「日本医師会の医療政策」
日本医師会会長 横倉義武 先生
日時:平成27年29年3月4日
1、社会保障と経済成長
1990年 バブル崩壊後 歳出↑ 税収↓
一方で、国民医療費は伸び続けている
政府の資産 672兆
企業利益剰余金(内部留保) 378兆 を賃金上昇へ
家計資産1752兆
社会保障が充実すれば、これら資産が市場へ回ることが期待できる
消費増税 の見送り、アベノミクスの成果で補う → 難しいのではないか
日本医師会の政策判断基準
・国民の安全な医療に資するか政策か
・国民皆保険の堅持ができる政策か
国民医療費:推計より低い伸びで推移している
理由:入院単価、入院患者数、病床利用率低下、長期投与など、
国民医療費の財源
12%自助、40%公助、48%保険料
日医の主張:保険料を10%(協会けんぽの料率)まで上げられないか?、
1兆円の増収、負担の平等 ←経団連が反対
時代に即した改革、
財政主導ではなく、過不足のない医療提供ができる医療
例えば、 糖尿病の重症化予防、COPD,
社会的共通資本としての医療制度
社会的基準は、医療にかかわる職業的規律・倫理に反するものではあってはならない
社会保障がもつ経済的効果
社会保障と経済は相互関係
社会保障が継続成長を支える
老後の不安を社会保障が解消
→社会保障の充実による国民不安の解消
2、平成30年度同時改定に向けて
政府の方針:社会保障の伸びを3年で1.5兆とする、 年間:5000億
2016年度7200億、2017年6400億 だったが、さまざまな見直しで 自然増5000億に収めた、
同時改定に向けて
医療機関の費用構造の推移
人件費が減少傾向、一方で、医薬品・医療材料が増えている、
医薬消耗品が技術料に含まれているなど、
医療機関従事者の現金給与総額は、減少傾向 一方、製造業は伸びている
医療福祉分野の国内生産額の伸びは高い →医療に財源を投入、→地方での経済成長につながる、地方創生への貢献が期待される
3、薬価制度改革
日医のスタンスは、安全性・有用性が確認された医薬品は速やかに収載すべき
公的医療保険制度を維持しつつ、高額医薬品を必要とされる患者に使用していく
後発医薬品の使用促進
4、健康寿命の延伸
人口減少 と 高齢化
・地域包括ケアシステムの推進
・かかりつけ医を中心としたまちづくり
・所得や資産に応じた負担
・医療ITの活用
健康寿命の延伸がもたらすもの、
生涯現役社会の実現(雇用延長) → 税収増、社会保障財源の確保
健康な高齢者の増加 → 医療費・介護費の伸びを軽減
若い世代から予防・健康づくり → 雇用拡大、経済成長、税収増、社会保障財源の確保
健康寿命延伸に向けて、 医療等IDによる統一した管理
糖尿病重症化予防 データベースの構築と分析、アウトカム向上の研究
糖尿病性腎症重症化予防に係る連携協定
日本健康会議 活動指針 健康なまち・職場づくり宣言2020
COPD対策推進会議の都道府県等への拡大
禁煙推進に関する日本医師会宣言
5、かかりつけ医を中心とした地域包括ケアシステムの構築・推進
日医かかりつけ医機能研修制度
地域包括診療加算・地域包括診療科にかかわるかかりつけ医研修会
認知症高齢者の運転免許更新に関する診断書作成の手引き
かかりつけ医と総合診療専門医
総合診療専門医:あくまで学問的見地からの評価による
専門医制度整備指針改定にあたっての日本医師会の要望
6、医療に係る控除対象外消費税問題の解決に向けて
7、医療に係る事業承継税制について
山形県医師会設立70周年 記念祝賀会