女を捨てず・女に甘えず・らしさを活かす

女性スタッフがビジネス社会で実際に体験したことを中心に「見たこと」「聞いたこと」「感じたこと」をありのままお伝えします。

★ことばを定義する『力』

2008-11-20 | 日記・エッセイ・コラム

この仕事をしているといろんな人との出会いがあり、そのいろんな人から様々なセミナー、勉強会、交流会などの誘いを受ける。

先日久しぶりにある研究会に参加した。この研究会は人材開発に関わる人を中心に1ヶ月に1回開催されている。いろんな分野の人の講演を聞きそのテーマについて考える真面目な会。私自身以前に講師として招いてもらったこともあって年に何度か参加している。そこで、教育に携わる「伝え手」として「ことばを定義する『力』」の重要性を改めて考えさせられた。

今回の講師は大手企業を退職後コンサルタントとして活躍されている人。自らの体験をもとに「社会人の心構え」についてまとめて出版した著書の内容がテーマでした。その心構えの中の一つに「品格を身につける」というものがあり、参加者の一人が質問した時のこと

質問者「ここでいう品格というのは、身だしなみのことですか?」

講師 「身だしなみもありますが、教養と言いますか・・・」

このやり取りを聞きながら私だったらどのように答えるだろうか?と考えた。伝え手に求められるのは、このような場面でその言葉を的確に定義する(=伝え手の主張)力。しかもプロの伝え手であれば、その定義を「なるほど、そうですよね!」と相手に納得させる力が求められる。ここでいう定義は辞書的な意味ではない。「品格」の辞書的な意味は、品位と風格のこと。その人やその者に感じられる気高さや上品さとある。そうではなくて、自らの経験から「品格とはこういうことである」「品格を身につけるのに必要なのはこれと、これと、これと・・・」という自らの定義すなはち解釈のこと。乱暴な言い方をすれば伝え手にとってこの定義すなはち解釈が全てではないか。教育者にとっての教育観、経営者にとっての経営理念、ビジョンも同じこと「これだ!」と思うことを一般的に伝えるのではなく、自分で解釈し、自分の言葉で定義して伝えること。そこにしか言霊は宿らない。自分の言葉で定義するとそこにはリスクが伴う。「異議あり!」「そうは思いません・・・」という意見が必ず出てくる。でもそのことを恐れていては自分でしか伝えられない想いは伝わらない。うちの会社には「成長とは」「会社とは」「仕事とは」に関して社員全員が共有している考え方がある。それらは必ずしも一般的ではない。でもその考え方を主張するからその主張に共鳴してくれるお客様や仲間と出会える。

独善的にならないように気をつけながら、中村にしか伝えられないものを追求していきたいと自問自答に答えをだしたところで研究会が終了した。大切なことを再考させられた貴重な時間だった。   

                                   感謝


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