TATSURO SHIBUYA + ARCHITECTURE LANDSCAPE DESIGN STUDIO

アーキテクチュアは建築、ランドスケープは景観。風景を生かす建築環境デザインに取組んでいます。

いかに環境になじませるか/CFD解析

2010-08-18 21:28:39 | *白鷹の家
「白鷹の家」の温度差換気のシミュレーション結果。
今回、CFDと呼ばれる数値流体力学による室内環境の可視化に挑戦しています。

設計段階で想定した風の流れが、実際に可視化されるとすごくわかりやすくなります。

上のイメージは無風状態での温度差換気の様子ですが、無風の設定でも温度差だけで、これだけの風がおきていることに驚きます。
向かって左側の南面から、吹抜けを介して、向かって右の北側へと空気が流れ、2階北側の窓から、空気を排出することで、2階の室温の上昇を抑えることができます。

白鷹の家は、斜面地に立地しているので、南面の全面開口からの自然通風と併せることで、動力を使わずに、パッシブな自然換気を実現しています。


シミュレーションには専門の解析ソフトを使うので、環境系の研究室の学生さんと協同しているのですが、改めて設備って、奥が深いし、面白いと思います。。
構造と一体となった建築は既に当たり前ですが、私たちは、設備と一体となった建築のあり方について、もっときちんと取組んでいかなくてはいけないと思います。


「いかに環境になじませるか(adapt)」が「環境」の時代の建築においては、重要なテーマだと私は思います。

これまでは、どちらかというと敷地の周辺環境とかコンテクストなど、ランドスケープ的なアプローチがとられてきましたが、これからは、建築自体をもっとやわらかくして、風や光にフィットするような建築設備っていうアプローチの方法も積極的に考えていきたいと考えています。

そして、そのときに大切なのは、建築任せのエコにならないことだと思います。
やはり、建築は「人が関わってなんぼ」のものですから。。




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