TATSURO SHIBUYA + ARCHITECTURE LANDSCAPE DESIGN STUDIO

アーキテクチュアは建築、ランドスケープは景観。風景を生かす建築環境デザインに取組んでいます。

耐震計算偽造について

2005-11-22 22:50:55 | 地域活動や学会活動などその他の活動
姉歯建築設計事務所の事件は、とても他人事ではありません。正直笑えない。。

多くの建築設計事務所では、構造設計や設備設計、(積算業務、外構設計)をそれぞれ専門の設計事務所に依頼する場合が多く、よほど組織の大きい設計事務所やゼネコンでもない限り、全部自分のところでやっているところはありません。

通常、建築の設計は様々な専門家がコラボレイトすることにより進められます。
設計者が分かれているため、打合せではけんかしたりもしますが、それが結果的によい建物につながっていくと私は信じています。
特に、構造設計は部材寸法や柱径などが、直接建物のプロポーションやデザインにつながってくるため、強度と意匠とがトレードオフとなることも否めません。
それだけに、よい構造設計者と仕事ができた時は、すごく勉強になるし、刺激になります。

これから現場が始まる建物でも、躯体や杭といった目に見えない部分にすごくお金がかかっています。でも、それは、決して省くことのできない部分だし、だからこそ、将来のことを考えて、スケルトン(躯体)の部分をしっかり作ろうと計画しています。

今回の事件は、(あくまで私見ですが)建築主(いわゆるデベ)や施工者が裏で画策していたとしか思えません。おそらく、はじめから姉歯建築設計事務所は、罪をなすりつけるための代役に過ぎなかったのでしょう。
こういうことをやっている事業者が世の中に少なくないことに、同業者として憤りを感じずにはいられません。

そして、一番怖いのは、公表された14棟ではなく、建築士法で保管義務のない過去5年以前に姉歯建築設計事務所によって、設計されたマンションです。
何も知らずに、多額の借金を背負って買ってしまった人のことを思うと、何としてでも、救済する方法を早急に考える必要があります。
まずは、姉歯建築設計事務所及びデベ、施工者が建設に関わった全ての建物を疑ってかかる必要があります。瑕疵担保責任とか、チマチマした事を言っている場合じゃありません。。
すぐに、全て調査・公表すべきですし、それをやるのは、国土交通大臣の責務と考えます。

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