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微の成り立ち

2025年03月03日 | ことば遊び
「微(び)「徴(ちょう)
この二つは、ビミョウ(微妙)に紛らわしくて困る。・・・困るのも無理はない。当然、これらはよく似た行為を表す字なのだから。

 「微」「徴」の異なる部分、「兀
(こつ)」と「王」に着目する。
まず「微」の「兀」は髪を結ばず、切った髪のような人の側面形の姿で、巫祝
(ふしゅく)(神に仕える人)のこと。その上の「山」は頭部に髪飾りをつけた姿。だから「微」の真ん中の字形は髪飾りをつけた巫女の側面形。

「微」の右「攵
(ぼく)」は、元は「攴」。
「攴」の上の部位「ト」は木の枝、「又
(ゆう)」は「手」の形で、「攴」は木の枝などを持ち、誰かを打つ形。左の「彳(ぎょうにんべん)」は十字路の左半分の形で道路のこと。
 つまり「微」は道路で髪飾りをつけた巫女を木の枝などで打つ形の字。そうやって敵からのまじないを衰微すいびさせる行為。なぜ目の前の巫女を打ち、敵の呪いを衰微させるのか。現代人には分かりにくい間接的な行為だが、この行為を共感呪術と言う。敵の呪力をそぐので「かすか」などの意味がある。

「徴」のほうの「王」の字形は王様のことではなくて、「呈(てい)」の下にあるのと同じ、人が真っすぐに立つ「テイ」という字。上の「山」は、この場合は長髪
(ちょうはつ)のこと。
 「王」と「山」でらえた敵の長髪の長老のこと。その長老を打って、その呪力を刺激して、打つ者の要求することの実現を求める行為のこと。その要求実現の徴
(しるし)があらわれることを「徴」と言う。
 敵の長老を打つ行為は懲罰ちょうばつの意味もあるので、敵をらしめることを「懲」と言う。

 もう一つ。「徽章
(きしょう)」の「徽」については、「微」の省略形に「糸」を加えた字。
「微」で打つ巫女に飾りのための「糸」をつけ、巫女であることの「はたじるし」にした。後にすべての「徽章」の意味に使うようになり、「しるし」の意味になった。

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