かなり前にどこの記事か忘れたが、人間は高度なコミュニケーションが必要になった大昔、しかも縄文時代のような半農狩猟時代から、不正に対する嫌悪感がDNAのようにあるという。嘘もその中には入るが、不正に関しては本能的に反応してしまうという。比較的少人数の狩猟時代の公正な分配から、農業が定着してからの大家族的なものからもっと大きな単位になってから、さらに強化された。
その不正への反応は人類共通であり、それが現在の混乱を生んでいるという。
とんでも説ではあるが、説得力もある。だがその不満がなぜ今世界中で爆発しているのかと言えば、実際のところ理由はバラバラで、人類共通なはずなのになぜ不正を犯す人は、それを罪と思わないのか、彼らは宇宙人なのかとも思うが、なかなか説明しにくい。
ただこれがインターネットの普及によるものと考えれば、簡単なのだろう。これはかなり古くから言われていることだ。情報が広く伝わることで、今まであまり見えなかった金持ち達の生活が見えてしまった。彼らの邸宅はいくらで、彼らのあの服はいくらで、それが見えてしまった。そうすると当然、なんであんなにお金を稼げるのかがわからなくなる。IT長者はまだわかりやすい。天才でありバクチうちだからだ。そして彼らの生活はひどくかけ離れていないように見える。実は違うのだが、服が普通なのだ。正確には違うのだ。アップルのスティーブ・ジョブスはミヤケ・イッセイのタートルネックのセーターを好んだ。そんなには高くはない。だが彼は気に入ったから100枚以上まとめて買った。そういった変なところがある。
だがそうではない、よくあるセレブの発信はどう見えるのか?
アラブの春は、自由な表現がネットからなだれ込んだことで、もともとあった不正への不満が、この場合かなり複雑な、宗教対立や部族対立も含めて、噴出したとも言える。そのせいか、ISがネット利用を重視するのは、その時のインパクトなのかもしれない。
圧政が不正だと思うのは、意外と高度な話だと思う。やはり比較対照できる事例がないとわかりにくいだろう。ネットはそれを提供した。
ただここで考えたいのは、IT系のトップエリートの考えているのは、新しい世界の創造なのだ。ヒッピー文化の極地の世界なのだ。天才が徹底的に自由に生きられる世界、全てが解放された世界だ。その彼らの影響で不正に対する不満が世界中で広まったとすれば、つまり一般市民に武器を与えたとすれば、今ある現象は序盤戦でしかないのかもしれない。
ただ、不正のない社会というのが想像できないので、この新しいマルクス主義はどうにも宗教のように見えてしまう。
溢れた情報が量産系女子を生み出したように、今後は情報を制御するためにAIが重要になる。これは間違いがないだろう。人は今ある情報を制御できなくなっている。これが原因で人の不正検知DNAを発動させている可能性は、ないわけではない。
ネットで人をどう誘導するのかというのをアーキテクチャーといっているが、その考えを現実世界に出してみようかという考えも出ている。今ある法も法制も、その考えで再構築されるべきだという考えだ。
AIによりそれが精緻になり、人の不満なども誘導されてゆくのではないのだろうか。
手始めに自動車の高速道の自動運転から始まるだろう。交通事故撲滅の最も有効な手段だ。そしてドライバーの過重労働も激減させられる。そしてそのために標識システムから白線から全てが微妙に変わるのだろう。実はこれはもうすぐくる。
トランプさんの支持率が若干上がったという。ということでやっぱり楽しいネタを。メキシコ国境の壁は太陽光パネルになるという。
「ユニークなことを考えている。南の国境についてだが、日光が降り注ぎ、暑い場所でしょう。建設する壁を太光発電の壁にすることを考えている。それでエネルギーが作られるし、費用も賄える。それにこれなら、メキシコが払わなくちゃいけないお金はずっと減る。いいことでしょう?」
このアイディアはすでに壁の設計案の募集した中にあるのだが、それを自分のアイディアだというのもどうかと思うが、悪くはない。だがあのパネルは簡単に壊れるのだな。
事業的に考えれば壁そのものが太陽光パネルというのは、赤道に近いメキシコ国境では効率が悪い。なので角度をつけないといけない。しかもその角度が浅い。壁の高さが5メーターとして最大の高さが、パネルの角度が多分20度以下だと思う。
上まで行ったら歩けるよな。そしていろんな方法で登ってゆこうとする人たちからみれば、太陽光パネルの意味がない。なのでかなり壊されるだろうな。むしろどんな高さになっても積極的に壊しにゆくだろう。
その前に太陽光パネルのメンテナンスのために、メキシコ人を雇うのだろうか。
まあもう少しすればもっとすごいアイディアを出すはずだ。太陽光パネルに覆われた、国境沿いの高速鉄道とかね。
で、これも募集された中にあるのだな。