昨日ウォーキングをするために訪れた大阪城公園で偶然幼なじみと出会った
私 「何してんの?」
相手 「散歩」
私 「・・・。」
相手 「桂ちゃんは?」
私 「ウォーキング」
相手 「・・・。」
このほとんど意味のない会話の後、流れで遅めのランチ(2時ごろ)をするために入った蕎麦屋でのこと。
私達が注文し終わったのとほぼ同時に60代後半とおぼしきおじいさんが独りで店に入ってきた。白髪。上までしっかりとボタンを留めたシャツはズボンに「イン」。背筋をピンと伸ばしてとても姿勢のよいそのおじいさんは、あたかもそこが自分の指定席であるかのように自然に入口近くの席についた。
そして席につくなり
「蕎麦屋のコロッケとぬる燗一本下さい」
と、厨房近くにいる店員の女性に「大きく」「通る声」でオーダーした。
しばらくして、ぬる燗が運ばれてきた。おじいさんは「ちゅるちゅる」と音をさせながらおいしそうにお酒を呑みだした。さらにコロッケが運ばれてきた際に、
「ぬる燗もう一本下さい」
追加のお酒が運ばれてきた際に、
「鳥のから揚げと白ご飯下さい」
メニューを見ずに注文していることや店員とのやりとりから、常連であることがわかる。食事中も背筋はピ~ンと伸ばしたまま。新聞や雑誌を見ることもなく、自分のペースで食べ、呑む。
きっとあのおじいさんは、休日にあの店でぬる燗を呑みながらゆっくり食事するのが日課になっていて、おそらくいつもあの時間帯にあの店に来て、あの場所に座り、同じものをオーダーするのだろう。(間違っていたらごめんなさい) 年齢的には定年を迎えてビジネス社会はリタイアしているように見えるが、実直で几帳面そうなその立ち居振る舞いから、会社勤めの頃は真面目に勤めていたんだろうなぁということが予測できる。一度身についた態度や習慣はリタイアした後ももとには戻らないのだろう。休日とは言え、「きちんと身だしなみを整え」「背筋を伸ばし」「~しながらものを食べない」「オーダーは、~下さいと丁寧に伝える」など全てがきちんとしている。
自分のスタイルを貫く。自分のお気に入りの場所でゆっくりと時間を過ごす・・・。共感できるところもあるが、ただ一点。
独りは寂しい。
ここまで考えてフッと顔を上げた時、食後のデザートと称して「甘いもの」を食べている幼なじみと目が合った
「独りじゃないって~」「素敵なことねぇ~」
ホッとした・・・。