今回の地震で壊滅的な被害を受けた南三陸町の職員の話し。
彼は、地震発生後地震時の対応マニュアルにしたがって自家用車で海辺の水門を閉め、避難所に向かったところで前を横ぎる水に遭遇する。慌ててUターンしたがその先にも水が押し寄せた。その時「もうだめだ。どうせなら正面から受け止めたる」と死を覚悟して車を海の方角へ向けた。この方向転換が結果として功を奏し、彼は高さ約30ネートルの高台にまで流されながらも九死に一生を得た。
記事は、「残してもらえた命。頑張って今度は他の人を助けたい」と彼が疲れた様子も見せずに被災者が待つ避難所に戻っていったとまとめている。
一方、
石巻市での話し。
幼稚園児4名と付き添いの職員1人を乗せた園バスが犠牲になった。園は丘の中腹にあって地震や津波の大きな被害を免れた。だが、地震のあと園バスは丘を下りて行方がわからなくなった。「母親のもとに戻すことを優先した」という園長の判断だった。発見された時、バスは押しつぶされ黄色い車体は焼け焦げていた。その社内で子供たちは抱き合っているように見えたという。
行方のわからない我が子を必死に探し回っていた母親がバスを発見し、変わり果てた我が子に「みんなで一緒にいたんだね。怖かったね。熱かったね」と声をかけた・・・。
(3月15日朝日新聞記事より)
「運命」で片付けるにはあまりにも重い二つの事実。
誰が悪いわけでもない。誰も責められない。
受け入れがたいが受け入れざるを得ない。これが『運命』なのか・・・。
ある人のツイッターでこんなつぶやきを見つけた
『ちきゅうなでなで
いいこいいこ
だからゆれないでね』
お願いだから、これ以上いじめないで