鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

鶴岡市介護保険適正推進事業研修会

2016-09-26 10:36:57 | 日記


鶴岡市主催の介護保険関連の研修会。

今回は、地域包括ケアのモデルともなった和光市の東内氏をお呼びしての講演でした。

東内氏は、介護保険~地域包括ケアの分野では超有名な人で、私は何度か講演を聴いていますし、和光まで視察に行ったこともあります。

理にかなった手法と熱意、そしてその成果には感銘を禁じ得ません。

なお、和光市の視察報告は以下のブログにあります。
(東内氏もこのブログを読んだらしく、よくまとまっていると褒めて頂きました\(^O^)/)

和光市視察報告1

和光市視察報告2

講演冒頭でも話していましたが、”東内”だからできる、(高齢化率の低い)和光市だからできる、のではなく、きちんと地域を分析し、各種サービスをマネジメントし、人材を育成することで、和光市と同じような成果はどこでも挙げることができる、ということをしっかりと銘記すべきと思いました。

和光市の成果:例えば、

要介護認定率(要介護認定者/65歳以上の人口)は、鶴岡は、20.9%、和光市は、9.3% 

介護保険料基準額は、鶴岡6242円、和光市4228円

80歳から89歳までの要介護認定率は、全国の50%に対し、和光市は34.1%

これが何を意味しているかといえば、

和光市では、介護保険料が低い(市民負担が低い)にも関わらず、元気な高齢者が多いということ。

すなわち、効率的な介護予防ができているということです。

<東内氏が定義する地域包括ケアシステム>
高齢社会においては、介護保険サービス、医療保険サービスのみならず、見守りなどのさまざまな生活支援や成年後見等の権利擁護、住居の保証、低所得者への支援などさまざまな支援が切れ目なく提供されることが必要。地域包括ケアシステムとは、これらさまざまなサービスをを有機的、包括的、さらには継続的に繋いでいく仕組み(包括的ケアマネジメント)のこと。

<マクロ(行政サイド)の計画策定>
 ・徹底したニーズ調査(全戸)
 ・課題の視える化
 ・政策への落とし込み(基本方針~和光市長寿あんしんグランドデザイン)
   市独自の特別給付、地域支援事業、日常生活支援総合事業など

<ミクロ(現場サイド)のマネジメント支援>
 ・介護保険法の本質理解
 ・和光市コミュニティケア会議
  -自立支援に資する高齢者に対するケアプランの調整・支援
  -効果的ケアマネジメントの質の向上(給付適正化効果)
  -職員、ケアマネ、サービス事業者などへのOJTによる専門性の向上(人材育成)
  -他制度・多職種によるチームケアの編成支援

<的確なマネジメントから評価まで>
 ・アセスメント(課題抽出)
  -「一人で掃除ができない」という状況から「膝関節痛」という個人因子や「独居」という環境因子を抽出
  -「掃除機がけの動作が自立できる」という目標
 ・プラニング(課題解決に向けたサービスの検討)
  -「何をして目標達成させるのか?」という通所・訪問介護の個別計画支援内容を作成
 ・チームケア(チームケアの編成)
  -チームで課題・問題点の共有
  -サービス介入チームや声かけ、見守りチームを編成し役割を明確化
 ・モニタリング(アウトカムを重視した評価)
  -モニタリング管理「掃除がけの動作がじりつできたのか」
  -評価後、達成できない時は何が原因で達成できなかったのかを追及



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