どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

福島大学と岩手大学の受験倍率

2012-02-12 03:09:12 | インポート
震災と福島原発問題で、東北の大学を志願する受験生が減るのではないのかと言われていた。
比較のためには、福島・宮城・岩手の国公立系と私学も見なければ行けないのだろうが、サンプルとしてこの二つの大学を見てみた。
国立系であり、地方大学でもある。
昨年度の比較から言えば、岩手大学は横ばいから微増、全体では0.5の増加だ。前期だけ見ても0.2の増加農学部の前期0.4の増加が目立つ。となりの大学なので細かく見たが、この数年の状況からすると健闘ぶりが見える。
それでは福島大なのだが、明らかにワンポイント増加。前期後期あわせた倍率は、人文社会科学群で昨年度4.3から5.2に増加、共生システム理工学類でも4.5から5.6に増加している。ただし後期受験倍率がとても高いので、こうなっているかと言えばそうでもない。人文社会科学群の経済経営学類は前期で0.9増加している。共生システム理工学類は前期で1.0の増加だ。これは、この少子化の中ではかなりの増加になっている。
ただ旧教育学部の人間発達文化学がほとんどの専攻でポイントを下げているのだが、なぜかこの中のスポーツ・芸術創造専攻・体育の倍率が8.1倍と昨年度の倍近く上昇している。
もしも福島の放射能の事を考えれば、屋外での活動でさんざん埃を吸うこの専攻が嫌われてもおかしくない。この専攻だけは誰も行かないだろうと思っていたら、全く逆の結果。さすが陸上女子インカレ常連校である。
基本的に、両校とも大穴と見られていたフシはある。それがこの結果になったのかもしれない。ただ福島の場合、受験生が未来を考えて経済経営学類や共生システム理工学類を選んだと思う。逆に原発問題で子供が減少している状況で、教育系の人間発達文化学が避けられたとも考えられる。
さてここで、福島県立医科大学を見てみます。震災報道で一番バッシングされた大学です。
医学部では前年度と比べて、一般入試が前期で0.7ダウンしています。後期は逆に2.9増加しています。看護学部は前期が0.6ダウン、後期が2.1アップです
これをどう見るかと言えば、やはり人気が落ちたという事でしょう。ただそれでも滑りどめだけど福島の現状に興味を持つ学生は多いと言えるかもしれません。
この医学部なのですが、来年度から地域枠というものを作りました。奨学金付きで、福島県での医療につく事が条件です。この倍率が前期のみで11.8倍です。将来が楽しみです。


実はここからが大切な事なのですが、合格しても辞退者がどの程度出るのか。とりあえず今は、大学入試に風評被害が無かったと言えます。むしろ福島大学のように、地域と学ぼうという感じも受け止められます。
しかし入学金を捨ててでも、他校を選ぶ学生はいると思います。選ばざるを得なくなってしまう事もあると思います。合格したからこその贅沢な悩みなのですが、そこに風評が大きく影響する事は確かでしょう。