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医師会勉強会
演題:明日からできる頸動脈エコー
~基本的走査法から医療連携(治療)具体例まで~
演者:(株)PDS 代表 澁谷一敬 氏
日時:2015年8月19日 19:00~
会場:医師会講堂
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今回の医師会勉強会は、講師自身に興味をもちました。
というのも、地元櫛引出身ということ(鶴岡市議会議長のご子息、長島先生のご子息と親友)もありますが、国際医療福祉大学~大学院を卒業後、診療放射線技師、認定超音波検査士資格を取得、私の母校でもある東京慈恵会医科大学第3病院で放射線技師として先進的な仕事をした後、病院で培った放射線技師、超音波検査士としてのスキルを医療の現場に生かしたいと一念発起し、3年前にPDSという会社を起業したという、なかなかに志の高い、頼もしい若者と感じたからです。
放射線技師が起業するという例は、私は聞いたことがありません。さまざまな職種がそれぞれの専門性を生かし、協働しながらより質の高い医療を提供することが求められている時代のなかで、地域連携のチームとしては、あまり参画する機会が少なかった、放射線や超音波技師には、もっと活躍してもらいたいと思っていましたので、その意味でも心強く感じました。
講演の内容は、頚動脈エコー検査の目的、適応、検査の進め方、読影手技、読影法などを数多くの画像を用いて、詳細に説明頂きました。すでに頚動脈エコーをやられている先生、これからやってもみようと思っている先生には有益な講演であったのではと思います。私自身、頚動脈エコーについては、ほんど知識がありませんでしたので、大変勉強になりました。
以下講義メモ(参考まで)
97年に国際医療福祉大学を卒業(2005-2007年大学院)
診療放射線技師、認定超音波検査士
慈恵医大勤務後、PDS設立
超音波診断で病気の視える化を目指し、㈱PDSを立ち上げる
頸動脈エコー
3つのガイドラインがあり、混乱がある
検査の目的
1、動脈硬化の進行度チェック
2、頸動脈高度狭窄症例のピックアップ
CEA,CASの適応疾患を拾い上げる
検査の適応1
生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満)
検査の適応2
脳卒中の既往、心筋梗塞の既往、CAVI・ABIで異常値
めまい、ふらつき など
病気や検査への理解推進
予約管理で定期来院を実現
なぜ頸動脈か
表在性で観察しやすい、
脳直前の血管
血管壁の厚さの計測で、動脈硬化を予測
プラークの検出
検査の体位
枕の位置、顎の挙上、服装
検査の手順
*STEP1
プラークなし
1)Bモード、
2)ドプラモード、
3)Mean-IMT,
4)EDratio算出
*STEP2
プラークあり
5)プラーク評価
・最大プラーク厚(Max-IMT)、
・表面性状(平滑、壁不整、潰瘍)、
・エコーレベル
エコー輝度:高輝度、等輝度、低輝度、
プラーク性状:石灰化、線維性非区尾、粥腫、血栓)、
・可動性(Jellyfish sign)、
・均一性
*STEP3
高度狭窄
6)狭窄率の算出(%)
7)収縮期最高血流速度(cm/s)
プラークとは、IMT(内膜、中膜)を含み1.1mmを超える部分
→今後この定義は変更になる可能性大
IMT:年齢と共に厚くなる
オートIMT
プラークに対する治療
CEA(頸動脈内膜剥離術)
CAS(頸動脈ステンド留置術)
狭窄率の計算法には3つあるが、課題も多い
Area stenosis(%)
NASCET(%)
ECST (%)
狭窄の程度で二次医療機関へ紹介、精密検査(MRI)
甲状腺も同時にスクリーニング
10人に3人に腫瘤が検出 かなりの頻度で甲状腺癌がみつかる
甲状腺結節超音波診断基準案