もののはじめblog

コメント歓迎 ! 
必ずコメントに参ります by iina

エヴェレスト 神々の山嶺

2016年04月06日 | 映画
第11回柴田錬三郎賞を受賞し、漫画版と共にベストセラーを記録した夢枕獏の小説「神々の山嶺いただき」を実写化した映画。

イギリス人登山家ジョージ・マロリーが、1924年にエベレスト初登頂に挑戦の途中、行方不明となり帰らぬ人となった。
初登頂成功は、1953年にエドモンド・ヒラリーとシェルパのテンジン・ノルゲイのチームによってだった。
しかし、もしかしたらマロリーは登頂を果たしていたのではという説がある。
もしマロリーのカメラが発見されたなら、フィルムに証拠が記録されている可能性がある。マロリーのものかも知れないカメラを巡って展開する小説を読んでいたので、おさらいしたくて映画を観ることにした。山岳小説、山岳ミステリー、冒険小説。

ジョージ・マロリーといえば、「なぜ山に登るのか」と聞かれて「そこに山があるから」と答えた有名な登山家。
本作のテーマは、「なぜ山に登るのか」であろう。そこにマロリーのカメラをからめて伝説の登山家・羽生を登場させて人間の物語りに仕立て上げている。
「人はなぜ、山に登るのか?」



本作が出版されたのが1997年8月、マロリーの屍体が発見されたのが1999年5月。
夢枕獏は、後に発見前に書き上げていてよかったと述懐している。果たしてカメラはみつかったか?

この1999年にエベレスト標高8848m の8490m地点で、マロリー達が使用した酸素ボンベも発見された。もし登頂したらエベレストの頂上に置いてくると言っていた妻の写真が所持品の中になかった。几帳面なマロリーが写真を持っていないということは登頂の証拠に写真を置いてきたからではないか。
 [ 頂上付近のジョージ・マロリーの遺体 ]
なお、1933年にはパートナーのアーヴィンのピッケルが8,460m地点で見つかっていたという。果たして、マロリーたちは頂を踏んだか

次の意見は説得力がある。
たとえ頂上に到達したという証拠が見つかっても「初登頂」の栄誉はヒラリーたちに与えられるべきだ。なぜなら、「登頂」とは生きて帰ってこそ意味がある行為だと考えられるからだ。
                   

コメント (13)    この記事についてブログを書く
« 帽子ピョン | トップ | 「凶」の成り立ち »

13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お早うございます (延岡の山歩人K)
2016-04-06 06:29:42
エヴェレスト 神々の山嶺
魅かれる題名です(^^)/
自分も
山登りが好きで、山岳ミステリーのTVドラマ等は
よく観ています
この映画本当に面白そうですね
ローカル都市では、映画館が近くにないのが残念です。
返信する
ジョージ・マロリー (らいちゃん)
2016-04-06 07:17:04
「そこに山があるから登る」有名な言葉ですね。
ジョージ・マロリーの言葉でしたか。
遭難されたとはお気の毒です。
彼が初登頂したという証拠が見つかればいいですね。
返信する
(延岡の山歩人K) さん へ (iina)
2016-04-06 08:04:24
     上下して つづら曲がりに さくら咲く / iina

高森峠の「九十九曲がり」を行ったり来たりして、千本桜を見まわりたいです。
雄大な景色に、桜がよくとけこんでいます。

このような雄大な景色に惹かれて、人は山に登るのでしょう。
映画でなくても、夢枕獏の小説「神々の山嶺」は、おすすめです。

返信する
(らいちゃん) へ (iina)
2016-04-06 08:30:29
おさないころに、猿飛佐助が真田幸村を守って活躍するマンガを面白く見ていました。
弱肉強食の戦国時代は、巧みに世渡りしないと飲みこまれてしまうでしょうから、「表裏比興の者」とはこれもよく言い表して
います。初めて識りました。

>ジョージ・マロリー・・・彼が初登頂したという証拠が見つかればいいですね。
マロリーの屍体が発見されましたが、カメラは見つからなかったのです。フィルムも状況証拠も、登頂したという決定打は
ありません。登ったとも登らなかったとも言いきれず謎のままです。
ただ、生還してないのですから、やはり初登頂はヒラリーたちとする意見に賛成です。
http://getnews.jp/archives/372973

返信する
3トラックバックに コメントします (iina)
2016-04-07 12:01:26
(読書と映画とガーデニング) さん へ
原作を読んでいたのに、マロリー初登頂を証明するかも知れないカメラを追う筋は覚えていても、その結果を記憶してなかったです。

映画鑑賞後に、原作のあとがきとクライマックスを読み直すと、最後はリュック内を探さずに去る精神論でお茶を濁してましたから、
記憶に残らないはずです。
そこでWEB検索して、マロリーの遺体をみつけました。カメラはあったでしょうか・・・?




(パピとママ映画のblog) さん へ
>「生きて戻りたい死んだらゴミだ」まだ続く羽生の声が「足が動かなくなったら手で歩け。手が動かなくなったら指でで、指が動かなくなれば歯で雪に歯型を立てて登れ、歯がダメになったなら目で睨みながら這え。目もダメになったなら心で想え、ありったけの心で想え」
>。「生きて戻りたい死んだらゴミだ」



(映画的・絵画的・音楽的) さん へ
原作を読んだエベレストのイメージとは違ってましたが、現場はほぼ垂直に切り立ったエヴェレストの南西壁なのでした。

>深町は、見つけたマロリーのザックの中にフィルムを探そうとはしません(「そんなものはどうでもいい」として)。
マロリーの屍体が発見されたことで、夢枕獏はラストを書き直したそうです。それで、遭難者たちが今も歩きつづけている
としたのでしょうか・・・。
それにしても、「人はなぜ、山に登るのか?」

返信する
3トラックバックに コメントします (iina)
2016-04-08 10:39:08
(花ごよみ) さん へ
>後半の阿部寛のシーンは怖かった。まるでホラーのような映像は いつまでも目に焼き付いてしまい困っています。
そんなラストでした。

[ 頂上付近のジョージ・マロリーの遺体 ]を見ると、さらに怖くなりますょ。ホラ~
果たして、カメラは発見されたでしょうか?
http://getnews.jp/archives/372973




(夢色)  さん へ
読者には、読んでふくらんだ印象がそれぞれですから、原作のイマジネーションとおりに、撮影するのは至難の技ですネ。

>「そこにお前が求めてるものがある。ジャケットの中だ。」
縦軸にフイルムをミステリー仕立てにして、「人は、なぜ山に登る」のが説明不能なことを暗示させて、結局フイルムはなかった
と謎にして終わっでもよかった気がします。
深町のことも山登りスピリッドとして尊重すればいいのですから。



(★yukarinの映画鑑賞ぷらす日記★) さん へ
過酷な環境下で、どうして死と隣り合わせの山に登るのでしょう?
しかも、夏山にすればいいのに、わざわざ冬山にエヴェレストを登るなんて・・・。

「剣岳」新田次郎著では、「山を背負って登れ」の言い伝えが生きて、冬の雪山でしか登頂を果たせない時代でしたから、
本作も垂直に切り立ったエヴェレストの南西壁を極めるには冬山である必要があったのでしょう・・・?
原作にも、説明はなかったような・・・?

返信する
TB (勝手に映画評) さん へ (iina)
2016-04-10 10:21:18
夢枕獏は、エベレストの頂きには行かなくても途中までは何度か登っています。20代のころに山の本を書くよう薦められた
ものの、力量不足から書くことを実現するまで20年以上かかったと申します。( 「神々の山嶺」のあとがきより )

北方謙三の講演も聴きましたが、夢枕獏と同じく小説の構想が山ほどあると語りました。知られていない国に旅した際、
入国審査の時に小説家と申告すると、いままで何冊書いたかと質問され、正直に100冊以上と答えると信用されなくて
拘束される恐れがあり、数冊程度と答えたとか。書きたいことが、まだまだ頭の中に埋まっていると講演するのを、 ・・・
 ふーむ、そんなものかと感じ入ったものです。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/e4a1b6010545c05579884c8de520b0be

夢枕獏の講演も聴いたのですが、過去のブログを探すも なぜかにアップしてなかったです。

返信する
Unknown (クマネズミ)
2016-04-10 11:48:06
「もののはじめのiina」さん、TB&コメントをありがとうございます。
夢枕獏氏は、マロリーの遺体発見の報を得てその著書のラストを書き換え、深町がフィルムを見つけて、
それを日本に持って返って現像したら、山頂に立っているマロニーが写っていた、というようにしたようです。
 しかし、そのようなラストにすると、本作の焦点が羽生ではなくなって、エヴェレストの初登頂者は誰か、
という方に移ってしまうかもしれません。

返信する
iinaさん へ (火月 神)
2016-04-11 09:44:01
TBありがとうございます。
小説の実写化は、そこが面白いところではあるのですが、ちょっと期待し過ぎちゃったかなーと(^^;)
同じ言葉を読んでも、想像するものはそれぞれでちがいますものね。

映画のストーリーの中でのフィルムの取扱いは、途中から存在感が無くなってしまった感じが、勿体なかったかなと思います。

返信する
iinaさんへ (yukarin)
2016-04-13 10:39:58
過酷な状況だからこそ挑戦したいのかもしれませんね。
こちらからとしたら夏山のほうがいいじゃないかと思ってしまいすが、、、

>「山を背負って登れ」の言い伝えが生きて、冬の雪山でしか登頂を果たせない時代でしたから、・・・
「剣岳」は未見ですが、言い伝えがあるのなら絶対ですが、こちらは南西壁でしたもんね。うん、、、

返信する

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事