鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

庄内医師集談会 第33回

2014-12-01 09:57:43 | 日記


第33回庄内医師集談会
11月30日(日)13:00~17:00
ガーデンパレスみずほ 

参加者は30名程度だと思われますが、酒田の先生が圧倒的に多く参加されていま
した。演題数はトータルで18題でしたが、酒田からが14題、鶴岡からは4題と北
高南低の会でした。

全部の演題を聴きましたが、思っていた以上に面白かったです。同じ医療圏のな
かで、さまざまな立場の医師たちがそれぞれの成果や経験を発表し、それを共有
する場としての庄内医師集談会には大きな意義があるんだな~と再認識しました。

惜しむらくは、参加者が少ないことです。医療を実践しているわれわれににとっ
て、地域の医療の現状を知る上でも、大変面白く、勉強になる会だと思います。
来年度は11月29日、鶴岡で行われます、多くの皆さんの参加を期待したいと思います。


第33回庄内医師集談会

あいさつ (酒田地区医師会十全堂 栗谷会長)
 33年という長い歴史
 地域包括ケアなどを含む多様なテーマを扱う
 庄内は、流出が少なく地域完結型医療の実践地域
 相互の交流を深める会であること願う

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1、当センターにおけるがん検診について
  過去15年間の統計的観察
 荘内地区健康管理センター 鈴木伸夫 氏

 荘内健康管理センターにおけるがん検診の分析
 
2、急性大動脈解離は、一般診療所にも歩いて来院することがある
 ほんまクリニック 本間健太郎 氏

 大動脈解離は、地雷疾患のひとつ
 外来で診断がつかないことも多い。
 突然の背部痛は大動脈解離を疑う、診断はCT

3、インフルエンザ感染後、激症型心筋炎を疑った1例
 酒井醫院 酒井朋久 氏

 インフルエンザで初発、ショック症状、LOS
日本海病院へ救急搬送した

4、PCPS(経皮的心肺補助)にて救命した激症型心筋炎の1例
 日本海総合病院 循環器内科 豊島 拓 氏

 表記3の症例、
 最終診断:インフルエンザによる激症型心筋炎
 PCPS(心臓、肺の補助、体温調節)などの治療で救命できた
 早期診断と究極の病診連携で救命し得た1例

5、発熱を膿尿を契機に受診し、留膿腫を伴った腟閉鎖の診断に至った1女児例
 日本海病院 小児科 篠崎 敏行 氏

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6、トルパブタンを投与し腹水が軽快した非代償性肝硬変の一例
 日本海総合病院 鈴木義弘 氏

 トルパブタン うっ血性心不全薬 水利尿剤
 患者、アルコール性(1日ウイスキー1本)非代償性肝硬変、
 腹水、陰嚢水腫などの症状で入退院を繰り返す
 トルパブタン投与で、外来管理が可能となった
 医療費が、23万円/月 から 75000円へ、医療経済的にも有効であった

7、胃内分泌細胞癌の1例
 鶴岡市立荘内病院 外科 松延 武彦 氏

 胃内分泌細胞癌、胃がんとして稀
 予後は不良 早期に肝転移をきたしやすい
 全摘、リンパ節郭清後、化学療法施行中

8、アイサキスアレルギーと思われた症例
 酒井醫院 酒井朋久 氏

 (以前からじんま疹)、魚を食べると腹痛、冷汗
 アニサキスIgE抗体が軽度陽性のことからアニサキスアレルギーを疑う

9、当院における腹部外傷手術の現状
 日本海総合病院 外科 鈴木 克之 氏

 腹部外傷 21例(外科で手術した症例) 全手術数の1%程度

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10、難治性肩関節拘縮に対する関節鏡視下手術
 鶴岡協立病院 整形外科 北本 亮一 氏

 肩関節周囲炎は、通常は治るが、痛みが強いなどの事例では手術適応となる
 手術成績は良好
 高齢者、非高齢者で 比較したが、差がなかった

11、高齢者三叉神経痛症例に対する微小血管減圧術
 庄内余目病院 脳神経外科 伊崎堅志 氏

 特発性三叉神経痛などに対して微小血管減圧術を行っている
 治癒率 70-85%

12、薬物乱用頭痛、その後
 くろき脳神経クリニック 黒木 亮 氏

 薬物乱用頭痛(鎮痛剤の乱用による頭痛)、頭痛全体の2.5%
 ダイアリーをつけるなど患者教育が重要
 予防薬(デパケン)などを積極的に利用すべき

13、無床診療所における脳ドックの経験
 とくに未破裂脳動脈瘤の医療連携について
 くろき脳神経クリニック 黒木 亮 氏

 適応 15例中11例に根治術(病院へ紹介し)を施行した
 破裂、死亡例はない
 同一医療機関でフォローアップすることに意義がある
 ちょうかいネットを活用(おもに画像)し、患者への説明などに利用

14、庄内地域のグループホームにおけるBPSDへの対応状況
 山容病院 小林和人 氏

 グループホームに対象に、認知症に関するアンケート調査を行った(回収率50%程度)
 山容病院では、グループホームに出向いて研修会などを行ってきた
 認知症に関する相談相手、患者家族>医師>看護師
 家族の理解が深まると、ケアなどが広がる

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15、日常診療に役立っているツール
 阿部内科胃腸科医院 阿部 正和 氏

 ベットわきのマット、杖置き、点滴のフッカー、真菌の簡易検査器、
 携帯型エコーなどを在宅医療など診療の場で活用している

16、皮膚科におけるボトックス注の使用経験
 鶴岡協立病院 皮膚科 真家 輿隆 氏

 ボトックス注=ボツリヌス毒素、
 対象:痙縮による褥創、擦過傷、介護困難、カンジダ症、間擦疹
 ボトックス注により、痙縮、拘縮の改善がみられた

17、新たな地域産業保健センターの業務と課題
 医療法人 健友会 本間病院 菅原 保 氏

 地域産業保健センターの役割や制度の変遷、現状、課題などについて解説

18、当院における前立腺地域連携パス
 日本海総合病院 泌尿器科 山辺 拓也 氏

 4病院30診療所が参加し、2つの地域連携パスを運用
 ・PAS経過観察パス PASが一定の値になったら病院紹介 44例
 ・内分泌療法パス 年1回、病院へ、循環型 11例

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ドクターヘリの基礎知識
 日本海総合病院 救急科 緑川新一 氏

1)ドクターヘリとは、2)安全、3)災害とドクターヘリについて、動画を交
えて分かりやすく解説。
国際的にはHEMSと呼ぶのが一般的
全国36か所、43機
ドクターヘリの意義は、搬送時間短縮というよりは、装備を含む救急対応チーム
を現場になるべく早く送ることにある。
ドクターヘリの飛行中は救急処置はほとんどできない。「空飛ぶ救急センター」
ではない。
航空法のしばりがあり、出動要請は、消防が行う


閉会あいさつ(鶴岡地区医師 三原会長)

 地域完結型医療を実践する地域において、さまざまな立場の人が一堂に介し、
それぞれの分野で事例などを発表すること場として本会は大変意義深い。因みに、
今回の発表は、診療所から6例、病院から11例、健診センターから1例、また、内
容的には、症例報告6例、治療に関する報告5例、地域連携パス1例、産業保健1例、
検診データ1例、その他であった。懇親会でなお絆を深めて頂きたい。

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