鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.604 (庄内プロジェクト活動報告会)

2016-03-04 10:58:20 | 日記


平成27年度 庄内プロジェクト活動報告会
日時:平成28年2月27日 16:30~18:30
場所:荘内病院 講堂

庄内プロジェクトは、2007年にその活動を開始していますので、来年度で10年目を迎えます。庄内プロジェクトが当地区の在宅緩和ケアの進展に与えた影響は、誰もが認めるところですが、近年その活動が多様化かつマンネリ化し、当初の目的が曖昧になってきているのではという指摘があります。とくに、連携WGの活動は、緩和ケアの普及というよりは、地域包括ケア、在宅医療、多職種協働を目指したものであり、庄内プロジェクトとは別の枠組みで活動する方が、むしろ庄内プロジェクトの目的を明確にするためにも相応しいのではという考えもあります。

そのような背景もあり、今年の活動報告会は、「庄内プロジェクトのこれからを考える」というシンポジウムを企画し、庄内プロジェクトは今後どうあるべきかをテーマに、シンポジストと参加者とで意見交換しました。

まずは、私から基調講演として「医療連携に関する組織のあり方と今後の展望」と題して、当地区における医療連携の歴史と多様な活動を紹介し、今後の組織のあり方の具体例をいくつか紹介しました。

次いで、各WGから、それぞれが抱える課題を挙げてもらいました。サポートセンターからは、「確かにマンネリ化しているし、サポートセンターの活動は緩和ケア普及の本当に貢献しているのか疑問に感じることもある」。医療者教育WGからは、「研修会等への参加者が相変わらず限られる。」市民啓発WGからは、「市民公開講座については、今後も続けていくべきか、あるいは別のかたちにしていくべきか考える余地はある」。地域連携WGからは、「職種毎に活動しているが、全体としての目標が明確でなく、ばらばらに活動している印象を受ける」との指摘がありました。

これらを受けて、会場からは、

市民啓発に関して、例えばケアカフェのような、住民が主体的に参加する仕組みとしてはどうか。
終末期医療としての緩和ケアだけではなく、予防や新しい治療もテーマにしてはどうか。
退院前カンファレンスは減少しているが、在宅緩和の患者が減っているわけではない。かかりつけ医との連携が進み、あえてカンファレンスを開く必要がなくなっただけ。
一方で、庄内病院からのがん患者の在宅移行例が増えているわけではない。また、紹介先の医師も限定している。
庄内プロジェクトの活動で、在宅での介護職を含む多職種連携がとても円滑になったし、レベルも上がった。
緩和ケアのスキル、マインドは、看取りをする上でも不可欠。その意味でも、緩和ケアの普及は重要。
知らない人にとって、庄内プロジェクトという名称からは、何を目指している活動なのかさっぱり分からない。

など、多くの前向きな意見を頂きました。
今後、コアメンバー会議などで、具体的な議論をしていきたいと考えています。

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庄内プロジェクト活動報告会

第1部 ~各WGの活動報告~

1、緩和ケアサポートセンター鶴岡・三川 渡部 文子
2、医療者教育WG  鈴木 聡
3、市民啓発WG  土田 兼史
4、地域連携WG 篠田 太朗

第2部 特別シンポジウム
「庄内プロジェクトのこれからを考える」
 コーディネーター:三原一郎、瀬尾利加子

基調講演「医療連携に関する組織のあり方と今後の展望」

シンポジスト
 緩和ケアサポートセンター鶴岡・三川 富樫 清
 医療者教育WG           鈴木 聡
 市民啓発WG            土田 兼史
 地域連携WG            篠田 太朗


懇親会



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