女を捨てず・女に甘えず・らしさを活かす

女性スタッフがビジネス社会で実際に体験したことを中心に「見たこと」「聞いたこと」「感じたこと」をありのままお伝えします。

「かわいそう」と思う気持ちが成長を妨げる

2012-04-24 | インポート

前回同様新入社員研修でのこと。

「売り」の一つでもある「本気演習」

7~8人をグループにして

「思いっきり笑顔で」

「思いっきり大きな声で」

「キビキビ・テキパキ・ハキハキ」

「姿勢よく」「身だしなみを整えて」「お辞儀の角度と速度を揃えて」

チェックテストにチャレンジしてもらう。

感じよく上品にとは真逆の、

「もうこれ以上無理でっせ~

というぐらいの声を出し、

汗をかきかき腕まくりで、顔をくちゃくちゃにしながら必死のパッ

チで講師からの挑戦状に挑み続ける

グループメンバー全員が講師の基準(=他者評価)

OK(=合格)になるまでただひたすら声を出し、笑顔を作り、

姿勢を正し、お辞儀の角度とスピードを合わせる・・・・。

メンバーのうち一人でも駄目なメンバーがいれば ダメ

たくさんあるチェック項目のうちどこか一つでも駄目なら ダメダメ

一人でも本気でないメンバーがいたら ダメダメダメ

容赦なく

はい、だめ~

BOO~

最初よそよそしいメンバー達が、何度も駄目だしをしているうちに、それぞれ

の本気が出てくる。遠慮しながらの指摘が的を得た具体的な指摘になり、

どうすればお辞儀の角度やスピードが合うかに対してアイデアが次々に

出てくる。

講師の役割は、妥協せずダメ出しを続けていかにメンバー達を本気にする

ことこれにつきる

グループ全員の本気が一つになった時、評価者である講師の心が動く

OK

ただ、講師とて人間。何度も何度も駄目だしを続けていると、ふとおまけしたくなる

ことがある。

ほとんどの場合、この「おまけ」の気持ちはいい場面では芽生えない。

おまけ=もうこれぐらいにしといたろか・・・(という妥協)

    =これ以上無理やろ・・・(というあきらめ。決めつけ)

いずれにしても教育に携わる者として好ましくない。

今年もいた。ある団体の新入社員研修でのこと。

べっぴんさんでおしゃれな雰囲気の彼女。

表情がなく、恥ずかしいからなのかなかなか声が出ない。

いや、出ないのではなく出そうとしない。駄目出しをするとふてくされた

顔や態度をとる。何度やらせても改善が見られない・・・。予定の終了

時間は近づく・・・。

もうええっかな・・・。こんなもんにしといたろかな・・・。これ以上やらせたら

可哀そうやもんな・・・。

妥協してOKをだしてしまいそうになった。

でも、こちらがあきらめたら負け。もう一回だけ!と心に決めて、

駄目~!全然声大きなってな~いもう一回~。もっと出る

最後、まだまだ小さいながら「彼女なりの精いっぱいの声」が出た。

きれいな顔が「ちょっとだけくちゃくちゃになった」

あきらめなくてよかった・・・・。講師も自分と戦っている。

かわいそう・・・

講師が抱いてはいけない気持ちの一つ。「かわいそう」と思った時点で、

上から目線。そこに受講生の可能性を信じて成長をサポートしようとしよう

うとする気持ちはない。

その根底には、相手をなんとかして本気にしようと「本気」になる気持ちはなく

何度も駄目だしをして「いじわるばばぁ」と思われる自分から逃げようとするずる

い自分がいるだけ・・・・。

逃げずによかった・・・。

中村でした。