気象庁がネットで、歴代の暖冬記録を発表していないのは、多分に暖冬には主観が入るからだろう。確かに統計的に出す事は出来るし、どうもしているようだが一般に発表すると、私にとっては寒かったとか言われかねないのだろう。また統計処理だから、平年値より高めにずれた乖離率の平均が高いとかと言われても、なんのこっちゃとなる。
そこで自分で算出してみようと考えるのだが、いくら何でも統計手法を使いこなすほどの自信は無い。おまけに面倒だ。そこで過去の月ごとの平均気温から、前年の12月と1~3月までの平均を取ってみた。実は気象庁で言う寒候期は10月~3月で、この範囲で見ると広すぎる。かといって気象庁の言う所の冬は12月から2月で、これはこれで正しいが、東北だとしっくりこないので、12月~3月の範囲で見たのが上の表だ。
とはいってもこれだけで暖冬かどうかは判断しにくい。そこで12月~2月の平均も取ってみた。すると49、07、89、79、93年と並ぶ。更に平均値だけではなくて、月の平均値も見てみると12月が暖かかったので平均値が高くなったような年もある。
これらを勘案し、1位は1949年。2位は2007年。4ヶ月平均気温が0度以上だった。
3位は1989年。1月の平均が-0.3度だった。4位は1993年で1月の平均が-0.5度で、2月の平均気温が0.1度だった。5位は1973年で1月の平均が-0.5度で、2月の平均気温が0度だった。
さてそれでは検証してゆく、
それでは5位の1973年の気温変化。気温の乱高下が激しい年だった。最低気温が-10.5度の日がある。これが盛岡、と言った感じ。
さて積雪量と平均気温を並べてみました。寒いから雪が降るという訳ではないのが解ります。降ってもすぐに溶けてしまっているのでしょう。
4位の1993年です。なんというか、3月に-10.3度があるのがすごいです。2月に最高気温が11.9度もあります。この年は別格です。記憶にあるのは、確か5月2日か3日に雪が降って積もった事です。この年は別に書かなければ行けません。
この年は暖冬の割に雪が降っている日が多かったようです。降っては溶けてが延々と繰り返されているようです。
3位の1989年です。前のグラフに比べると、緩やかにへこんでいるのが見えます。1月に-11.4と11.1度の日があります。最高気温が11度の日もあります。ジェットコースターのような気温変化です。3月からの気温の回復が急なのも特徴なようです。
さてそれでは積雪変化です。雪がとっても少ない年だったようです。少ない降雪が、降ってすぐに溶けると行った年のようです。
2位の2007年です。氷点下10度以下が無いのが特徴です。おまけに4ヶ月のはっきりとした気温変化が見えません。前に85年のデータを出しましたが、冬の気温変化は窪むのが普通です。それが明瞭に無い。73・93年もにたような傾向にありましたが、07でははっきりと出ています。
降雪ですが、やはり小雪の年です。2月の末にドカ雪が降っていますが、気温が高いのであっという間に消えてしまいました。平均気温を抜き出していますが、フラットな感じが何ともイヤな感じです。
実は1位の1949年の細かいデーターがありません。なので比較出来ないのですが、多分07と同じような傾向かと思います。
比較のために、平年最高気温と85年の気温を加えています。ゴチャゴチャしているのですが、大体順位通りの並び日なっているようです。
平均気温で見ます。平年平均気温のカーブでちょっと紛らわしくなっていますが暖冬順位が上がるとカーブにそわなくなっているようにも見えます。
最低気温の比較です。07と93年の挙動が怪しい感じがします。以外とカーブにあった変化のようにも思えます。
さてネチネチと暖冬の順位を考えてきました。ただやっぱり、-10度以下が二日あるのは暖冬とは言えないという意見もあるでしょう。もしかすると平均気温が低いのに、突出して暖かい日が続いた年とか、逆に全体では暖かいのに、突出して寒い日が続いたとか、そういったニュアンスもあったりすると思います。
ただ私でも解るのは、07年は異常だという事です。