鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.409 (鶴岡市介護保険事業計画等策定懇話会 第2回)

2014-10-23 11:50:42 | 日記
2014年10月22日 15:00~ 出羽庄内国際村 国際村ホール


第2回目となる鶴岡市介護保険事業計画等策定懇話会です。

来年度から第6期介護保険事業が始まることから、市は事業計画を策定しているところですが、本懇話会の目的は、計画策定にあたり、有識者、関係各位から意見を聴取し、適切な計画策定を支援することにあります。さらに進む超高齢社会なか、地域包括ケアシステム実現のための重要な計画になると認識しています。

さて、今回は今回は市から以下の説明があり、委員から意見聴取しました。


1)国の動向と制度改正について

地域包括ケアシステムの実現を目指し、在宅医療介護連携などの取り組みの本格化

2)予防給付の見直しについて

・予防給付(予防訪問介護、通所介護)から地域支援サービス(総合事業)への移行
・負担の見直し 一定以上の所得者(160万):2割へ
・特定入所者介護者サービス費の見直し
・特養入所者を原則要介護度3以上に限定 現在5.6%が2以下
・公費による保険料軽減の強化


3)第6期計画の方向性について

基本理念:高齢者がいきいきと暮らし続けられる地域社会の実現

地域包括ケアシステムの構築:5本柱
 ・介護サービスの充実・強化
 ・在宅医療と介護の連携
 ・介護予防の推進
 ・日常生活支援する体制の整備
 ・住まいの安定的な確保

総合事業(要望給付の見直し)の方向性
 平成29年4月実施としたい

4)日常圏域ニーズ調査について

鶴岡市在住の高齢者6000名を対象とした調査票によるニーズ調査
調査内容:日ごろの生活や健康・介護に関する実態など
回答率:76.4%

ニーズ調査まとめ


以下、委員からの意見

・過疎地での医療サービスが低下しているのではないか?

・地域支援サービスなどに「ボランティア」という文言が多くみられるが、「ボランティア」の意味を知っているのか?市においてはボランティア活動の研修を受けて欲しい。人材を育成して欲しい。
因みに、ボランティアの4原則は、1)自主性、2)原則無償、3)社会性、4)創造性

・次期計画では、サービスの低下が懸念される

・介護サービス費の見直しにおける、預貯金の把握はどのような方法によるのか

・今後のサービス基盤をどのように構築・整備していくのか

・総合事業における民間による多様なサービスだが、山間部などでは、受けられるサービスが限定される。多様なサービスの均衡をどうするのか。

・総合事業における基準緩和したサービスとは具体的にどういうサービスを指すのか?

・鶴岡で独自性を発揮できる計画は、地域での支え合い、見守りではないか。交流サロン、老人クラブなどの活性化が必要だが、リーダー(担い手)がいないのが課題であり、なんらかの仕掛けが必要。60歳台の活用と集まる場所として空き家の活用を提言したい。

・地域包括ケアシステムを持続可能とするためには、民生員の力を強めることや生活支援コーディネーターの育成が必要ではないか。それには地域アセスメントが必要。訪問支援など保健師を活用してはどうか。

・地域社会の見守り活動などには、リーダーの力が大きい。個人情報保護法が障害になっている。

・世帯数により地域力が異なる。適正な町内会の再構成が必要ではないか。

・民生員、責任が重く、大変な仕事である。(引き受け手が少ない)

<コメント>

意見の多くが、「まちづくり」という視点に集中しました。介護保健事業においては、介護サービスの充実も必要ですが、一方で、市民から自発的に支え合い、助け合いの地域づくりという意見が多く聞かれたことは、鶴岡の地域力を再認識するとともに、大変心強くも感じました。

限られた財源のなか、地域包括ケアシステムは、ボランティアを含む互助なくしては機能しません。自分たちの地域は、自分たちで守るというという互助の精神がより発揮しやすい介護計画になるよう期待したいと思いました。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

No.408 (鶴岡市介護保険運営協議会および地域包括支援センター運営協議会)

2014-10-23 09:56:48 | 日記
10月22日、13:00 出羽庄内国際村

介護保険および地域包括支援センターの円滑な運営を図るために設置された協議会で、委員は老人クラブ連合会、連合山形鶴岡田川地区協議会、鶴岡地区医師会、歯科医師会、民生児童委員協議会連合会、社会福祉協議会、東北公益大学、特養の施設長、公募委員の代表、計14名からなります。


議題

1)平成25年度地域包括支援センターの運営状況と平成26年度地域包括支援センター運営方針等について

2)地域包括支援センターの包括支援事業の実施に係る基準を定める条例の骨子案について


3)地域包括支援センター担当区域の見直しについて


以上につき、鶴岡市から報告、説明があり、委員からさまざま意見が出されました。

・地域包括支援センターの業務は年々増加しているし、今後も増えていくことが予想されるが、人員の配置増など市はどのような対応を考えているのか。

・虐待の通報者として、ケアマナジャーがほとんどであるが、ヘルパーや家族が通報することはないのか

・地域包括支援センターのケアマネ、事業所のケアマネ、それぞれの機能の違いがよく分からない。

・今後は食べることとが重要であり、歯科医師も積極的に関与したい

・今の地域ケア会議は、個別事例の検討に終わっているが、事例を増やし、多職種を交えたより高い次元で、ケアプランを検証する会議が必要なのではないか。

・地域の支え合い、見守りなどの地域活動は、地域差が大きい。守秘義務が障害になっている例もある。

・地域包括ケアシステムは、高齢者だけを対象としてはいない。生活支援コーディネーターを育成し、市が地域支援事業として、各地域に積極的に関与する必要があるのではないか。

・3)の市が直営のセンターを廃止することに関して、市の本気度が不足しているのではないか。市は、委託先の包括支援センターに対しどのような役割りを果たしていくのか?受託した側としても、繰入しないと運営できない状況にある。財政的な裏付けを示すべきではないか。

以下、私見。

地域包括支援センターは、地域包括ケアシステムの要となる組織(部署)で、人口3000-6000人に対して、保健師1名、社会福祉士あるいはそれに準じる者1名、ケアマネあるいはそれに準じるもの1名が配置されています。事業としては、1)介護予防マネジメント事業、2)総合相談・支援事業、3)権利擁護業務、4)包括的・継続的マネジメント支援業務と極めて広範な業務を担っています。地域包括支援センターは地域に密着するかたちで、さまざまな相談への対応や認知症などを含む困難事例への対応、地域のネットワークづくりなどそれなりの役割を果たしていると思っています。

しかし、一方で、地域包括ケアシステムの要として機能するためには、医療・介護連携を含む地域のケアマネジメントを地域ケア会議などを通して統括する必要があるわけですが、そこまでの機能を今の包括支援センターに求めるのは今の人材や人員配置ではとても無理と思われます。地域包括ケアシステムを統括する部署、人材の育成は喫緊の課題ではないかと考えます。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする