2X60s = 240sec Total


M81,M82 , ISO1600_4X60 = 240sec Total


確かに周辺まで点像に近くなってはいますが、
光量ムラがありすぎて画像処理が大変です。ここまで到達するのにも
時間がかかっています。労多くして実り少なし・・・本末転倒ですね。

処理をやっていても、画像自体がこんなレベルですから気合も入りません。
縮小コリメート撮影で画像処理負荷が重いなんてナンセンスです。
コンポジットもせいぜい4枚まで。出来れば1カット完結としたいですね。
ましてフラット画像まで撮る気力は湧いて来ません。
この辺りは個人差があると思われますが、私はやはりこっちの方が好きです。

          ↓

M106 , ISO1600_4X60 = 240sec Total ( A=3.8mm 全画面均一光量位置)


これは殆ど画像処理らしきことをやっていませんし、シェーディング補正も無しです。
何よりも撮影現場で均一フラットな画像がポンポン撮れるので精神衛生上も良いです。
ハンドリングの良さも最高で、縮小コリメート撮影法ここに極まれり!
って感じです。

全画面点像位置の場合、合成F1.4の光学系の難しさが顕著に現れます。
少しでもカメラが傾いていれば星像が伸びますし、中央集光スポットが右へ左へ
動き回って精神衛生上宜しくありません。”スケアリング”なんて単語が
頭をよぎります。ちっともお気楽ではありませんでした。
こんな撮影は、もうやらないでしょうね。

もうやらないだろうから、記念にM82をズームして気合撮り(爆)。

M82 , 11.8mmF2.0 , 合成F=3.33 , 合成焦点距離666mm , ISO1600_4X125s = 500sec Total


ぴんたんさんのFlatAideを使わせて頂きました。
元画像はコレ↓ですから・・・


まあ、これはコレで凄いっちゃースゴイ。
LX7で合成焦点距離666mmと言うことは、35mm換算で4.55倍で3030mmと言うことです。
焦点距離3030mmF3.33相当の光学系を90s赤道儀でノータッチトラッキングですよ。
でも、たぶん、もうやりません。

ここ数日で思ったことは、やはり空が暗い所へ出掛けて行って☆を見たい!
と言うことです。M106を20cmで見ると結構大きいのでビックリしますが、
悲しいかな、この夜空では感動ってもんがありません。
いつもは冷却CCDで気合撮り遠征ばかりですが、これは☆を楽しんでいると
言うより、機材やデータの仕上がり具合を楽しんでいる感じですね。

だから、

縮小コリメート撮影法やPanasonic DMC-LX7と言ったお気楽ツールが魅力的に
思えた訳です。LX7は、ハッキリ言って☆がスゲー写るコンデジです。
手の平に載ります。アイピースにチョン付け出来ます。
赤いのも結構写ります。250秒も露光でき、ダークも勝手に減算してくれます。

でも、

ここまでの道のりは長かったなあ~!

そろそろまとめましょうかね、縮小コリメート撮影法。

<共通データ>

撮影日時:2014/04/01~02 , 21:18:16~01:59:32
撮影場所:飯能市郊外の林道
シーイング:5/5
鏡筒:VC200L
アイピース:PHOTON32mm + LPS-P2
カメラ:Panasonic DMC-LX7 , 4.7mmF1.4開放端で使用
赤道儀:90sノータッチ・トラッキング

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縮小コリメート法(その41)_真の主点合致位置を採るか否か

2014-04-01 17:55:00 | 縮小コリメート法
アイピースの視野環がクッキリ写り、F8まで絞っても視野環像位置が
狭窄しない所が主点合致位置です。

ところが、VC200Lなど副鏡が大きい光学系ではチョット困ります。
F8に絞ると副鏡の影が真っ黒く写ってしまい、昼間の主点合致位置探し
が出来ないのです。全面真っ黒(爆)
そうなると全画面均一光量、かつ、視野環がクッキリ写る所が
主点合致位置ではないか?と思いたくなります。
実際に、今までの試写ではそのようにしたことが多いです。
真に主点合致位置にすると中央集光が激しく、例えばバラ星雲や
M31などは周辺が写りにくくなってしまうのです。
なので、わざと真の主点合致位置からやや引き出し、全面均一光量に
なる所で撮ることも多いです。

3月31日の裏山試写はまさにその典型で、A=3.8mmという位置で
撮っています。(Aはアダプターの引き出し距離)
A=0でレンズ間距離は2mmですから、レンズ間距離=5.8mmです。

では、山撮りテストで見てみましょう。

A=1.0mm(全画面均一ピント)


A=3.5mm(全画面均一光量)


さて、どちらが真の主点合致位置でしょうか?

いや、そんなことはどうでも良いのです。
理屈を知ってさえいれば、撮影する対象や気分によって選択すれば良いのです。
バラ星雲を撮りたければA=3.5mmで、系外銀河ならA=1.0mmで良いと思います。
次回はA=1.0mmで、全画面点像を目指した試写を行ってきます。


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