izumishのBody & Soul

~アータマばっかりでも、カーラダばっかりでも、ダ・メ・ヨ ね!~

90歳で詩を書き始めたという柴田トヨさんの詩集!

2010-06-17 17:38:35 | 日記・エッセイ・コラム
本屋で何気なく手に取った「くじけないで」という詩集。
1911年生まれ、今年98歳になるという(!)柴田トヨさんが書いた詩集だ。
90歳を過ぎて詩を書き始めたという、その経歴にも驚嘆するが、さらに中身を読むと静かに静かに感動が湧いてくる。

もう20年くらいも1人暮らしをしていて、もちろんヘルパーさんやお医者さんや、回りの人たちに支えられているのではあるが、その感受性の瑞々しさ!
言葉の向こうに、沢山の思い出がキラキラと輝いている。
映画のワンシーンを観るように、ひとつひとつの詩に映像が立ち上がる。
なにより90歳になっても、人はなにか新しいことをはじめられるのだと、勇気をもらった気分。

ーだからどんなにひとりぽっちでさみしくても考えるようにしています。「人生、いつだってこれから。だれにも必ず朝はやってくる」ってーという一文には心を打たれる。
誰でも歳は取るけど、決して誰もが同じように歳取るわけじゃないんだね。
(98歳のトヨさんは、とっても美しいお顔をしていらっしゃる!)

柴田トヨ「くじけないで」飛鳥新社 952円+税
オススメです。






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「勤学苦練、歩々深入口」1986,12,15

2010-06-17 17:08:30 | 太極拳
 1986年12月、王西安老師に陳式太極拳を習うために初めて中国に行った。
今から、24年前(!)のことである。
 始めての鄭州への旅は、上海から列車に乗ること17時間!!遠かった!汚かった(トイレが)!!
 4人のコンパートメントにはなぜか中国人のオジサンが1人乗り合わせ、「なんだなんだ?」とびっくりしたような顔で見ている。「ニイハオ!」と喋れもしないのに話しかけ、聞けば会議のために成都まで2泊3日かけて行くと言う(!)
「どうして飛行機で行かないの?」
「飛行機は落ちると危ないから」(!)
「え~っ!そうなの~?危ないんだ~!」 
 こんなことを片言の中国語と身振り手振り、口調と表情を交えてお喋りしながら、長い長い列車の退屈を凌いでいたのでありました。
 
 いまでは、大都市になった鄭州だが、当時は、すぐに家並みが途絶える田舎(というか、昔の都(みやこ)の規模でしょう)。空高く伸びてたっぷりと枝を広げたプラタナスの街路樹が、とても美しい街だった。
 食事の後は、まだ初めてで物珍しく、毎晩街を見物するのが日課。左に行けば中心街で賑やか、商店や屋台が並んでいる。百貨店などがある。
 ある晩、右には何があるのかな?と歩いてみたら、4~5軒先まで行ったらその先はパタッといきなり真っ暗!!道が闇の中に消えている!!こわーい!とすぐにホテルにUターン。本当の真っ暗闇。怖かった。。。
 その後、何度も行くたびにどんどん街は広がって、今や鄭州市は広大な大都市。何度か行くうちに国内線航空機での移動になり、鄭州の飛行場は成田など及ばないくらいの広さ(最初の頃は空軍の飛行場だったもの)!
 
 さて、練習場所は「国際飯店」というホテルの、従業員食堂。
真冬のことで暖房で室内はムンムン、基本練習は脚を廻して引っ掛けたり、蹴ったりを延々。乾燥する中でバタバタ練習するからホコリっぽいなんてもんじゃない!! 初日にしっかり喉をやられました。
 王西安老師は身体も心も大きく広々した方で、よくお酒を飲み、よくタバコを吸い、ジャンケン(?)も強くて、お酒もジャンケンも弱い通訳はすっかり潰されていた。
 2週間ほどの滞在が終わり、王西安老師は一人一人にひと言ずつ今後の注意とか練習法とか書いてくれた。ある人には「皮膚の細胞ひとつひとつを緩めて~」といったようなことだったり、またある人には「順番を覚えるのは基本だから~」とか、あるいは「日中友好のために~」とか。
 私に書いてくれたのがこれ。「勤学苦練、歩々深入口」である。
 「勤学苦練」は分かる。漢字そのものだから。後半部分は分かったような分からないような・・・。
「これどういう意味?」と通訳に聞いたら「一生懸命練習すれば、深入り=益々面白くなります、ということですね」
「ますます深入り~?」!

 それから長い時間が経って、そのお言葉通り、ますます深みにはまって今に至っている。 

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